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東京美術学校角力部記念賞 盃


東京美術学校角力部記念賞です。
わかり辛いですが、盃の底には「烏兎(うと)」が描かれています。
太陽の中に烏(からす)、月の中に兎(うさぎ)がいるという中国の伝説があり、「金烏玉兎(きんうぎょくと)」と言います。
これを略して「烏兎」です。
中心には「大正泰平」とあります。

側面には、「東京美術学校角力部記念賞」と、よく見えないのですが「1916年」と刻まれています。

東京美術学校の百年史には、1914(大正3)年に相撲部が発足したとあるので、その2年後の賞のようです。
他にも『石井鶴三の学生時代(明治38~43年)に相撲が非常に強くて、美校が学生相撲の雄となった。学生相撲大会の会場は両国の国技館で、応援団の奇想天外の有名な応援がなされた』とあります。
この歌と言うのが『相撲にゃ負けてもケガさえなけりゃ、晩に私が負けてやる』と踊りながら唄うのだそうで、『あんな歌を唄っちゃいかんと大村西崖生徒監から相撲部の応援部が大目玉』を食らったとか。

この牌、ものすごく手作り感のある作りで、学生たちが自身のために制作したのかもしれませんね。
若々しく蒼い魅力があります。

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