「ヴィンランド・サガ」シーズン2の正直な感想 完全ネタバレ!

アニメ「ヴィンランド・サガ」シーズン2を全話視聴しました。

私の正直な感想

作者のメッセージは十分伝わってくるが、ストーリーはあまり面白いと感じなかった

です。


前半の感想:やや冗長

本作で作者が強調しているテーマは「平和」です。

戦争や奴隷制がもたらす苦しみや悲しみがありありと描かれています。

シーズン1で王に歯向かったトルフィンは奴隷の身に落とされ、富農のケティルに買われ、大農園に隷属することになりました。

そこで彼はエイナルと出会います。

エイナルはヴァイキングの侵略により家族を失い、自身は奴隷にされました。そのためヴァイキングに対して強い憎悪の念を抱いています。

前半では二人が奴隷としての酷い扱いを受けながらも開墾や農耕などの重労働を強いられる様子が非常に丁寧に描写されていました。

見たまんまの感想なのですが「うわぁーこんな人生絶対に嫌だなー」とか「平和で奴隷制のない今の日本に生まれてよかったなー」と率直に思いました。

ですが、この「奴隷の日常シーン」の描写が丁寧すぎたためか、やや冗長さを感じ、見ていて退屈に感じることがありました。

もうすこし削ったほうがテンポが良かったんじゃないかと思います。

後半の感想:展開がイマイチ

クヌートは平和な世界を実現するために、兄ハラルド王を毒殺して、ヴァイキングの王になります。

王になれば軍に対して大きな影響力を持てるからです。

即位後すぐクヌート王は金策に追われます。侵略を拡大し各地に駐屯する軍の維持費が膨らんだためです。

そこでクヌート王は財源を確保するために富農ケティルに目を付け、彼の農園を奪いに軍隊を連れて進軍します。

ここは「大義に犠牲はつきもの」ということなのでしょうが、「弱肉強食の世界は本当に理不尽な世界だなー」と思いました。

ケティルはずっと国に金品や農作物などを献上し続けてきたのに、こんな仕打ちを受けるのですから強い憤りを感じて正気を失うのも納得です。

ケティルは農園を守るために国軍と戦いますが太刀打ちできずボコボコにやられてしまいます。

そこで突然、この戦いには関係のないトルフィンがクヌートに農園から撤退するよう直談判しに行きます。

ここで本作の重要人物二人が再開して嬉しかったのですが、やや強引な展開に感じたのは私だけでしょうか?

そしてクヌートはヴァイキング軍を制御できるという立場を活かして平和を目指し、

トルフィンはヴァイキングの影響が届かない場所まで逃げて平和な国を築き上げるという展開になり、

結局二人のストーリーは分岐することになってしまいました。

うーん、ここがなんとも残念というか、ストーリーがうまくかみ合ってないように感じてしっくりこなかったです。

こうだったらよかったのに

以下は「本作の展開がこうだったらよかったのに」という筆者の勝手な思いから改変した理想のストーリーです。

クヌートが王になりヴァイキング軍に侵略をやめさせる。

王の反戦方針に反発したトルケルが反乱軍を結成し内戦が勃発。

クヌートが戦争資金獲得のためにケティルの農園に出向く。

戦争がビジネスに与える悪影響を考慮しケティルは戦争資金出資に同意。

トルフィンはクヌートの反戦方針に賛同し内戦に参加。

国王軍と反乱軍が激しい戦闘を繰り広げる。

トルフィンが因縁のあるトルケルを倒し、国王軍が勝利。

クヌートがヴァイキング軍の侵略戦争を完全に止め、奴隷制を廃止。

このような感じのストーリーだったら胸熱で面白かったんじゃないかなーと勝手に思います。

総評

戦争や奴隷制の悲惨さがダイレクトに伝わってくるメッセージ性の高い作品で、今の日本に生きる私たちにとって当たり前の平和や自由の大切さを再認識させられました。

ただ、冗長で退屈を感じるシーンがあったり、ストーリー展開がしっくりこなかったので、総合評価は60/100点とさせてもらいます。


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