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覚悟

今日で初めてのホルモン注射から4週間、約1ヶ月が経ちました。

治療をするか否か3年以上、それこそ14歳で初めて母にカミングアウトしてから以来、思い悩んできて、成人式をちょうど1年後に控えた今年1月、とうとう覚悟を決めました。

私がこんなにも長い間治療に踏み切らなかったのには2つのどうにもならない壁がありました。

1つは『身体能力を失うこと。』

私の人生には小学1年生から今まで12年間ずっと野球がそばにありました。どんなに辛い時も野球をしている時間が私を支え、嫌なことを忘れさせてくれていました。思春期が始まって体が思っている自分とは正反対に成長を始めた時も、体が男性的になれば、身体能力が上がり野球が上手くなると思うことである程度耐えることができました。

12年愛してきた野球、しかし体を変えてしまえば、今まで培ってきた身体能力、技術が失われてしまうかもしれません。私は発展途上の10代のうちに自分自身に衰えを感じなければならないという恐怖に足を止められていました。


もう1つは『世の中での生きづらさ。』

ただえさえ、カミングアウトしてから社会的な性役割の枠からはみ出て生活を送ってきました。でも、周りから見れば男性と女性のいいとこ取りだけをしていてずるく見えただろうし、私自身も男性扱いされるのは辛かったですが、体さえ変えていなければ、いざという時は男性の振る舞いをすれば乗り切ることができました。体を変えればそれはできなくなります。

本当に男性でも女性でも無くなってしまい、トイレも更衣室も浴場も病院もとにかく男女でわけられる空間全てが使えなくなるか、使うことが難しくなります。


向き合うことの大切さ

もちろん早い段階で治療を始めればより自分の思った通りの体に近づくことができたと思います。それでも私は自分自身に向き合ったこの3年間がとても大切でなくてはならない物だったと思っています。今、自信を持って自分を好きでいられるのはこの時の経験のおかげだからです。

このnoteは今現在自らの性に悩んでいる人たちや、これから体を変えていこうという人たちが抱えている漠然とした不安の輪郭が少しでも見えてくるように書いていこうと思います。最後まで読んでくださったあなたも、いろんなことについて自分自身としっかり向き合って考え、自分の人生にとって後悔のない選択をできることを願っています。

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