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子ロバに引きずられた話

 生後3ヶ月のメス子ロバと6ヶ月のオス子ロバを飼い始めた事があって、その子らは仲良くすくすくと育ち夫婦になった。可愛い子ロバにも会わせてくれて 最後の一頭が老衰で亡くなるまで 15年くらいロバとの生活を楽しんだ。
 それは出会って間もないある日の事。慣れるまではと、2頭は牛舎の片隅に繋がれていた。小さいながらもその鳴く声は何とも言えない独特な鳴き声だ。
大きく息を吸い込んで思いっきり叫ぶ。
「ひーっほっほっほー!!」
隣近所とは100メートルは離れていたけれど、それでもかなりの騒音であったと思う。こんなうるさい子達の事も受け入れてくださったご近所様には、本当に感謝いっぱい。
 その日、いつまでも日の当たらない此処では可哀想だから、移動してあげようかなと、ちょっと大きい方 と言っても生後6ヶ月の子ロバの方を先に動かす事にした。私はおもむろに繋がれていたロープを解いて子ロバに触れた。そのとたん、子ロバが踵を返して 全速力で走り出したのだ!子ロバも踵を返すんだ!?
「ぎゃーーーっ」
私はそのまま牛舎の真ん中を小さい子ロバに引きずられ、引っ張られ 引きずられた。
いやー、ロープを離しちゃいけないと思ったんだ。絶対離しちゃいけないって!
だから、ずっと握ったまま 牛舎の中通路を腹で掃除した感じよ。
大人のロバに引きずられたならまだしも、こんなちっちゃな子ロバに大の大人が引きずられる様子を想像してみてよ、可笑しくって可笑しくって。私の叫び声にびっくりして駆けつけてくれたのはお義父さんだった。私の腕からロープを取り上げて、なんにも無かったかのように 子ロバ連れて歩いて行ったわよ。「相手が子供だってバカにしちゃいけないよ。」とひと言おいて。

 ロバは凄い馬鹿力を出すんだな。瞳が丸くて大きく可愛いくて、耳が長くて背中には十字架を背負って鳴き声は、ひーほっほー。中には白いロバがいるらしいけど、うちの子たちはメスはグレー、オスはブラウンだった。それからしばらくしてサラブレッドとポニーのパドックのとなりに、子ロバたちは住まいを持った。
良かったね、広い運動場に来れて(^^)

 ※ロバの妊娠は 見た目にはあまり気がつかない場合が多くて出産予定日と言うのも あまりはっきりしないらしい。お母さんロバが この日と選んで産むそうだ。←聞いた話。

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