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「コト消費の具体例」(第10章関連)(2023.7.5議論)

「コト消費」とは?
ある商品やサービスを購入することで得られる、使用価値を重視した消費行動。(小学館『日本大百科全書』による)
※使用価値…当該財がその使用者に対して有する 有用性 (ないし絶対的価値) あるいは効用。

その商品の所有を重視とする「モノ消費」と対比して、その機会やサービスの体験や経験を重視する消費のことを「コト消費」と称する場合も多い。

「コト消費」の具体例を紹介
①クラフト体験
ex,飛騨高山「ぴーちくぱーく」
天然素材を使って手作りした鳥のグッズを中心に、様々な手作り商品を扱う雑貨店
商品(鳥・木の枝・巣etc.)を組み合わせてオリジナルのオブジェを作る

②フェア
ex,となみチューリップフェア
入場料 大人1300円
トートバッグやスノードーム作り、フラワーアレンジメント体験
地元の音楽隊によるコンサートなどのステージイベント
チューリップモチーフのおみやげ販売

③企業の世界観を体験
ex, SHISEIDO THE STORE (シセイドウ・ザ・ストア)
ヘアセット・メイクアップのスタイリングバーに、エステサロン・フォトスタジオ・メイクカウンセリング・カフェなどを併設
→一連の体験型サービスを提供

資生堂のロゴマークである「花椿」をかたどった商品棚
「花椿」の香りを染み込ませたフローリング
グレーのアイシャドーを練りこんだタイル
→資生堂の価値観・世界観を体験

いろいろな「○○消費」
コト消費を調べるうちに、類似した以下のような「○○消費」が見つかった。
トキ消費
 非再現性、限定性を重視した体験の消費。
 自分も参加し、その体験に貢献できている実感を得るという特徴がある。
 (例)ミュージシャンのライブ、フェス、生配信など
ヒト消費
 個人の持つ魅力や物語をエンターテインメントとして捉え消費すること。
 また、ヒトが効用を生み出す起因となる消費。
 (例)ドキュメンタリー作品、被災者支援、コロナ禍飲食店支援など
イミ消費
 消費による社会的貢献性を重視した消費
 (例)持続可能性、SDGsを意識した商品の購入
エモ消費
 消費による満足度に重点を置いた消費
 (例)推し活、ヌン活など

これらはコト消費より後に出てきた消費の形とされており、コト消費に包含されるものもあれば、そうでないものもある。

これからの「コト消費」
提供されるサービスや価値は多様化していて、「コト消費」という枠の中にはおさまりそうにないと感じた。
SNSの普及により、「トキ消費」「エモ消費」など高い共感性を得られる消費行動が人気になっているのではないだろうか。
企業や自治体は、この潮流をうまくつかみたいところだ。

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