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何ごとかと先輩に聞くと、解放同盟が美濃部都知事に「解放区をよこせ」と何週問も都庁の全階段に座り込んでいる。要求は「墨田と荒川の2区まるごと」だという。 

以下は、2022/12/15に出版された、高山正之の下記の本からである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。

随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが(下記の高山正之に倣って言えば)村上等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
見出し以外の文中強調は私。

新聞が民主主義より大切にするもの
世の中には分からないことが多い。 
先日の新聞に日本新聞協会が「どの先進主要国でも新聞には消費税を課税しないか軽減している。日本もそれに倣(なら)うべきだ」という主張を展開していた。 
首相が公式に消費税アップを公言してもいない、議会も丁承してもいない。 
産経新聞の田村秀男は消費税を上げた英国の経済が停滞した例を挙げているのに、財務省はそれに的確な反論も出せない。 
でも新聞は消費税率上げは決まりという。
この神経がまず分からない。 
記事はさらに新聞協会会長の諮問(しもん)を受けた「新聞の公共性に関する研究会」がなぜ新聞に消費税が不似合いかを説明する。 
新聞は「国の内外で日々発生しているニュースや情報を正確かつ迅速に伝達する」民主主義の必需品だという。 
これも理解できない。 
昔、新聞記者だった経験でいうと常に民主主義より「どこかの都合」が優先していた。 
社会部記者のころ有楽町にあった旧都庁舎に行った。 
丹下健三設計の庁舎の階段は勾配が緩く、かつ一歩で次の段に届かない間延びした造りで苛々したものだ。 
それで足の短い鈴木俊一都知事がついに頭にきて庁舎移転を決めたと言われる。 
その間延び階段を上がろうとしたら人がいっぱい座っている。
記者クラブは三階にあったが、もっと上まで座り込んだ人で溢れていた。 
何ごとかと先輩に聞くと、解放同盟が美濃部都知事に「解放区をよこせ」と何週問も都庁の全階段に座り込んでいる。
要求は「墨田と荒川の2区まるごと」だという。 
まあ我々は都庁舎内を歩くのに少々不便するだけで済むが交渉担当の部局は大変だ。
彼ら解同は気に食わないと灰皿を投げつける。 
いや軽いアルミ製の灰皿さ。
あれをフリスビーみたいにして飛ばす。
でも直撃すれば結構な衝撃で、某課長はメガネをもう二つも壊されたそうだ。
ふざけた話ですね。なぜ書かないんですか。書けるか、そんなこと、といったやり取りがあった。 
朝日新聞が中支の新墻河(しんしょうが)渡河作戦で焚いた煙幕を毒ガスだと報じた。 
それは嘘だと書いたら「産経を潰(つぶ)す」と向こうの佐竹部長に怒鳴り込まれた。 
自分のせいで危うく産経新聞社を潰してしまうところだった。 
触らぬ神は朝日や解同だけではなかった。 
イランでトイレのマナーについてのホメイニ師の教義を書いたら、出頭命令が来て、記者の身分を剥奪された。 
米国に赴任したら米政府機関が「会社ぐるみでセクハラをやった」と三菱自工に難癖つけて、恐喝していた。 
見え透いた嘘なのに、NHKも朝日も米国の機嫌を損ねるのを恐れて真相を書かずに、とうとう三菱を見捨ててしまった。 
右にあげた事例のどの一つも各紙が「正確かつ迅速に」伝えてはいない。
それなのに、研究会はさらに「新聞は多種多様な意見ないし評論の提供を行い」「その役割は先の大震災の際に果たした役割でも明らか」と続ける。 
だから新聞には消費税を減免すべきだと結ぶ。 
この研究会を諮問したのは前会長の秋山耿太郎(こうたろう)朝日新聞会長という。 
ならば耿太郎の新聞に聞きたい。
先の震災でいったい何をしたか。
各紙が被災地見舞の義捐(ぎえん)金を呼びかける中で、朝日は「寄付したあなたの名を紙面に掲載します」と新聞拡販の手立てにした。
他人の不幸に付け込んだ不埒(ふらち)はまさに人の世の鬼だ。 
原発報道はもっと酷い。
耿太郎はのっけから反原発路線を取る。
原発は安全で必要といった「多様な意見」は一切封殺し通した。 
反原発のためには壊れた原子炉が実は米GE社製という事実すら伏せた。 
先日、呉善花が韓国で入国拒否された。
彼女は日本籍の日本人だが、耿太郎は拉致問題と同様、ここでも日本人呉善花を見捨てて、事件の発生すら報じなかった。 
朝日新聞の記事は他紙に比べて正確でも迅速でもない。
「多種多様な意見や論評」も載せていない。 
消費税はいずれ上がる。
他紙はともかく、朝日だけは適格性がないから今回は減免しなくていい。
(2013年10月3日号)

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