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医療系の小噺

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記事一覧

#62 病院で働いていると必ず聞かれる話

 病院で働いているというと、「幽霊っているの?」とかなりの高確率で聞かれます。私はいわゆる霊感をがありませんのでよくわかりませんが、幽霊がいたり、魂が彷徨っていたりしてもおかしくはないと思っています。  私自身、実体験はほとんどありませんが、霊感があるという同僚や患者さんから聞いたエピソードを、3つ紹介します。 真夜中のナースコール これは、私の若い頃の実体験です。消灯後のバタバタが落ち着き、準夜帯から深夜帯への夜中の引き継ぎまであともう少し。今日は落ち着いてるから定時で

#53 気をつけよう、看護師の内輪話

 仕事の愚痴や先輩の悪口だけではなく、職場であった面白おかしい話や、たまにいる愛すべきキャラクターである患者さんやスタッフの話など、世間話と同じように、所構わず話してはいませんか?  例え同じ職場でなくても、同業者や同じ医療福祉系の友人とは、現場でのそういったエピソードは共感できることが多いため、共通の話題として盛り上がりやすいですよね。  でもこれ、医療福祉系以外の人が聞いたら、引いてしまうような内容もかなり多いんです。  生死や老い、下ネタ(エッチなことではなくて、排

#45 医療系ドラマについて思うこと

 医療系ドラマ、よく見ますか?  私は、あまり見ないんですよね。なんか、胸がモヤモヤするというか…。客観的にみれない部分があると言いますか。  あまりにフィクションすぎると「こんなことないよ」と思いますし、現実味があると、切なさとか、やるせなさに胸が締め付けられてしまいます。  医師がメインだと、多少は客観的に、心穏やかに見れることも多いです。ドクターXは、現実離れしすぎていますので、水戸黄門的医療系ファンタジーとして見れています。  私にとって医療ドラマの最高峰は「コード

#36 新しい職場で働いて気づいたこと

 フリーの看護師として、いくつかの職場で働いています。  転職は何度も経験していますが、久しぶりに新しい職場で働くと、発見や改めて思うことなどありましたので、まとめてみました。 1.人間関係の観察 ⅰ.スタッフ同士の関係 スタッフ同士の関係性を以前より、よく観察し、その理由を考えるようになりました。やはり、慕われている方は、言葉や態度に一貫性がありますし、敬遠される方は、感情的なムラがあったり、口調がきつかったりします。  ⅱ.上司の観察 部下への接し方がとても勉強にな

#19 大門先生と一緒ってどうなんだろう

1.ことの発端 看護師の友人と話をしていて、以前働いていた病院の医師たちについて、「医局に属せないタイプの医師ばかりで、腕はあっても曲者ばかりで対応が大変だ」と話したら、大学病院や公的病院経験のみの友人が、「すごい!大門先生みたい!」とキラキラした目で感動している様子だったのです。  彼女のときめきとは裏腹に私の心はなんだかモヤモヤしてしまいました。  そのモヤモヤについて考えてみました。 2.大門先生とは 大門先生とは、某ドラマの主人公で、凄腕フリーランスの女医です。テ

#10 大病院と小病院の違い

 施設の規模によって、特徴が大きく異なり、看護師の立ち位置も変わる。 大病院から民間の小病院に転職したときに、ある種のカルチャーショックを受けた。大病院で働いていたときには考えもしなかったことも多かったので、それぞれの特徴・看護部・医師・患者の集め方についてまとめた。 大病院 一般的に500床以上の病院で、地方の総合病院(600床程度)と、都内の大学病院(1200床程度)での経験がある。  総合病院は公的要素もあり、地域に根差した治療を目的とし、研修医の研修施設でもあった