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大型安売り店復興はあるか

残業の上限が960時間に。これで大騒ぎしている運送業界。ならば、これまではどんな状況だったのか?
我々からすればゾッとする基準です。

普通の企業なら1ヶ月80時間だけで3人くらいの上司から呼ばれて根掘り葉掘り尋問なされ、説教されることになります。
つまり、これらの業種は異常なのです。

とはいえ、これをいきなり(ある程度準備はしているでしょうが)法律で縛った以上、何かに皺寄せがきます。

答えは簡単。
コスト
です。
今後、彼らは月に80時間以上残業できない(これでも以上ですが)なので、運ばなければならない荷物が、仕事がこなせなくなります。
とすると、追加で人を雇うか、仕事を断るしかありません。
みんな断れば、依頼側は収益を得られないので、「費用を上げてもいいから対応してくれ」となります。最終的にサービスを享受する側が大幅なコストを支払うことになるのです。

となると、現在、安い配送料で運用しているネット通販は立ち行かなくなります。
例えば、4000円買えば送料無料になったのが1万円以上になり、ひとつの送料が2000円、3000円になるものが激増する。そうなれば、ネットで買う旨みはゼロになるでしょう。楽天市場やアマゾンは配送料を引き上げざるを得なくなり、そうすると顧客も逃げる、という悪循環に陥ります。

一方で、ホームセンターやデパート、ドラッグストアやスーパーの運送コストも上がりますが、一度にまとめて輸送できるため、費用は圧縮できます。その中で、最も強みを持つのは、コストコやIKEAなどの超大型店舗です。場合によっては、船で大量輸送し、それをコンテナから店に搬入するといった大胆な手法により運送コストも圧縮しています。

これまで、ネットで見つけて注文し、配送していたわけですが、一件一件、高い配送料がかかるようになれば、こうしたお店に、マイカーでこちらから出向いて、大量購入する方が遥かにコストが安くなります。そう、こうした巨大店舗が復興する可能性があるということです。

これまでブラックな仕事でまかなわれていた便利なネット配送でしたが、それを享受してた我々も考え直す必要があるのでしょう。
そして、新らな業態が生まれるのか?
例えば、アマゾンの配送センターみたいな施設がローカルな駅の前に突如現れ、ネットで注文し、その施設で受け取れるような。
そうすれば、自分の電車代はかかりますが、おそらく、配送料よりははるかに安いという結果になるでしょう。

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