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「退廃から」(詩)

心に放たれた爆弾。


街ごと燃やされたような衝撃で。


一度終わったその心。


目に焼き付けた地獄絵図。


酷く絶望して。


そのうち
自責の無意味さに気付いて。


そして時が経っていく。


時間は私を立ち直らせた。


少しずつ街は活気を取り戻し

青空に包まれる。


それでも。


消えない傷があった。


やりようのない想いがあった。


今思えば、

私は愚かだった。


何も見えず、感じもしないで。


本当にやりたいことも掴めず。


間違いへと一歩。


足を踏み入れては自爆した。 


今思えば、

自業自得で。


心には、戻れない思い出だけが残る。


懐かしい思い出だけが残る。


今更、どうしようもない。


けれど。


その中でも、得たものがあった。


滅びゆく街に

芽吹いた新芽。


小さな世界に、光が差した。


いつかの爆風よりも

静かに綺麗な光が満ちた。


それは、私の全て。


一度死んだ私から生まれたもの。


新たな生きる意味。


信じられるものが減っていく中で、

確かに信じられるもの。


だったから。


私の心に満ちた負の感情は、

いつしか新芽の為に注がれていた。


私の心にあった正の感情は、

いつしか武器として新芽を守っていた。


私が決めた答え。


めが据わる。


どれだけ時間がかかってもいい。


降る雨の寒さに耐えて。


いつの日か、

長い冬を越えて。


咲き誇り、大きな根をはるその日まで。


私は……

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