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これじゃ、フリマか学園祭模擬店だ!

渋谷の駅前開発がかなり進んできた。
オフィスとショッピング・モール、つまりビルばかりの街に完全に生まれ変わろうとしている。
私が大学生だった1970年代の後半、渋谷駅周辺にはもちろん西武やパルコはできていたが、個人が経営する商店や飲食店が多くあって、それぞれの店はいろんなアイデアに満ち溢れていて個性的で面白かった。
ショッピングモールやテナントビルには、大手企業のチェーン店が入っており、渋谷でなくても新宿でも池袋でもどこでも同じ店があるので地域の特性が出ないし、味気なくて興味がわかない。つまらない。
それでは、個人経営のオリジナルな店がどこに行ったのかと言うと、渋谷の周辺地域、つまり「奥渋」と呼ばれる神山町や富ヶ谷、そして代々木八幡や代々木上原などだ。あの辺りは、買い物しても、食べに行っても面白い。
なんでこんな話をしているのかと言うと、この個人経営の良質な店こそシャンソン界を支えると考えるからだ。

ホールでのコンサート

現在、多くの歌手が出演するオムニバス形式のシャンソンショーが頻繁に行われている。これは、商店の例で言えば、公園や広場で行われるフード・フェスティバルのようなもので、いろんなお店の自慢のメニューを少しずつ味わうことはできるが、個別の店(歌手個人)の本当の良さはなかなかわからない。しかも、そのフェスティバルの開催期間だけ出店されているわけで、単発で継続性がない。

シャンソン・コンクール

シャンソン界では、コンクールも盛んに実施されている。これは、地区単位で行われているグルメ選手権のようなもので、グランプリを目指して個別の店(歌手個人)が参加している。
称号と栄誉は獲得できるが、その後の商売(ライヴ)の機会は自分で確保しなければならない点は、飲食店も歌手個人も同じことになる。

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