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#90 学校基本調査から見えること

皆さんこんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
今回も記事に辿り着いていただき、ありがとうございます。
日々の気付きから、私の学校現場での経験や教育行政という立場から学校を見てきた経験を皆さんのお役に立てたらと思い、記事にしております。

先日、文部科学省から学校基本調査の結果について、内容の概要が発表されました。
近頃は教員不足というニュースも多く出ているので、この調査結果から見える私の意見を発信していきます。

学校基本調査について、簡単にお話いたします。
令和5年5月1日現在の学校数、児童・生徒数、教員数、学級数等をまとめたものです。
これは全ての学校に調査をしているため、全数調査です。
ということで5月1日時点の調査にもかかわらず発表がこの時期になるのは、集計するのに時間がかかるからです。

では、まずは学校数、在学者数、教員数の情報です。
公立の学校数、在学者数は減少しています。
逆に私立や中等教育学校、義務教育学校は学校数、在学者数は増加しています。
義務教育学校はようやく定着し始めたため、公立の小中学校が合併して義務教育学校になっていることがほとんどです。
ただし、公立の小中学校の減少数に対して義務教育学校の増加数に差があるため実質減少していると言ってい良いでしょう。
そして、少子高齢化になっているにもかかわらず私立、中等教育学校の在学者数が増えているということは、世の中が公立離れをしているということです。
公立学校に関わる身としては非常に残念です。
理由はいくつかあるかとも思いますが、今回はこの点はまた別の機会にお話しできたらと思います。

学校基本調査結果の概要(文部科学省HP)より
学校基本調査結果の概要(文部科学省HP)より

ここで、見ていただきたいのは教員数です。
高等学校以外では増加しています。
それでも教員不足と言われているのはなぜでしょうか。
理由は2つあると考えられます。

①増加数以上に休職者数が多い。

病気等による休職、産休・育休による休職等です。
今までは、このような休職者が出た場合でも、増加した人数の方たちに代替をお願いしておりました。
しかし、今はその方たちも教員になっているため代替の方が見つからないのです。
だから学校現場では大体の方を見つけるのが難しく教員不足の状態になっているのです。

②小学校の35人学級が学年進行中である。

現在の小学校4年生以下の学年は35人学級です。
ということは、あと2年間は必然的に全国の小学校で学級数が増加します。
学校単位では1学級増えるか現状維持かということになりますが、全国規模で考えればかなりの学級数になります。
令和5年度の小学校は18,980校あります。
仮に半分の学校で1学級増加となると、9,490学級増加するということになるので、教員が9,490人必要になるということです。
だから教員採用選考、特に小学校の倍率が低倍率になるのです。
受験者数で考えると減少はしているものの大幅な減少ではありません。
それ以上に必要数が増加しているため倍率が下がるのです。

②については3年後にはこの現象がなくなります。
なぜなら全学年35人学級になるからです。
ということは、3年後の教員採用選考は現状のまま行くと倍率もあがると考えられます。

しかし、①については、対策を打たないと解決しません。
だからこそ働き方改革が言われているわけです。
おそらく②の理由により3年後には代替教員の人数も多少増えると考えられます。
しかし、休職者数が増加してしまったら意味がないわけです。
ということで、文部科学省をはじめとする教育行政、学校現場は働き方を見直していかないといけないのです。

このようなことを見えるかするために学校基本調査は行われます。
確かにこのような調査は負担になるでしょう。
でも、このような調査をしないと課題も見えてこないのも事実です。
だから、文科省はこのような調査をするのですからフィードバックやどのような施策に生かしているのかをもっと発信していただきたいです。
もしかしたらしているのかもしれませんが、伝わっていないのです。
この結果についても、教員や教育行政の方でチェックしている人はどれだけいるのでしょうか。
特に学校現場はほとんどいないと思うのです。
これでは発信しているとは言えませんね。
だから、ちょっとした解釈ではありますが私も発信して、一人でも増えればいいなと思っています。
そして、各自が意識を持って仕事に取り組んでもらえたらと思っています。

まだまだ、発信しないといけない調査等がたまっています。
これから少しずつ発信していきますので、皆さんチェックしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんにとって何か気づきがあれば嬉しいです。
それではまた次の記事で!

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