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天声人語は朝日新聞の社風もあるのだろう、嘘を平気で書く。その昔には「日本人はモラルが稀薄で魚の缶詰に石ころを入れて輸出した」と書いた。すぐに日本缶詰業界から嘘っぱちを書くなと抗議が来たが、訂正記事も出さなかった。

以下は、今日、我が家に届いた定期購読専門月刊誌テーミスに掲載されている高山正之の連載コラムからである。
本論文も、彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。

朝日は「二大政党」を囃し企業主・江副浩正にたかった
「天声人語」で「中選挙区制だと『政治とカネ』の事件が起こる」と大嘘を

何もしなかった細川護煕政権
天声人語は朝日新聞の社風もあるのだろう、嘘を平気で書く。 
その昔には「日本人はモラルが稀薄で魚の缶詰に石ころを入れて輸出した」と書いた。 
すぐに日本缶詰業界から嘘っぱちを書くなと抗議が来たが、訂正記事も出さなかった。
何日かして同じ天声人語欄で、思い違いをしたとか、言い訳にならない言い訳をしてチャラにしてしまった。 
朝日に珊瑚落書き事件があった。 
西表(いりおもて)の海に潜ってアザミ珊瑚にストロボの柄で「KY」と自分で落書きしておいて「日本人は落書きにかけては恐らく今や世界に冠たる民族であろう。百年単位で育ったものを、瞬時に傷つけて恥じない。精神の貧しさの、荒んだ心の…」と目一杯、日本人を腐した。 
日本人にはモラルがないという上から見下す執筆姿勢はこの「缶詰に石ころ」のコラムにもそっくり通じる。 
朝日の記者にはこういう根拠のない思い上がりが共通するが、それに無知も加わる。
天声人語欄も同じで、無知と思い上がりが毎回のように出てくる。 
30年前に細川護熙が首相になった話から書き出されたコラムも思い上がりと無知がどうしても目立つ。 
だいたい細川が「新しい政治を始めた」なんて誰が信じるか。
彼がやったのは政党助成金だけだ。 
自分で選挙資金を集めるのもやめて、手っ取り早く国民の税金から300億円を戴く。
そしたら一生懸命にいい政治をやるといった。 
国民は期待したのに細川は何もしなかった。
結局、安倍さんが出てくるまで政治は何も動かなかった。
細川は政治家でなく詐話師だった。 
ただ、細川政治は国民にたかって十分カネを得ても、もっと欲しがるあさましい議員を浮き上がらせるのに功はあった。 
例えば社民党から出た辻元清美だ。
彼女は議員になるやすぐ架空の公設秘書を置いて公金1千870万円を詐取した。 
捕まって執行猶予付きの有罪判決を受けたが、それでも議員職が十分儲かるのを知った。
で、執行猶予明けにすぐ議員に戻った。
左は犯罪者を気にしない。 
細川は日本の政治を堕落させた。
それでも天声人語は「小選挙区制にした」ことも大いに称賛する。 
小選挙区制は一か八かだ。
朝日が「二大政党時代だ」と囃すと、国民はころりと騙される。
それに加えて「自民にお灸を据えるのもたまにはいい」とかキャッチフレーズをかませば、実力も能力もない連中が政権を取りかねない。 
実際、あの悪夢の民主党政権が誕生したのをみな覚えていると思う。 
今も立民や日共が人並みに当選しているのも小選挙区制のマジックなのだ。

朝日社長の中江利忠もたかり
天声人語だってそれくらい知っているから、そこで嘘をかます。 
「中選挙区制だとリクルート事件みたいな政治とカネにまみれる事件が起こり易い」と。
だから小選挙区がいいといいたいらしい。 
ここのくだりは「缶詰に石ころ」級の大嘘だ。 
リクルート事件は「政治とカネ」が原因ではない。
あれは大物ぶった顔役たちが顔を立てろとたかった事件だ。 
それは江副浩正の自伝『かもめが翔んだ日』にも示唆がある。
彼は陰鬱な家庭に育ち、苦労して東大に入った。 
その後も明るさはない。
世間に背を向け、ひっそりアルバイトニュースを立ち上げ、それが日本で5指に入る13兆円企業リクルート社になっていく。
大起業家であり、大企業主でもある江副はしかし経済4団体に入っていない。 
大きな不思議だが、それもあって彼は公平な政府機関の諮問機関などで社会貢献を果たしていた。 
しかし彼は大企業主だ。
彼の周りに官僚や政治家が群れた。
たかりといってもいい。
リクルートコスモスの新株もそのお目当ての一つだった。 
たかられるままにしていたら検察が動きだした。 
江副は助けを求めた。
その相手が解放同盟の松本治一郎の側近だった社会党の楢崎弥之助だった。 
しかし頼られた楢崎は頼ってきた江副の密使とのやり取りを隠し撮りして官憲に売り渡した。 
もう一つ。
「政治とカネ」ではない証拠に、江副にたかった中に朝日新聞社長の中江利忠がいた。
中江はそれで気づかれぬうちに辞任している。 
朝日には中江のぼかにも悪い奴がいた。
江副が岩手県八幡平の安比高原にもつスキー場にヘリで行って楽しんだのが、あの真実の一片もない『中国の旅』を書いた本多勝一と、もう一人、70年代初めにこの天声人語のコラムを執筆した疋田桂一郎だ。
彼らはどんなつもりでたかったのか。
江副は新顔だ。
知られた名士には安比高原に招いたり、リクルートコスモス株を配ったり、挨拶している。
新聞界では日経の社長に祝儀株を贈っている。 
でも中江には挨拶はなかった。
中江を知らないのかとなった。

犯罪者ではなくむしろ被害者
本多と疋田も同じ。
俺は名文家の第一人者だ。
本多は反日屋の第一人者だ。
ちゃんと顔を立ててもらおうか。 
世間を知らない江副には「世間のしきたりをオレが教えてやろう」みたいな連中が集まってきた。
同じことは官僚にも国会議員にもいえる。
たかりの輪の広さがそれを証明している。 
その意味でリクルート事件はコラムがいうように「政治とカネ」じゃない。 
政界、官界、マスコミ界で顔だと思っている連中が何も知らない江副に筋を通させた事件といった方がいいか。 
江副浩正はたかられた挙句、贈賄罪で逮捕された。
江副はどこから見ても被害者であっても犯罪者じゃない。 
このコラムのすわりの悪さはまず無知が過ぎる。
加えて何より、たかった側の新聞がコラムで書くネタじゃない。

2023/10/31 in Osaka



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