新屋山神社と並ぶ金運神社と言われている金剱宮というのがある。それを勧められたので調べていたら、同時にそのあたりをぐるっと回れるツアーがあった。

 白山という山は昔から信仰の対象で、そこに登るには主に三か所の入り口があった。昔はそこに馬を置き、登山道に登っていった。偉い武将は毎年、自分の代わりに使者をたて白山に登らさせていたそうだ。その馬を置いておいたところを回るツアーだ。白山三馬場というらしい。アクセスが悪く、とても自力では行けないところなので、ちょっと値段は高かったけど申し込んだ。

 白山のツアーを申し込むと姫神様は嬉しそうにしてくれた。エジプトでもらったパピルスを袋状にして、そこに、3つの神社で「木」を使ったお札を買って入れろ、ということだった。

 エジプトのツアーはナイル川沿いに南から北上するツアーだった。治安のこともあり、普通は移動は飛行機がメインだが、場所によってはバスで行かなくてはならない。バスの場合はトイレ休憩などで、止まったりすると、襲われて危ないことがあるということで、途中で止まらない。バスにトイレが付いているので、各自、自分のペースで対応しろということだった。しかも、バスの中に警官が乗った。その警官はスーツ姿だったが、左右の胸ポケットに拳銃を持っていて見せてくれた。彼を乗せる方がリスクなんじゃないかというツアー客もいたが、政府の方針だとか?でこっちに選択権は無かった。バスの中の座席が彼と近かったこともあり、英語でいろいろ話をした。その彼が、ツアーの最後にパピルスをくれた。天動説を説明した絵だそうで、星が描かれた丸い空を4人の女性が支えている絵だった。ツアーに他の人も居たのに、私にだけくれた。受け取ると、どういうことになってしまうのかと恐ろしかったが、断っても大変そうだし、もう、なるようになれと思い受け取った。そこでバスは空港について彼とも別れた。

 ずっと、このパピルスが気になっていたが、分からなかった。これを袋にするんだ。そこに木札を入れるんだ。とびっくりした。

 まず白山ヒメ神社に行った。これはインスタ映えするわ、と思った。溜息が出る綺麗さだった。緩い階段状の参道は両側を緑に囲まれている。右手には金沢の町がみえる。
空気のすがすがしさに皆とても良い気分になる。
本殿の奥に禊をするための池がある。その奥の上まで登れて、そこにも祠がある。ここもすがすがしい。とても明るく若々しい清々しさだ。白山ひめ神社最高!なんて思っていると、姫神様たちも嬉しそうだ。
 木札自体は売ってないので、いくつかお守りやお札を買い求めた。パピルスを縫い付けて作った袋に入れた。

 次は金剱宮だ。ここはちょっと禍々しい。陽は差し込んでるし、緑も多いのだけれど、やはり金が欲しいという欲望が渦巻いているからなのか、場が重い。金運に効くというお守りを買おうとしたが、姫神様に止められた。そしてここでは何も買わなくていいとのこと。今回は金運上昇が目的でなく、木札集めなので、ここは関係ないとのことだった。近くのバスの駐車場から町の静かな佇まいが見えた。

次は平泉寺白山神社いうのに行った。俗にいう苔寺だ。よくテレビで見ていたので、とても楽しみにしていた。豪雪地帯なので、観光できる時期は限られている。観光客も集中する。外国人観光客もとてつもなく多い。冬は寒いかもしれないが、夏はとても暑い。容赦なく陽が照り付ける。コンクリートの照り返しに耐えて、しばらく行くと、見たこともないような緑が広がる。テレビで見たのと同じと言えば同じだが、同じじゃ無い。本来湿気を含み湿っているはずのコケが乾燥しようとしている。開放的なコケなのだ。本来は雨の日に見るのが良いのかもしれない。

 そこからはバスでは怖いような険しい山道をどんどん進んで行く。三馬場の3っつ目、白山中居神社だ。とてもアクセスが悪く、行くのが大変だ。それもあって、この神社に行くことがお目当てのツアー客も多かった。
 私たち以外には参拝者も居ない。鳥居をくぐった途端に圧倒的な自然。本殿の奥の祠に参拝すべく歩いていくと、大きな岩座がある。その前で宮司さんの説明を受けている時に、なぜが2人の女性が、相次いで倒れこんだ。びっくりして助けようとすると、エネルギー焼けだから大丈夫と本人達は言う。宮司さんも、よくあることです、いう。

 ツアーの他の人は御朱印で忙しいので、御朱印を集めないというおばあ様と私で広い境内を探索する。まずは浄安スギに行く。涼しくてとても気持ちがいい。本殿に戻り、裏の祠に並んでいた行列もはけたので、行ってみる。ご祭神がコノハナサクヤヒメ様の夫のニニギ様と、コノハナサクヤヒメ様のお姉さんのイワナガヒメ様だ。ニニギ様がコノハナサクヤヒメ様を見染め結婚するとき、コノハナサクヤヒメ様のお父さんがイワナガヒメ様もセットで嫁に出したら、見た目が気にいらないとイワナガヒメ様を返したという話が残っている。その2人で祀られるのは気まずいなと思った。添乗員さんとその話をしていたら、イワナガヒメ様をもともと祀っているところに、追加でニニギ様を祀ることになったとのこと。私と一緒にいる姫神様曰く、ここにはニニギ様は居ないそうだ。
 まだまだ御朱印に時間がかかりそうなので、健脚のおばあ様と境内を探索することにした。

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