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目に見えないもの

世の中には目には見えない世界がある。
と、普通に思っている。

間一髪で助かったとか、いろいろあるけれど
今迄で1番は『暖簾が直角に折れた』こと

その日は娘の中学受験の発表日
都立の中高一貫を受験していて、塾長さんからは
「中学になっても数学は通った方が良いと思う」
つまり、『多分駄目だと思うから高校受験に備えましょう』ということ。

都立中高一貫人気が盛り上がっていた頃で、倍率は確か10.8倍。公立なので定員ジャストしか合格しない。

お気楽に考えていた私は、小学校6年になる春まで都立の中高一貫校は塾に通わないと合格できないことすら知らずにいた。

春休みの少し前、後楽園のラクーアへ行った帰り、乗り物割引券を手に、お目当ての乗り物に向かうと、保育園からの友達親子にバッタリ会った。


『実力テストの帰り』とのことで、娘たちが楽しんでいる間、中高一貫受験の話に。
お姉ちゃんが、都立の中高一貫校へ通っていて
「塾に通わず合格した子を知らない、来週の塾のテストを一緒に受けて立ち位置を知った方がいい」

それがきっかけで6年の春から入塾したものの、4年生から通っている子との実力差は歴然で、3クラスの1番下のクラスを死守していた娘。
冬休み前の面談で、先の言葉をもらった

『男の子タイプで試験が終わった頃に実力のピークを迎えるタイプ』らしい

合格発表日、塾の方針でネットではなく掲示板を直接見に行くことになっていた。
『こっそり見てしまおうか。』
そう思いながら娘と朝食を食べていたとき、
視界の端にあり得ない光景が映った。

キッチンの入り口の暖簾が
『中央から直角にこちら側ににペランと折れて、暫く停止して』から元に戻った

まるで誰かが
「ごめんください」
と通ったかの動きだった。

普通だったら、怖い出来事なのかも知れないけれど、その時は
『あ。合格してる』
そう確信した。



受験番号あった!!


塾長さんに報告の電話を入れると、
「まさかの○○ちゃんが合格!凄いね!本当に?えーーーー!」
私の耳にまで届く大音量で驚いていた。

その年は受験生が多く、その塾からの合格者は3人だけだった。あとの2人は毎回トップ成績の2人。

試験問題が少なく、1題あたりの配点が高い。
その中の1問が、当時たまたま私がハマっていた事に関連する設問で、見覚えのある言葉が羅列されているその問題を目にした時に、一気に緊張が溶けたらしい。


もしかしたら、遊園地でバッタリ会ったところから始まっていたのかも。


誰かに守られている。


ありがとうございます。

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