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【要約&実践】P&G式 伝える技術 徹底する力

こんにちは!消費財メーカーのマーケターとして働くmotuです。
マーケティングに関する書籍の"理解"から"実践"への架け橋となる記事を投稿していきたいと考え、活動しています。

書籍の内容を"実務"で活かすことができるよう、要約・体系化していくので、ぜひご覧ください。それではやっていきましょう!

書評

【再現性】   ★★
【面白さ】   ★★
【おすすめ度】 ★★

今回紹介するのは、高田誠氏著書の「P&G式 伝える技術 徹底する力」です。この書籍からは、仕事におけるコミュニケーションの取り方について学ぶことができます。内容が、他のP&G出身者の著書と被る部分が多いためおすすめ度は低いですが、世界一のマーケティングカンパニーであるP&G流のコミュニケーションについての理解が深まると思います。それではやっていきましょう!

1. 論理的コミュニケーション

P&Gで実践されている論理的コミュニケーションは、①すべてを3つにまとめる、②目的を明確にする、③イシューを明確にする、からなる。

1-1. すべてを3つにまとめる

どんな時でも話は3つのポイントにまとめ、情報を整理する。3点の構成は、ケースによって異なり以下のような例がある。

結論を伝えて合意を得たいとき
①背景
②結論
③理由

状況を報告したり、自分の意見を上司に伝えたいとき
①結論
②理由
③今後のプラン

1-2. 目的を明確にする

戦略的思考を発揮するために、「この活動の目的は何か?」「その目的は正しいのか?」を問う。

1-3. イシューを明確にする

論点や問題点を明確にし、やるべきことを導き出すときはイシューノートを活用する。

・イシュー
できるだけ具体的かつ簡潔に課題を掲げる。1行か2行
・背景
現状認識を共有するための情報。できるだけ簡潔に
・結論(提案)
・理由(詳細)
・次のステップ

2. 上司ではなく消費者がボス

P&G式、ボス(消費者)とのコミュニケーションの仕組みは、①ニーズの掘り起こし、②ブランドビルディング、③企業広報、からなる。

2-1. ニーズの掘り起こし

量的調査と質的調査を通じて、消費者を理解する。特に重要なのは質的調査で、購入した当時の状況や心理を探ることで、消費者とブランドとの結びつきがどのように築かれたかを理解する。また、自分自身が消費者であり続けることが重要。

2-2. ブランドビルディング

強いブランドを作るためには、消費者をめぐるすべての接点にそのブランドの理念を反映し、一気通貫した、徹底したコミュニケーションを展開する必要がある。また、社会的価値のある情報の提供活動も重要。

2-3. 企業広報

企業として社会に対して、どんな理念をもって、どんな責任を果たしていくか。これを考え、実践で応えていく必要がある。自社だからこそできる社会貢献を実践する。

3. 社内コミュニケーション

3-1. 全社員が1つの目的のために働く

全社員に目的を浸透させるためには、まずその目的が心から共感できる正しいものであることが重要。次に、その目的を徹底的に、繰り返して語る。このようにして浸透した目的は、社員にとって「やりがい」になる。目的を全社員で共有するためには以下の3つのポイントが重要。

①社会的存在意義を明確にして、単純な、力のある言葉に表すこと
②徹底的に、信念をもって、組織としてカスケードすること
③部長、課長といった中間管理職が、日々の業務の中で常にその目的に立ち戻り、判断基準として活用すること

3-2. 一人一人を尊重

良い上司になるためには、部下に対してDemandとCareができることが必要。また、今日明日に仕事で多少の結果を残すより、長期視点で成功することが大切。

4. グローバルなコミュニケーションノウハウ

4-1. 英語を使う

英語を使うことで、世界中で、縦にも横にも斜めにも、全方位的に社員同士のコミュニケーションが可能になる。グローバルでの成功のためには、「点の成功」を増やしていくだけでは非効率で、点の成功をいかに「面の成功」にするか、どれだけ効率的に成功例を増殖させるかが重要。

4-2. 知識を創る

成功モデルを見つけること、知識を積み上げること、それをノウハウとして構築し、共有することが重要。ノウハウをまとめる際は、何をノウハウにしようとしているかという目的が明確であることや、自分だけでなくそのテーマについて経験のある人にノウハウ作りに参加してもらうことが重要。

4-3. 日本人がグローバルになるために

多様性に対して、良しあしという観点で判断せず、違いは違いとして上手くやっていき、人間関係を構築していくことが重要。日本人がグローバル企業で成功するために以下3つのことが求められる。

①自ら情報提供する癖をつける
②自分を知ってもらう努力をする
③自分のなしたことを手柄として積極的に語る

5. なぜ170年以上も成長を続けられたのか

5-1. 一番になる意欲

モチベーションと一番になったときのメリットから、重要なカテゴリーでは一番を目指すことが求められる。そのためには、「一番」を具体的に示すことが求められる。

5-2. 変化への対応

昨日のビジネスの成功モデルが、明日の成功モデルになるかどうかはわからない。

5-3. 強みを活かす

一番になるために強みを活かし戦略を立てる。他社との違いから考えることができる。

5-4. 弱みを認識

大企業病に対して、組織やプロジェクトの進行を複雑化させている要素をできるだけ取り除き簡素化すること、自らの取り組みを見直しスピードを追求する。

5-5. 人が育つ人を育てる組織

常に一番を目指し、常に不満足でいることを、社員の個々人が自分のこととして取り組んでいる。そんなP&Gの社員は、「仕事ができるようになる」ために以下2つのことに取り組む。

①専門的なスキルの習得
②ビジネススキルへの高い意識を持つ
戦略的思考、他者への影響力、マネジメント、リーダーシップなど

部下と組織にエネルギーと時間を費やすことを優先すると、必ずそれ以上のものがビジネスの結果として返ってくる。上司の重要な仕事は、部下の役割を明確にすること。コーチングを中心に、以下3つのやり方でバランスを取る。

①マネージング
部下を組織の一員として機能させるために、与える指示
②ティーチング
自分の経験や知識を部下に教えてあげる
③コーチング
仕事を進めるためのサポート

できるだけ多くのプロジェクトにおいて部下が主体性を持って進める方法を選択し、重要な局面においては上司としての自分の価値を提供するという発想の転換が必要。

以上です。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
本日紹介した書籍は以下のリンクにまとめてあるのでぜひチェックしてみてください。また次回!

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