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推しがKiramuneから4日後に卒業するって言われたオタクの感情

2021年12月27日
突如公式と本人から告げられたのは、2021年12月31日をもってグループ及び音楽レーベルでの活動を卒業するという話だった。

私が当時推していたグループは「SparQlew(スパークル)」
Kiramuneという男性声優からなる音楽レーベルに所属していて、レーベルの中で1番後輩にあたる5人組グループだ。
2017年にデビューし、今も活動を続けている。


1thデビューシングル【ハジマリノソラ】
Kiramuneの全アーティストが揃うキラフェスで
一番最初に発売されたCD



私がKiramuneを追い始めて、初めてデビュー発表から見守った、ある意味思い入れのあるグループだった。
デビューシングルからこの発表があるまでのCDは全て買っていた。
1thアルバムの握手会だって行ったし、ラジオも1回も聞き漏らさなかったし、公録だって遠くまで駆けつけて聞きに行った。もちろんリーディングライブにも行った。
キラフェスでの初ステージだって見守ったし、さいたまスーパーアリーナで堂々とパフォーマンスする彼らはかっこよかった。
それくらい思い入れがあって、応援していた。

私の推しは上村祐翔と千葉翔也だった。
上村祐翔はリーダーシップがあって、メンバーをまとめるのが上手くて、物語の主人公のような人。
千葉翔也は、喋りが上手くて、何事にも真剣に取り組んでいて、グループにとって2番手、仮面ライダーで言うならセカンドライダーのポジションのような人だった。
脱退するのは後者、千葉翔也の方だった。

推しの2人
左が千葉翔也
右が上村祐翔

なぜ2023年の今、私がこんな記事を書いているのかと言うと、なんとなく他のオタクが当時どう思っていたのか気になってググってみた時に、割と否定的な意見が多かったからだ。

私が当時、千葉翔也が卒業するという話を聞いた時、最初に思ったことは「なんで抜けちゃうの」だった。


発表が27日、卒業が31日、発表当日を入れても4日しか期間がないなんてあまりにも突然過ぎて、正直悲しいとかいう感情よりも衝撃で何も考えられなかった。
少し落ち着いて、頭に浮かんできたことは沢山あった。

ライブ未披露のソロ曲はどうするの?
もう5人のSparQlewが見れるのはあの時が最後だったの?
いつそれは決まったの?

やっぱり疑問ばかり浮かんだけれど、それでも私はあまり本人に対してのネガティブな感情を抱かなかったように思う。

私は千葉翔也が真面目な人だと感じていた。

彼はいつもライブで精一杯のダンスと歌を披露してくれていた。
それが周りのメンバーと比べて凄く張り切っているように見えても、本当は張り切っていたのかもしれないけれど、ファンにとって最高のステージを届けてあげたい、という考えが彼の中にあると思った。
ライブ中のMCだって、ラジオの喋りだって、全てそこにいるファンに対しての彼の精一杯の最高のパフォーマンスだった。
いつだって彼は向こうにいるファンを楽しませようとしてくれる人だった。

私は千葉翔也のことをそう思うから、彼が生半可な気持ちで脱退を決めたとも、中途半端な気持ちでグループに入ったとも思わなかった。

それはそれとして、SparQlewの始動後と始動前では、彼は格段に忙しくなっていたと思う。

子役時代の経歴を抜き、彼が本格的に声優としてデビューしたのは2015年頃。
テレビアニメ(メイン・モブ問わず)だけで判断するのであれば、〜2017年までは年に3〜4本のアニメの出演だが、2018年には7本に増えており、それから2023年現在まで彼は年に5本以上テレビアニメに出演している。
テレビアニメは放映のだいぶ前に収録が行われていると言われている。1年以上後にテレビ放映されることもあるらしい。
要するに、2018年にテレビアニメ出演本数が7本に増えている時点で、彼は早くとも2017年にそれ以前よりは多少忙しくなっているのだ。
また、彼はキャラクターソングにも多く出演している。
2017年時点では6本だったCDの仕事も、2020年には11本に増えている。
彼の声質からアイドルものの仕事が多かったことも大きいと思うが、それでも明らかに仕事は増えている。
CDもテレビアニメ同様、(当たり前だが)事前収録なのでそれ以前から多忙だったと思われる。
他にもラジオであったり、ゲームであったり、朗読劇等の舞台であったり、とにかく(オタクから見える仕事だけでも)目に見えて忙しくなっていっていた。

それを考えた時、多忙になりすぎてあれもこれもやるのはキツくなってしまったんだろう、と思った。
Kiramuneの”グループとして”唯一の先輩であるTrignalは、3人でダンスレッスンの時間を合わせることが難しいと発言していた。
それならSparQlewは5人グループ。ダンスレッスンの時間を合わせることはTrignal以上に難しいだろう。
グループでライブ活動をするなら、フォーメーションが入ってくるのは免れず、個人レッスンがいくら出来ようとも、グループ全員で合わせる時間が無い事実は致命的ではないだろうか。
千葉翔也だけではなく、先ほど話した上村祐翔や、他メンバーの堀江瞬さえ以前と比べ多忙になり、ますます難しくなったグループ活動に彼はどんな事を思っただろう。

忙しくなった時、どれを残して、どれを残さないか。
それは彼の考えであって、私が非難したり意見することでは無い。
私はそこに対して何も思うことは無い。
だからこそ、私は彼に対してネガティブな感情を抱かなかった。
歌もダンスも頑張っていた彼だから、疲れちゃったのかな、とも思ったし、真面目な彼だから、自分が満足のいかないパフォーマンスになるくらいなら辞めた方がいい、と思ったのかもしれない。
そこでSparQlewの活動を選んだのは、やはり5人グループだからだと思う。

私がここまで書いてきたことの全ては、私が見てきたSparQlewと千葉翔也の一部から見えるただの推測で、本当のところは違うのかもしれないけど、ただ都合よく解釈することで、彼を責めたくない自分を守れると思う。

SparQlewを脱退する千葉翔也に対して、ネガティブな意見を持つ人はきっと、脱退なんかするわけがない、という感情があったのだろうな、と思う。
逆を言えば、私はいつ誰が辞めたっておかしくないと思っていた。

Kiramune最初のアーティストは、岩田光央と鈴村健一からなるデュエット「CONNECT」だった。
CONNECT兄さん、と慕われ、敬われていたと思う。
だが、CONNECTはKiramune10周年のライブを最後に活動休止になった。
活動休止という名前なだけで、実質脱退のようなものだと私は解釈している。
CONNECTが活動休止するなら、他の人だって活動休止してもおかしくない。
その中で千葉翔也は”卒業”したのだ。
活動休止ではなく、卒業。
それはKiramuneが好きなオタクからしたら、卒業という概念を作られてしまったということになる。
誰かが活動休止する可能性にプラスして、誰かが卒業する可能性も出てきてしまった。
それはSparQlewだけでなく、Kiramune全体に与えた衝撃だったと思う。

話が逸れたが、CONNECTが活動休止になった時点で、誰か辞めるかもしれないと思い続けてKiramuneを追ってきた私にとって、卒業という別の形ではあるものの千葉翔也が辞めてしまうことは予想できる範囲の事だった。
誰が辞めるかは予想はつかずとも、辞める人が出てくることは予想していたことだったから、その覚悟がなかった人と比べれば、受け入れるのも早かったのでは無いかと思う。

いつまでも推しが辞めることにグチグチ言ったって、推しが帰ってくるわけじゃない。
私は卒業が決まったタイミングで、SparQlewの千葉翔也に対して手紙を書いた。
SparQlewの千葉翔也が好きだった自分で。
千葉翔也を知ったきっかけ、Kiramuneに加入すると聞いて嬉しかったこと、ラジオでメールを読まれたこと、新卒の時に千葉翔也の歌声に救われたこと、大好きだった”SparQlewの千葉翔也”のこと。
自分のありったけの想いを込めて、2021年12月31日の消印で送った。
卒業する日に送ることにこだわって、12月31日に手紙を出した。
読む頃にはSparQlewではないけれど、それでも自分の大好きだった想いと、ここにファンがいたことを知って欲しくて、自己満で手紙を書いた。
後悔はしてないし、今後もすることはないだろう。

ここまで長々と書いてきて、結局私は何が言いたかったのかというと、脱退にネガティブな発言をするオタクもいたけれど、そういう考えじゃなかったオタクもいるよって話。

千葉翔也はSparQlewじゃなくなったけど、それでも確かにあのステージには立っていた。
手元にはSparQlewだった千葉翔也のグッズがあって、忘れたくないから辞めてもずっと残している。

あのライトグリーンに染まるライブ会場をいつまでも覚えていて欲しい。
SparQlewであった日々が幸せだったと、キラキラな思い出であって欲しい。
これからの千葉翔也に更なる活躍と輝かしい日々が待っていると信じているから。
SparQlewはそのための過程だったのだと、そう信じたいから。


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