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#108 教員の給与について考えてみました

皆さんこんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
今回も記事に辿り着いていただき、ありがとうございます。
日々の気付きから、私の学校現場での経験や教育行政という立場から学校を見てきた経験を皆さんのお役に立てたらと思い、記事にしております。

今回は、先日の首相演説をきっかけに考えたことを記事にいたします。

こちらのyoutubeの動画の25分くらいから述べられた内容です。
「教職員の処遇見直しを通じた質の向上を図っていく」というようなことを言いました。
このことは、以前から色々なところで議論を巻き起こしておりますが、実際の所、どのくらいの給与が適正なのかを考えてみます。

現在は、一般企業にあるような残業代というものは無く、4%の教員調整額があるだけです。
つまり、どれだけ残業しようとも、逆に全く残業しなくても、一律給与の4%分加算するということになります。
これは昭和47年に施行されたものでありますが、昭和41年の実態から計算されたものです。
こちらが参考となるページです。

では、この教員調整額ではなく、一般企業の残業代が出たとしたらどうなるのかを考えてみましょう。

まずは、年収600万円(税金を引かれる前の額でボーナスは抜く)とします。

次に、勤務の実情については、令和4年度教員勤務実態調査の速報値から考えましょう。

令和4年度勤務実態調査速報値から

この図から一日当たりの勤務状況がわかります。
土日も残業と考えると、例えば小学校の校長は平均して11時間12分となります。
同様に考え、平均すると約12時間となります。
これは職層全て一緒にして考えているので、かなり乱暴かもしれませんが、計算しやすくするためにご了承ください。
実際は副校長先生が大変ですがね・・・。

ということは、勤務時間は7時間45分のため、残業時間は4時間15分です。
ということは、4時間15分は7時間45分の約54%に相当します。
これに対する残業代はどのくらいになるのでしょうか。

残業代は労働基準法37条で1か月合計60時間までは25%以上の率となっています。
単純に計算すると、残業代は600万円×0.54×1.25=405万円となります。
これってかなり驚きの数字ではないですか?
ボーナス以外で年収600万円の教員は、実はボーナス以外で年収1000万円となるわけです。
もちろん、この計算は単純化しているため、この数字が正確ではないかもしれませんが、大きく外れているわけではないですよね。
(もし、見当違いならコメントください)
さらに、ボーナスがこれに加わる・・・もし、この金額が支払われていたらどう考えますか。
恐らく全く異なる考え方になるでしょう。

もちろんそう簡単にはいかないかもしれませんが、4%の教員調整額がいかに今の実態に合っていないかわかりますね。

私自身も正直給与のことなんか考えずに教員になりました。
子どもたちと一緒に生活し、同じ目標に向かって頑張るということが好きだから、何かを伝えて共に成長できることが好きだから教員をしています。
しかし、ここまでかけ離れていると「なんだかな」と思ってしまうのも事実。
でも、私としては給与を上げろということよりも、業務を整理整頓して残業がなるべくなくなるような状態にしたい。
一人一人の教員が笑顔で仕事ができるようにしたいという思いから、教育行政に来ました。
これは#22の記事でもお伝えしていることです。
私自身が、経験した1年間から働く環境を変えないといけないと思い、教育行政に来たわけです。
だって、玄関や居間、洗面所で寝ていましたから。笑

もちろん給与をあげると言われて嬉しくないということはありません。
でも、それ以上に年収600万円の人は、その収入に見合った業務量にしたいだけです。
だって、現状なら年収1000万円になってしまうんですから。
年収1000万円にしてくれ、ではなく、業務量を精査する。
これが岸田首相の言う質の向上につながるはずです。

新しいことを始めるのではなく、今までやってきたことをもっと充実させる。
だって、先生方は頑張っているんです。
でも、やり切れていないことがあることも事実です。
だから、新しいことではなく、今までのことをより充実させる。
そして、子供がやりたいことを選択できるように、学校で特色を出し、やることを絞る。
このことが推進できるように教育行政で1mmでもいいから進められたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんにとって何か気づきがあれば嬉しいです。
それではまた次の記事で!



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