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サニーデイ・サービス『愛と笑いの夜』

ブログを習慣化したい、のですが、特に書くこともなく、って感じで、うーん、どうしよう、となっているあいだにも時間は過ぎてゆくもので、そんなときでも、ぼくはやっぱり音楽が大好きで、音楽ばっかり聴いているものだから、好きな音楽について書いていこうぢゃないの、ってことで、結局いつものように、アルバム紹介?レビュー?やろうか。

…あッ!!
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
ごあいさつを忘れちゃ~だめよ。だいじ。

っちゅーわけで、きょうもまたぼくの好きなアルバムを紹介します。
今のところ洋楽ばかりだったので、たまには日本の音楽も取り上げてみましょう。ぼくはときどき洋楽ばっかり聴いてると思われることもあるのですが、じつは邦楽のロックもめっさ大好きです。むしろ、マニアック度合いでいえば邦楽のほうがヘンなところまで深掘りしまくってたまである。

で、きょうはそんな大好きな日本のロックから、サニーデイ・サービス『愛と笑いの夜』を。
サニーデイは日本のロックの中でもとりわけ大好きなバンドです。ポップスのお手本といえるようなソングライティングがすばらしい。
曽我部さんは同郷(香川県出身)なのもあり、僭越ながら勝手にシンパシーを感じてる部分もあります。

はじめて聴いたのは高校生のとき。当時、とにかくはっぴいえんどが好きで好きでどうしたらいいかわからなくなっていたぼくは、はっぴえんどのフォロワー的な扱いを受けていたとされるサニーデイの存在を知り、聴いてみることに。そこで買ったのが本作でした。

一聴した感想としては、
「ゑ…?どこがはっぴいえんど?…ゑ?」

。。。

ってのも、あとでサニーデイのディスコグラフィを一通り聴いてわかったのですが、サニーデイが明確にはっぴえんどフォロワーっぽかったのって1st『若者たち』から2nd『東京』までぐらいなんですよね。『愛と笑いの夜』はその次にあたる3rdで、その時点ではもうすでにだいぶオルタナ的な音楽性に舵を切っていたのです。エレキギターの歪みとかすごいしね。ギャンギャンいうてて。
当時のぼくは洋楽といえば60's~70'sのバンドを聴くことが多く、そもそもオルタナすらよくわかんないヮ、といった感じでして、だから本作はやや肩透かしを食らった部分もありました。だけど聴いていくうちにだんだんその魅力に取り憑かれてしまい、今ではサニーデイが好きで好きでどうしたらいいかわからなくなっているぼくです。

曲紹介~。

1.忘れてしまおう
のっけからアコギの力強いストローク。からの、アルバムの幕開けにぴったりなドライブ感のあるサビ。すでに微塵もはっぴいえんどではない。
たしか本作はオアシスのサウンドにインスパイアされたと曽我部さん自身が云っていたはずですが、この曲はけっこうわかりやすくオアシスしてる。ちょっと曇りがちで湿っぽい音像というか。ね。

曲の終わりでギターの "ギュウン!!" というグリッサンドの音を挟んでからの、間髪入れずに次曲『白い恋人』へと繋がる流れがむちゃくちゃいかしてる。

2.白い恋人
シングル曲。
これほんとに名曲ですよね…!このゆるいテンポ感といい、派手さというよりは繊細な部分で聴かせていくメロディの持っていきかたといい、ある種の "サニーデイらしさ" がわかりやすく凝縮された曲という印象です。
ラスサビ転調前のオルガンと声だけの「うー」ってところ、大好き。

3.JET

サイケデリックだ。かっこいい。
レディオヘッドのCreepが元ネタだとかなんとか聞いたことがありますが、いわれてみればサビで一気に盛り上がる感じなんかまさにそのまんまだし、コード進行もちょっと似てますね。
前作『東京』からの音楽的な飛躍を本作でもっとも感じさせる曲だ。

4.知らない街にふたりぼっち
本作では珍しく邦楽の歌謡曲っぽいエッセンス強め。イントロなんかは大瀧詠一の『空飛ぶくじら』を彷彿とさせますね。
はっぴいえんどLOVEなぼくのツボを的確に刺激してくるこの感じ、個人的にはかなり好きな曲です。

5.96粒の涙
曽我部さんの弾き語りを中心とした短い曲。
アルバムの小休憩的な位置づけなのかなと思いますが、それでも単純にいい曲でコードもメロディもシンプルながらグッとくるものがあります。

6.雨の土曜日
一転して、シュガーベイブの『雨は手のひらにいっぱい』を連想させるようなシティポップな雰囲気に。
歌詞の通り、さながら雨あがりのビル街のようなキラキラした音像とそれを際立たせる軽やかなノリが、暗くてダークな曲の多い本作においては異質な魅力を放っていて素敵。

7.愛と笑いの夜
ワルツっぽいスローな3拍子が心地よい曲。サウンドも歌詞もヨーロッパ色マシマシ。表題曲のわりにはちょっと地味な気もしますが、ロマンチックな歌詞の描写とシンプルながら確実に外さないメロディセンスはさすがサニーデイといったところ。

8.週末
これ、隠れた超名曲だと思うのですが。
オルガンが支配する色気のあるサウンドがキモチイイ。控えめなリズム隊も効果的にムードを演出してます。そしてなにより曽我部さんの声、エロい…エロだ…。
はっぴいえんどやはちみつぱいのレコーディングにも参加していた駒沢裕城さんが奏でるスティールギターの音色も素敵。

9.サマーソルジャー
シングル曲。
A→B→サビ→A→B→サビ→C→サビ→D という構成で、ポップスにしてはややスケールの大きな曲展開。最後の最後にあるDメロが短いながらもなかなかの泣きメロ。さらにそこにハマる歌詞がそれまでのストーリーを回収するような内容で、まるで一冊の小説を読んだような満足感を与えてくれます。
名曲であるのはもちろんですが、こういう "名曲の雰囲気" をまとっていることがそもそも名曲の条件なのかなとも考えさせられたりしますね。ニクいぜ~!

10.海岸行き
アルバムの最後はエレキギターによる弾き語り。前曲『サマーソルジャー』の壮大なクライマックス感から一気に静かなエンディングへと収束していきます。
古いラジオのような音質に夏の終わりを描いた歌詞があいまって、なんともいえない物悲しさがありますね。こういう少し気の抜けた曲がラストに入ってるのはいいことだ。

。。。

きょうはここまで。じゃあねーー。

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