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自分の苦しみをつくった原因のひとつが親にあるかのような気持ちになる。【後編】

後編に足をお運びいただきありがとうございます。
後編は3,000文字超えのお付き合いとなりますが、
覚悟はよろしいでしょうか?

あえて、体験した出来事がどれだけの状況だったかを紹介していきますので、
ご自身の置かれた状況や状態と比較して、
安心なの?はたまた危険を感じるのか?
見直すきっかけにしていただけたら嬉しいです。

さて、
新井邦二郎さんの「しつけの関係性」のコラムでは、
親の過支配に対する反動で子どもが親を支配するとあり、この考えは本多勝一氏らの「親への復讐論」に沿ったものだと説明しています。

ここで一つ踏み込みたいのが、
「発達障がいを持つ子」への見守り、
声かけや手伝いなどの介入の数は間違いなく多く
なります。
これが、「親(大人)の過支配」と似てませんか?
親子の関係に危険度は増しませんか?
ペアトレーニングや療育は、
自宅で家族が実践しないと根付かないと言われて、
親は真剣に取り組みますよ。影響はありませんか?

前編では、我が家の体験談内で、
新たなステージが幕開けしたと締めました!

ここからは息子と私の親子カプセル家庭内暴力不登校の始まりです。

ここからは改めて実体験談となります。

息子はその後家庭でも、物を壊したり怒鳴り声をあげては、私の顔色を見て私の奴隷具合を見計らいます。
中学の支援クラスでも、今見せているような人間関係で、やってきたのだろう。と思いました。

ちなみにこの1年間で、所有する家具のほとんどを入れ替え。
住まいは賃貸、引越す前の修理は、リノベーションと言っても良い規模でした。

話は戻り、
家に閉じこりの二人きり、この状態が続きます。
これがまた良くも悪くもありました。

例えば、
出かける提案をすると、重そうに体を動かしてシャワー室へ、そして3時間。
途中、声かけなどすれば暴れる。
シャワーから出て着替えに1時間。
出かける準備に4時間かけると、流石に出かけられないわけです。
結果お出かけが手に入らない。を理解してくれますようにと祈っていました。

一方で、買い物など私一人で外出すると、
リビングやキッチンで過ごす痕があり、
親心としては安堵しました。
私の外出で息子の活動化があるならばと、
一人の時間を増やしました。

そして私が帰宅すると、悲しいかな…
食器棚に穴、工具と食器類が割れて散乱。
冷蔵庫開けっぱなし、
シンクは食べ物がぶちまけられ…

数ヶ月間は片付けていましたが、
食品も食器も家具も…入れ替えたって、
同じことの繰り返し。
お金も気力も労力も時間も手間も無駄。
これは、片付け続けるのもおかしいと、
破壊行動の後そのままにしてみる事に。

すると当たり前に、
家の居心地が良くなく環境も悪くなり、
座る場所や、ほっとしながらお茶を飲む事もできない状況に本人が困り始めます。
コップは割れている、もしくは使用済みがそのまま。
シンクはぶちまけた食べ物が、匂いはじめています。
飲み物が欲しくて、割れた食器を超えて、冷蔵庫へ。
その冷蔵庫も開けっぱなし、ブザーがなったまま

テーブルの上は、ジャンル問わず物が散乱。
新たな置き場を求めて、すべて床に落とします。
座る場所の周りがさらに散乱。
この状況を、私も受け入れました。

そんな親子カプセル状態になるには、
以下の受け入れ体制に対応できず叶わなかったことから確立された面もあります。
[学校]
木曜日の10時から50分間なら受け入れ可能。それ以外は登校不可。
[放課後等児童デイサービス]
本人が来るなら放課後でなくても、いつでも利用可能。

親の声かけは通らないどころか、
まさに「地雷」になっている状態で、
学校や放デイのありがたい受け入れ許可も無意味。

他人の介入をお願いしたところ
放デイの方が来る日もありましたが、
成功率1割の打率にだんだん足が遠のき、
また親子カプセル状態に戻りました。

酷い時には、
ドライバーを突きつけられ、ハンマーを投げられ、
フォークナイフなどのカトラリーを握られ、

放デイの管理責任者に相談したところ、
このようなアドバイスをいただきました。

「本当にお母さんを刺そうとか殺そうとしてやっているわけではないから、刺激しないように避けなさい。
 これを使わないと負けてしまう自分がいるから武器を使っているだけだから、反応しないように。」


何度も何度も何度も何度も、
反応せずに危機をやり過ごしました。

そのうち浮かんでくるんです。次の疑問が…
いつまでこれが続くのだろう。
いや、危害を与えるつもりがなくても、ドライバー突きつけるのはダメでしょ?
私がやったら警察行きよね!?
危害を与えるつもりがなかったら逆に許されるのか?いやダメでしょ。
コミュニケーションの初期設定で武器使用が当たり前にはならないよね?

ある日とうとう、包丁が出てきまして、
私は家に帰れず、近所のホテルに宿泊し、翌日帰宅。
もちろんですが、閉鍵されており…、
自宅に入ることができず。
やっと自宅に入ったものの、同じ屋根の下で
安心して寝る事もなかなかできませんでした。

それでも、空間の陣取りになっているだけであり、誰かが怪我をしたとか最悪のやりとりになってない事を、自分に言い聞かせました。

本当に怪我してしまうと、
更に本人は傷つき
ダメ人間の烙印を自分で押すんですね。
自分と相手のために、
最大限被害を受けないように応戦します。

残念ながら負傷して、近くの病院を受診します。

病院の先生から
「最近、一般的でない怪我で何度も
 受診されています。
 流石にこれ以上続くようなら、
 警察に伝えないといけない」

と言われ、この頃の私は絶望しました。

もう怪我をしても、この病院には頼りづらい
病院受診も遠くを探すかと。

今なら、この理解がおかしいとわかります。

そしてある日、
息子は、サッシというサッシのガラスを割り
角材で殴りかかり
ガステーブルの角に追い詰められた私。
カチカチと点火の音がし、
「引火してお前なんか焼け死んでしまえ」と叫ぶ息子。
この日が親子カプセル終了の日。
親子が離れるきっかけに。


約1年間の親子カプセル・家庭内暴力・不登校のステージが終わります。
そして次のステージへ向かうことになります。


当時の息子の発言を集めてつなげた
私なりの理解ですが、
息子がここまでになるには、
「障がいがなければ、こんなに嫌な思いしなくて済んだのに、お前が障がいに産んだせいだ」

「なんでこんなに上手くいかないんだよ、どれも上手にできない。笑われたりバカにされたり、嫌なことばっかり、全部お前のせいだ!障がいなんかに産みやがって。」

この恨みが根底にあります。
まさに、新井さんのおっしゃる「復讐」です。

今日のNOTEの前半にあるように、
特性支援的介助が多くなる為、
過支配に似た関係性になりやすい課題もあります。

本来、子どもの成長を支援するために起こる摩擦であれば必要なことですが、
大人の保身や責任回避の為に、
立場が悪くなる子どもの孤立は、
背負わせるものではないと思います。
が、そんなにクリーンな世の中でもないですよね。

話は脱線しましたが、
テーマに戻して、
「親としてこれだけはしなかった事」
それは、暴力的コミュニケーションの時の要望は
そっと聞き入れない
こと。です。

要望は、
息子の気持ちが落ち着いて話をしてくるまで、
そのまま
、答えは出しません。

胸が苦しくて息子の涙が止まらず、
こんなに苦しんでるなら、
要求を飲もう、
叶えてしまおうとブレそうになる時もありました。
が、
それでも、絶対に暴力的なアプローチの時に、
何かが叶う状況は作りません
でした。

間違った方法での要望や甘えは、得るものはない事を知ってほしいという思いの関わりです。

※しつこいようですが、大切なことなので、記します。いいでしょうか?否定もしませんでした。

もう一つ、息子の感情が高まっている時は、
刺激になるような否定的な言葉はかけません
また加害者的に息子を責めません。
刺激となれば、ドライバーを振り下ろす!?
自分の安全と息子を傷つけない配慮でした。

ここまでの長文に
お付き合いいただきありがとうございます

彼の要求は、
食事の内容や携帯電話、
お金などの具体的なものはシンプルでした。
時に、
住む地域から抜け出したい。
結果、不衛生になっている状態の不快感の解消要求。
許容範囲を超えても、止まらない過許容の確認と甘え。
学校、友達、将来の不安。
悪者と言う罪悪感ともう戻れないと絶望感。
自己否定
他者否定をぶつける事もありました。

羅列してみましたが、息子の心の動きは人間らしいです。

さて改めて「しつけ」です。
子どもへのインプット行為ですが、
・子どもへ一方的に向けても完結しない
・しなくても子と親の関係に影響を及ぼす
ことは、覚えておきたいです。

そして、親(大人)も子どもも、
関わった出来事が「しつけ」につながる時、

誰の胸にも留めておいてほしい言葉が見つかりました。

* * * * *
壊してしまうのは一瞬でできるから、
大切に生きて
 ください
-----REBBCCA「MOON」歌詞より一部抜粋

あなたにも、私にも
経験した以外の道が
もしかあったとしても。
今こうしていられるのは、
あの頃のあなたが諦めず努力したおかげです。

最後まで読んでくれたあなたへ
今は辛いけど、状況は変化します。
あなたの心がラクになりますように🩵

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