拘束チップの是非

ローカルルールで必ずと言っていいほど禁止にするべきかどうか議論になるフラッシュマンとプラントマン。更にいうとキラーズアイやキラーセンサー。
いわゆるハメ構築を構成する拘束チップ群だ。
これらのチップを絡めたハメ構築と、拘束からの高火力攻撃をどう扱うか考えて行く。

まず、自分の考え方として、ハメを全否定したくないと考えている。
あまり面白い戦い方だとは思わないが、そういう戦い方自体はなるべく許容していきたい。

おそらくプラントマンやフラッシュマンを禁止にするかどうかが議論されている時点で、既にフォルダリターンも禁止されているだろう。
フォルダリターンが禁止であれば、ハメだけで相手を倒し切るのこと(以降、この事をハメ完遂と呼ぶ)の難易度は多少上がる。
単純に1ターン相手を拘束し続けるのも難しくなるし、拘束が解除されれば相手に防御チップを使われてしまうことになり、一気に辛くなる。
ハメ構築は防御が薄く、クイックゲージを併用することが常であるため、一度展開された相手の防御を突き破る手段も少ないのが普通だからだ。
また、フラッシュマンにしろプラントマンにしろナビチップとしては火力はかなり低い方なので、別の何らかの手段で火力を出していかないと、相手が高耐久構築の場合倒しきれなくなる可能性もわずかに出てくる。

現状、フォルダリターンを活用したハメ構築が環境トップ付近に存在するため、HPを盛ることの価値が低くなってしまっており、サイトバッチやギガフォルダが採用されやすい傾向にある。
つまり、HPを盛らないことのリスクがあまり機能していない。
しかし、元来エグゼ3はかなりHPを盛れるゲームであり、HPを盛らない構築にはハメ完遂されやすいというリスクがあるし、高耐久構築にはちゃんと倒されにくいというリターンがあるゲームなのだ。
それが、フォルダリターンを始めとするチップ群によって機能しなくなっている。
だから、ルールを設定して対戦するのであれば、そこのバランスが取れるルール構築をする事には意義があると思う。

では、実際にどうルールを決めていくべきか?

まず、プラントマンとフラッシュマンを禁止する、ないしはフォルダに入れられる枚数を制限するというルールだ。これはローカルルールでは最も鉄板の制限だ。

個人的には、そもそもフラッシュマンやプラントマン、デスマッチ2など、容易に相手が動けない状況を作れる手段で拘束して当てにくいチップを当てる、という戦い方そのものをあまり面白いとは思わない。なぜなら、拘束さえしてしまえばどんな攻撃でも容易に当てられるため「なにで倒すか」が重要ではなくなり「どうやって拘束するか」が戦略のキモになるわけだが、フラッシュマンとプラントマンは、その「どうやって拘束するか」の部分を簡単にし過ぎてしまい、工夫の余地がなくなってしまうからだ。
要するに「とりあえずフラッシュマンかプラントマンで動きを止めて、お好みの高火力チップ当てて終わり」に終始しやすく、単調でバリエーションも出ないということだ。

相手を拘束するチップの本来の役割は、外すことが許されない虎の子の一撃(ギガチップやPAなど)を当てやすくすることだ。
虎の子の一撃は繰り出せる回数に限りがあるので、代わりに複数回繰り出せて、空振りしてもあまり痛くはないチップを用いて、虎の子を当てやすくする。その手段の一つな訳だ。
だから、相手を拘束するチップというのは「気軽に繰り出せるが、命中率が低い」という性能をしていなければいけない。
フラッシュマンとプラントマンはフォルダに最大5枚ずつ入れることができて気軽に繰り出せるのに、命中率が100%という点が終わっている訳だ。

とはいえ、だから制限にした方が良い、というのはやや性急なようにも思うので、一度よく考えてみようと思う。

フラッシュマンとプラントマンが槍玉に上がる理由は、やはり全体攻撃である点だと思う。
同じく相手をマヒさせる効果を持っていながらも、軸を合わせなければ当たらないラビリーは問題視されない点から見ても間違いないだろう。
ブレイク性能があろうが対インビジ性能があろうが対ユカシタ性能があろうが、ちゃんと狙わなければ当たらない性能であれば、そこまで問題にはならなかっただろうと思う。
エグゼ6のジャッジマンなんかはその辺の反省がちゃんと活きていると感じる。
だが、攻撃範囲がネックとなると、ルールでは制限できない。
確かに使用を制限してしまうのが一番合理的なようにも思う。

では一度視点を変えて、別の方法でハメ構築に対して足枷をつける方法を考えてみる。

まず、フォルダリターンがない環境でハメ構築に必須となるのがクイックゲージだ。
クイックゲージは一度使われると、時間経過で効果が切れたりすることのない、環境制圧力が高いチップだ。
ハメられたくない側からすれば、ヘビーゲージで上書きするか、大量の防御チップでこちらも守り切るしかなく、フォルダ構成を大きく制限される。
しかし、そもそも開幕いきなりフラッシュマンやプラントマンを食らってそのままハメ倒されてしまうようなケースの場合、ヘビーゲージでも防御チップでも基本的には対処不可能となり、スタイルの能力やナビカスで対処するしかない。
一方で、クイックゲージさえ使われなければ、フォルダリターンなしの環境ではハメ完遂するのは限りなく難しくなる。
一見有効そうだ。

しかし、クイックゲージをルールで禁止した場合、ヘビーゲージを上書きする手段がなくなるため、実質的にヘビーゲージ環境で戦うゲームになってしまうという問題を孕む。
この辺は好みが出る部分ではあると思うが、現実的にクイックゲージは逃げとハメにしかほとんど使われておらず、クイックゲージ環境では防御チップが強くなるため、膠着状態が起こりやすく、あまり面白くないと思う。
一方、ヘビーゲージ環境では、防御チップが弱くなるので、守るより攻めまくれ!というバランスに傾くため面白く、別に禁止してしまってもいいのではないか?という気持ちもなくはない。
また、作品によってはヘビーゲージ環境ではバスターやチャージショットが猛威を振るう場合もあるが、幸いエグゼ3のバスターやチャージショットは元々弱めなので、ヘビーゲージ環境前提のゲームになっても破綻はしないだろう。

とはいえ、いくらクイックゲージがハメと逃げにしか使われていなかったとしても、だからクイックゲージを禁止しても問題ないというのは乱暴だとも思う。

それに、クイックゲージを禁止してハメ完遂ができなくなったとしても、結局のところ命中率100%の拘束攻撃という時点でやはり危険だとも思う。
ターンの終わり際に拘束すれば、コードの異なるチップに繋ぐ事も可能だ。
正直どうとでもなる。
高火力チップによる倒し切りが求められると言っても、拘束できて高威力なキラーズアイSPがアイスステージと組み合わせると1発500ダメージな時点で倒し切りもさほど難しい事ではない。

少し話は逸れるが、そもそもキラーズアイにも制限を加えた方が良いと思っている。
ハメの中継ぎに使えて、インビジ貫通ブレイクありで攻撃力500は普通に考えてダメだと思う。スタンダードチップやぞ。
かと言って禁止にするとやれる事が狭まってしまうので、エサの配分で攻撃力のバランスを取るとかだろうか。
しかしエサの量は不正しているかどうかを見極めるのが難しいので、ルールとしてはあまり良くない。
SPを使用禁止にするのも違うと思うし…。
どう制限するのが良いのかわからない。
アイスステージ上で当てるの禁止とかか?

とまぁ、色々別案も考えてはみたが、結局のところやはりフラッシュマンとプラントマンは禁止、ないしはフォルダに1枚ずつまでのような制限を設けるしかないような気はする…。


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