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名品も迷品も。サントリーの秘蔵コレクション

2024年4月某日
サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品


名品もさることながら、迷品に惹かれて訪れた展覧会。
あまり展示機会がなかったコレクションを紹介とのことで、期待が高まるぅ~

名品は素敵~これ欲しい~って思っちゃうもの。
迷品はな、なんじゃこれ?とツッコミ心をくすぐられるもの。

なんだなあと感じたのだった。


●第1章 漆工 生活を美で彩る

鞠・鞠挟(まりばさみ)

蹴鞠専用収納台。ピッタリサイズ。
蹴鞠の鞠って真ん中がちょっとくびれてて、そこにジャストフィット!
その発想がユニーク。
フリスクケースとかうまい棒専用収納ボックスと同じノリ? 嫌いじゃあない。妙にゴージャス。


浮線綾螺鈿蒔絵手箱

国宝。貝の裏側を複雑な模様に切り抜くって、すごい技術だよねえ改めて考えると。
北条政子の愛蔵品だった説アリ。

椿彫木彩漆笈

椿の表現がおもしろい。
修験者が布教や修行の旅の際にいろいろ詰めて背負ってたらしい。


文箱や文庫、デザインに気合い入ってる。
毎日使って触れるものだからこそ、美しいものに仕立てたいんだろうなあ。
ちなみにサントリー美術館は「生活の中の美」を理念として、収集をしてきたとのこと。

・御簾綾杉蒔絵結文形文箱
形がカッコいい。結んだ文になってる。
模様はジグザグ直線に薔薇散らしてるのー組み合わせがおもろー

・葡萄栗鼠蒔絵文庫
ぶどうとリスは多幸多産の象徴。人気のモチーフよね。

・清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤
螺鈿細工が派手。輸出だからかな。楽しくプレイできそう

・花鳥螺鈿蒔絵聖龕
観音開きで聖母子像を螺鈿で美しく仕立てる。こちらも南蛮からの注文品

・御所車桜蒔絵提重
余白を活かした構図が素敵なお重セット。もちろん機能美もありつつ

・朱漆塗螺鈿沈銀六角湯桶
朱色がいい。六角形がユニーク。六面それぞれに柄が施されている

朱塗りの食器がいっぱい。
朱漆は非日常の器。縄文の時代からから貴族まで、ステイタスシンボルなんだそう。


●第2章 絵画 おおらかな心で愛でる

泰西王侯騎馬図屏風

小顔でシュッとすました王たち。
それよりも、メンチ切りまくりの馬たちの表情が興味深い。
やんのかゴラ顔がおもしろい~


・邸内遊楽図屏風
室内で大人の遊びに興じる人たち。ぐにゃ~っとリラックスな人たち。
かるた、酒盛り、三味線鼓、輪になって踊って歌ってどんちゃんも。湯殿もあるよ。
まあ妓楼だから、さらなるお楽しみがあるんだろうね~屏風には描けないけど。
とにかくみんな楽しそうすぎる!


おようのあま絵巻

遠近感ってなんですか?な素朴さがたまらない。


・酒伝童子絵巻 
狩野元信 色が綺麗に残ってるなー青・緑・赤

・佐竹本・三十六歌仙絵 源順
表装が歌にちなんでて洒落てる。
裁断されてそれぞれの持ち主が気合い入れて表装したのよねたしか。

・鹿下絵新古今集和歌巻断簡 
書/本阿弥光悦 画/俵屋宗達 2人のセンスがバチバチ!
金泥で描かれた鹿がまるまるしてて可愛い。
余白を活かしつつメリハリがきいた光悦の書。。

・かるかや 
絵入り本。素朴な絵がお話の内容と相まってしみじみ~



●第3章 陶磁 人類最良の友と暮らせば


色絵桜文透鉢 桜が青くてもいいじゃない


色絵梅枝垂桜文徳利
緑、青、貫入、口が細くておしゃれ


白泥染付金彩薄文蓋物 by尾形乾山

地味なモチーフ・すすきが、デザインの力で絶妙な存在感に。
黒の上にしゃっと乗っけた金が効いてる~
そして内側が全然違う柄なのも茶目っけあるぅ~
なんだかずっと観てられる。



●第4章 染織と装身具 装わずにはいられない

「装わずにはいられない」っていいフレーズ。
着物、かんざし、櫛、紅型、こぎん刺し、能装束などなど


緋綸子地葵藤牡丹扇面模様打掛
刺繍の立体感がすごい。飛び出す吉祥文様


平四目紋革羽織(一番組よ組) 革仕立て


文様のバナー



●第5章 茶の湯の美 曇りなき眼で見定める


色絵七宝繋文茶碗 by野々村仁清

色とデザインが洒落てる! 
黒字に赤と緑、金の縁取り。器の口は銀が太めにぐるーっと施されている。
手に取ってこう、いろんな方向から見ると渋さと光りを味わえるんだろうなあ。

色絵七宝繋文茶碗 by野々村仁清


赤楽茶碗 銘 熟柿 by本阿弥光悦

熟した柿、ってぴったりなネーミング。
ほんとに美味しそうな柿みたいな色艶。

赤楽茶碗 銘 熟柿 by本阿弥光悦



織部縞文振出

甘納豆や金平糖など小粒系のお菓子入れ。
別の用途もあったかも?一輪ざしかなあとりあえず。


●第6章 ガラス 不透明さをも愛する

フランスのガレ、ドイツ、ネーデルランド、イギリス、イタリア、そして日本。
ガレのカトレアはトゥーマッチなくらいピンクのカトレアが盛り上がってる。

乳白色ツイスト脚付杯 ねじねじはどうやっていれたんだろ


藍色ちろり

ほんとに美しい、色も形も。この形よく作れたなあ。
ねじねじはヴェネチアングラス、蓋は中国の影響があるそう。
ガラスなので冷酒用らしい。美味しい酒が飲めそうだ。


薩摩切子 藍色被船形鉢

いや~いつ観てもすごい存在感。
蝙蝠や勾玉の吉祥文様と、切り子ならではのデザインが融合。
これまた菓子鉢って説もありつつ、意味や用途ははっきりしていない。
観た人がそれぞれ妄想してみるってことで。

最後はサントリー美術館の「名品」で締め!


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