紅紫

インプットしたことをアウトプットしてみたいと思い立ち、noteを始めました。 アート系…

紅紫

インプットしたことをアウトプットしてみたいと思い立ち、noteを始めました。 アート系がメインになりそうですが、その時々の興味あるものを綴っていければと思います。

最近の記事

名品も迷品も。サントリーの秘蔵コレクション

2024年4月某日 サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品 名品もさることながら、迷品に惹かれて訪れた展覧会。 あまり展示機会がなかったコレクションを紹介とのことで、期待が高まるぅ~ 名品は素敵~これ欲しい~って思っちゃうもの。 迷品はな、なんじゃこれ?とツッコミ心をくすぐられるもの。 なんだなあと感じたのだった。 ●第1章 漆工 生活を美で彩る 蹴鞠専用収納台。ピッタリサイズ。 蹴鞠の鞠って真ん中がちょっとくびれてて、そこにジャストフィット! その発想が

    • なんやかんやで意気投合 河鍋暁斎と松浦武四郎

      2024年4月某日 画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎 「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで 静嘉堂文庫美術館 「画鬼」でおなじみ、河鍋暁斎。 ジョサイア・コンドルがお弟子さんだったこともあり、丸の内近辺に縁がある。 一方「鬼才」松浦武四郎。 蝦夷地調査を敢行し「北海道」の名付け親。その後古物の蒐集にのめり込む。 そんな二人が同じ時代にご近所さんで、がっつり交流&コラボしてたんだ~ という事実を知って楽しくなる。 天神さんと観音さんを篤く信仰していたという共通点

      • 板倉鼎と須美子 エコール・ド・パリの時代の画家夫婦

        2024年4月某日 板倉鼎・須美子展 千葉市美術館 短くも濃いい人生を送った板倉鼎と須美子夫妻。 2人とも20代で亡くなった。 2人の娘も幼いうちに亡くなった。 その事実がショックというか衝撃で。すごい切ない気持ちになった。 切ないながらも、2人が生み出した作品は不思議な魅力をビンビンに放っていたのだった。 というのが以前、板倉鼎に縁のある千葉県松戸市で観たときの感想。 調査を続けてきた松戸市教育委員会がガッツリ協力し、2人の画業を総覧する今回の企画展。 関連資料もたっ

        • シュールな日本のシュルレアリスム

          2024年3月某日 『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 板橋区立美術館 気になってたけど、観ようかな~どうしようかな~やっぱり観に行こうと思ってやってきたイタビ。 当時、シュルレアリスム運動に携わったいろんな絵画や資料が集合~という感じで、見ごたえがあった。 シュルレアリスム絵画ってなんか訳わからん世界観なんだけど、新たな気づきがあった。 色が溢れているってこと。 パステル、ヴィヴィッド、コントラスト強め、多色などなど、とにかく妙な明るさがある。

        名品も迷品も。サントリーの秘蔵コレクション

          いろんな時代の色を味わう「歴博色尽くし」

          2024年3月某日 歴博色尽くし 国立歴史民俗博物館 千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館の企画展示「歴博色尽くし」。 テーマは「色」ながら、バラエティに富んでいておもしろかった。 「いろ」を中心に、素材のもつ質感や微細な構造がかもす「つや」と、それらの組み合わせがつくる「かたち」をフィーチャーしている。 醍醐寺の五重塔、赤絵、漆、蒔絵、螺鈿、アクセサリー、勾玉、九州の壁画、などなど。 ジャンルも時代もさまざまなMIX具合。嫌いじゃあない。つーかむしろ好き。 常設展示も含めて

          いろんな時代の色を味わう「歴博色尽くし」

          ほとけへの想いを胸に、画家たちは創作する

          2024年3月某日 春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術 府中市美術館 今年もこの季節がやってきた!府中市美術館の春の江戸絵画まつり。 「ほとけの国の美術」ということで、楽しい~って感覚にくわえて、厳かな雰囲気も味わえる。 仏像や仏画だけが仏教芸術じゃあない、伊藤若冲や円山応挙や長沢蘆雪など個性的(奇想?)な絵師のさらに個性的な絵も、仏教の思想の上に成り立っているのだった。 当時は人々の生活と仏教がとっても密接で、仏教の思想が一般常識というか根底にあったんだろうな~そして

          ほとけへの想いを胸に、画家たちは創作する

          好古家の楽しいコレクションとコネクション

          2024年3月某日 榧園好古図譜―北武蔵の名家・根岸家の古物(たから) 國學院大學博物館 大学付属の博物館、結構おもしろいかも! と去年あたりから気づきはじめた。 その分野の資料や研究成果がぎゅっとコンパクトに展示されている。 新しい研究がまとまれば随時公開されていて、新鮮な出会いがあるんだなあ。 國學院大學博物館は「考古」「神道」「校史」の三本柱。 ちなみに「校史」は校名の「国学」にまつわるもの。 「国学」とは、日本文化のモノから心を究明する日本文化学とのこと。 現在

          好古家の楽しいコレクションとコネクション

          江戸の伝統技と明治のモダンとアイヌの文化

          2024年3月某日 【江戸東京リシンク展】 旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合  国立アイヌ民族博物館 プンカラ協働展示 「アイヌの建築と工芸の世界 -チセ、マキリ、アットゥシ-」 国立近現代建築資料館 本日は2本立て。 どちらも個人的にグッとくるテーマ。ジャンルは全く違うけど。 伝統工芸の技とアイヌ文化と。 旧岩崎邸庭園から国立近現代建築資料館はすぐ。 むしろ以前、国立近現代建築資料館だけ行こうとしたら、わかりづらい上にたどり着くまでの道のりが長くってビックリ

          江戸の伝統技と明治のモダンとアイヌの文化

          住宅街のキラキラな異空間 アクセサリーミュージアム

          2024年2月某日 所蔵品から私立美術館のこれからを考える 館長!これどうするんですか!? アクセサリーミュージアム ひょんなことからその存在を知ったアクセサリーミュージアム。 初めて訪れたときにはあまり予備知識を持たずに行ったので、なんというか結構びっくりした。 所蔵品の質と数と世界感に。 アクセサリーミュージアムはコスチュームジュエリーのメーカーベンダーであった田中美晴・元子夫妻のコレクションを基に設立された私立美術館です(サイトより抜粋) ファッション関係を中心に

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          ニースで花開いたマティスの切り紙絵

          2024年2月某日 マティス 自由なフォルム 国立新美術館 昨年の夏に東京都美術館で観たけど、やっぱり観たくなるマティス。 構成や流れが似通っているのは、彼の画家としての変遷からすると当然かもしれない。 その時々で、画風やマテリアルを広げていったところがマティスのユニークなところだし。 いろいろあったけど、その都度しなやかに乗り越えていったマティス。 そして今回も最後はヴァンスのロザリオ礼拝堂でフィナーレ。 なんというか、さすがマティスの(後半生の)地元だけあって、メジャ

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          東京国立近代美術館の底力

          2024年2月某日 所蔵作品展 MOMATコレクション 東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー(4F-2F) 濃密な企画展を観た後って、もうなんだかお腹いっぱいになっちゃって常設展示まで観られない~ ってことになりがち。 去年の11月に棟方志功展を観たときもそうだった。 今回は改めて、所蔵品たっぷりな東京国立近代美術館へ。 芹沢銈介をフィーチャーしたメインビジュアルに惹かれて。 国立工芸館が金子量重氏から寄贈されたコレクションを400点以上所蔵しているのだとか。 知らなかっ

          東京国立近代美術館の底力

          工芸家・鈴木繁男を認識した日

          2024年1月某日 柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 手と眼の創作 日本民藝館 柳宗悦を中心とした民藝運動。 さまざまなクリエーターとの関わりや生み出されたプロダクトはみなさんご存じかと思う。 「民藝」関連の展覧会がちょいちょい開催されているし、日本各地に「民藝館」が点在している。 鈴木繁男もクリエーターの一員かと思いきや、タイトルにもあるとおり柳宗悦の唯一の内弟子だったとのこと。 金蒔絵師の家に生まれたので、漆の扱いやデザインセンスの素地があったところに柳宗悦がロックオン

          工芸家・鈴木繁男を認識した日

          デザインあふれる榛原の和紙

          2024年1月某日 HAIBARA Art & Design 和紙がおりなす日本の美 三鷹市美術ギャラリー ここ数年、我が家のリビングには榛原の千代紙カレンダーを掛けている。 華やかなものや渋めのもの、植物や季節の風物詩などなど、毎月めくるのが楽しみ。 最初に気づいて買ったのは伊東屋だったけど、その後は日本橋の本店で購入している。 その本店は周りを高層ビルに囲まれながらも、凜とした雰囲気でめっちゃ存在感がある。 再開発の荒波を乗り越えましたな~と見るたびいつも感じている。

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          本阿弥光悦の宇宙を浮遊してきた

          2024年1月某日 特別展「本阿弥光悦の大宇宙」 東京国立博物館 昨年、チラシを手にしたときから気になっていた展覧会。 さまざまな場面で目にすることが多い本阿弥光悦。 センスあふれる多才な人ってイメージ。 その懐の深さは、まさに大宇宙(マクロコスモス)や~ なのでこうやってまとめて観られるのはとってもありがたい。 東京で本阿弥光悦をフィーチャーした展覧会が開催されることに感謝! ●第1章 本阿弥家の家職(かしょく)と法華(ほっけ)信仰―光悦芸術の源泉 トーハクの本阿弥

          本阿弥光悦の宇宙を浮遊してきた

          服で福をゲッツ!魔除けの服 

          2024年1月某日 魔除け-見えない敵を服でブロック!- 文化学園服飾博物館 2024年1発目は「魔除け」がテーマの展覧会。 世界各地のパンチの効いたお洋服が観られるのでは?と期待して。 科学の知識がない時代、病気や死は目に見えない「魔」によって引き起こされるものと信じられ、人体と外界との境目にある衣服には、「魔」から身を守る役割も求められました。 (サイトより抜粋) 服にそんな役割が課せられていたとは。 現在とはだいぶ違う感覚。 「服で自己表現!」みたいなのんきなこと

          服で福をゲッツ!魔除けの服 

          親しみあふれる 身近でいとしい仏さま

          2023年12月某日 みちのく いとしい仏たち 東京ステーションギャラリー 日本に仏教が入ってきたのは6世紀半ば。 さまざまな形で日本人の精神とか価値観、あらゆるところに影響を及ぼしている。のはみなさんご存じの通り。 とはいうものの、仏教が日本津々浦々へ広まっていく課程でグラデーションが生まれるわけで。 立派な寺院に立派な仏像が祀られていった一方、地方の村では素朴でユニークな民間仏が祀られていたのだとか。 それがまあなんとも味わい深い仏さまなのだった。 村の集会所を兼ね

          親しみあふれる 身近でいとしい仏さま