あなたは今、何のカツですか?

紺色のスーツを着た若者達が
電車に乗っていた
それは就活に違いない
活動円滑に進むことを祈ろう

おばさん、おじさん達がホテルの中で
見合い写真を持って熱心に話しこんでいた
それはおそらく自分の子どもの婚活の話だろう
快活な娘に、こんな活動が必要なのだろうか

老夫婦が不動産業者に付き添われて
空き地の目立つ墓地を歩いていた
それはカツカツの生活をしてきた
自分たちの終活かもしれない
でも財産の分割の方は大丈夫かな

日曜日の朝
テレビを見ていたら
スポーツの話になると、決まったように
喝、喝」と叫ぶ人がいた
活躍できなくても
精一杯最後まで頑張り続ける人もいる
勝つことだけがスポーツなのだろうか

昔はカツといえば
受験生が試験に受かることを祈願して
ガツガツかつえるように食べた
とんカツのことに決まっていた

カツも時代とともに変わった
ところで、あなたは今、何のカツですか

(※お断り 何年も前に書いた「言葉遊び」の詩です。当時「就活」「終活」「婚活」など「活」のついた言葉が次々と出ました。それらを使い、
少し面白く「言葉遊び」をしてみようと思いました。
就活・終活・婚活など活がつく言葉、どことなく「勝」を連想します。
「勝たねばならない」という強迫観念、これに対してささやかな異を述べたい気持ちがありました。)


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