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満場一致の安心感

ジャニーズでさえ全ての女性が好きなわけじゃないらしい。
だが学生時代は少なくとも僕が知っている女子は全てジャニーズファンだったと記憶している。
ニセモノが混じっている…?
一種の同調圧力で「私もジャニーズ…す、好きィ」と言わなければいけない風潮があるのだろう。


絶対的な正解が欲しいと思っているのは自己中心的な僕だけではないと思う。

世の中でいうと「人殺してもよくね?」という人間が身内に紛れ込んでいるとしたら、心理的安全性が保てなくなるだろう。
「善良な市民への殺人はいけないと思いますか?」
という質問に対して、自分が住んでいる地域の0.2%だけがNOでも、不安でしょうがない。1000人に2人はいるのだから。リアルで人狼ゲームなんてしたい人はいない。

この安全性を保とうとする心理が《理解できない流行に対しての嫌悪感》という形で表れるのではないか

食べ物で置き換えるといいのでは?
僕はうずらの卵が嫌いだ。
周りの人は好きだと言っている。
これに関して「うずらの卵好きなんて味覚おかしい」という考えにはならない。

マクお

しかしイナゴの佃煮が好きだと言っている人に対してはどうだろうか。
僕はちょっと不安になる。 

なんで自分の嫌いなうずらの卵を食べる人に対してはなんとも思わないで、イナゴの佃煮を食べる人に嫌悪感を抱くかは分からないが。

…多分食べ物だと認識していないのかも。一応うずらの卵は、僕の中で食べ物認定されているようだ。
だけどイナゴは僕の中で食べ物カテゴリーに入ってない。
アメリカから見た寿司とか、イスラム圏から見た牛丼みたいなものなのかも。

価値観の共有ができない他者を見ると、人は本能的に恐怖するのかもしれない
だから統一したくなる。
《人は殺しちゃいけない》
《人の物も盗んじゃいけない》
《好きな漫画は鬼滅の刃》
《食べ物と認識しているのは白米と野菜のみ》
これが全国民に浸透すれば、思考の共有ができて不安にならない。家の鍵をかける必要もなくなる。

押し付けてくる人

価値観を押し付けたり、必要以上に突っぱねたりする人は、不安なんだと思う。

それこそ「こんなもんが流行ってるなんて日本は終わってる」みたいに主張する人や「なんで子供産まないの!?」みたいに激詰めしてくる人だ。
自分の信じていることが正義だと思っている分、信じていることに反している人を見ると、信仰心に比例して認知的不協和になると思う。
学歴が大事だと思っている親は、勉強しない子供に当たりが強かったりするだろう。
お金だけが幸せを生むと思っている人は、笑っているホームレスを見ればサクラだと騒ぐ。
自分が信じていることから裏切られたような気分になる。「皆見る目があると思っていたのに、こんなチープなものを見分ける力も無いなんて…」「ワタシらの世代は日本のために少子化対策をすることが正義だと思ってたのに、娘世代は出産どころか結婚もしない…」
認知的不協和は誰にでもある。状況やタイミング、対象が違うだけ。誰だって自分が正しいと思っていたことが間違っていたと思わされるのは辛い。
だから自分ではなく対象の考えを改めさせたり、何かの間違いだったという処理をする。
「自分は間違っていない…」と。

僕はジブリ作品の《ハウルの動く城》が好きだ。
世間の評価も高いし、身内の人間の評価も高い。
もしハウルの動く城がつまらないと思う人が現れたなら僕は認知的不協和に陥る。面白くないと感じる要素が(自分では)無い(と思っている)からだ。
あとKAT-TUNの亀梨和也くんの顔も好きなのだが、彼の顔が不細工だと評価する人間が現れたとしても認知的不協和になる。
本心では格好いいと思っているアマノジャク野郎、という処理を自分の中でする。

僕は鬼滅の刃や君の名ははあまり好きにはなれなかったが、僕の評価を鬼滅の刃や君の名はのファンが見たら認知的不協和に陥るのだろう。

たしかに「ハウルの動く城がつまらない!?」「亀梨和也くんが不細工!?」の感覚にしてしまうのは申し訳ないな…。気持ち悪いもん。

SDGsという世界目標が提唱されている。ひと言でいうと《誰ひとりとして不幸にならない平和な世界を作ろう》というもの。
平和な世界にする方法は、皆等しく楽しめる娯楽が出てくることだと思う。
無理そう………。ワンピースやドラゴンボールですら興味ない人いるんだもん。無理よ。

満場一致で楽しめる娯楽作品や思想があればいいね。
…というかそもそも《世界が平和になったほうがいい》という価値観すら100%YES、ないのでは?

ならばと今ふと思ったのだが、猫や犬が嫌いな人もいるんだろうか。いたら認知的不協和だなあ。

アマノジャクであってくれ〜。

確かなものをみんな探してるんだなあ。

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