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カサンドラ症候群を克服したあーさん

カサンドラ症候群って

配偶者や家族が発達障害で情緒的な関係を築くことが難しくなり、身近な人に不安や抑うつの症状が出てしまう二次災害的なもの。よくネットでは耳にする言葉なのだが、病名ではないらしい。

あーさんは12年間一緒にいた元パートナーがADHDで自身もカサンドラ症候群に悩んでいたのだが、パートナーと離れたことで克服した。

なので発信したかったことの一つである「カサンドラ症候群がつらい人は離婚してみよう」というテーマで語っていこうと思う。

なんで結婚したのって言わないで

夫婦関係に問題が起こった時に「なんでそんな人と結婚したの?」という言葉は、ご法度だと思っている。
結婚しないとわからないことは沢山ある。そして人間の考え方というのは日々移ろいゆくものでもあるし、乗り越えないといけない問題も進んだ人生のステージによって異なる。

全てにおいて先見の明を持っている人間なんていないのだ。

感情論?理論?いやどちらでもない

夫婦喧嘩をするときに「夫は理論、妻は感情論で話すので喧嘩が収束しない」なんて話をよく聞くが、発達障害の元夫・妻のあーさんの会話はそのどちらでもなかった。
私たちの会話は「虚無」なのだ。私が投げたボールはどこか遠くへ飛んで行ってしまって、決して返ってくることがない。返ってきたボールを受け止めたい、それを理解したいと思っているのにそのボールが返ってこない。

何年も何年も返ってこないボールを待ち続けるとどうなるか。
孤独感に苛まれてどうしたら良いのか自分でもわからなくなるのだ。

ありのままの俺は愛してくれないの?

ADHDと診断された元夫が服薬を始めると、少しだけ情緒的な会話ができるようになった。服薬を忘れるといつものように癇癪を起すのでわかりやすかった。

そんなある日、服薬を忘れた元夫に「薬飲んで欲しい」とお願いしたところポロポロ泣き出してこう言ったのである。
「薬を飲まないありのままの俺は愛してくれないの?」
それは哲学的でとても悩ましい質問だった。その時回答は出来なかった。

でも冷静になった今ならこう思う。
自分が服薬することで愛する人が助かるなら、私なら喜んで服薬する。だからそもそもこの問い自体が元夫の自分本位な言葉だったのだと思うのだ。
情緒的な「思いやり」が根本的に欠落している言葉なのだ。

離婚に対する考え方

カサンドラ症候群のコミュニティに所属していた際に気付いたのだが、発達障害のパートナーを持っている人にはいくつか共通点があるように思う。
まずは「人の長所を見つけることに長けていること」そして「他者への許容範囲が広いこと」つまり端的に言うと「良い人」なのである。
良い人だからこそパートナーを切り捨てることに戸惑う、そして悩む。
人の悪い面だけを見て簡単に切り捨てるような人間であれば、そもそもカサンドラ症候群なんかにならないのだから。

だからもし今、現在進行形でカサンドラ症候群に悩んでいる方に言葉が届くのなら伝えたい。「あなたは本当に優しい心の持ち主ですね」と。

本題だが、我が家もお互いに離婚しないと私の心身がだめになると悟っていた。それでもまだ元夫に未練のある私と、私と一緒にいたいと願う元夫の決意が固まらず難航していた。

考えに考えを重ねて、こう結論が出た。
「離婚してみてそれでもまだ元夫に未練があるならその時はまた連絡する」
一度離婚した相手と再婚することは法的には認められている。だからそう思ってみることにしたのである。

そんな私のわがままな意向を受け入れてもらい、離婚届を出した。

そんな日は来ないとすぐに悟ったのだが…

再婚して思うこと

現在の夫は本当に人間性が高く、心から尊敬している。
でもそれは「元夫を選んだ19歳の私」と「夫を選んだ34歳の私」の価値観や人を見る目が変わった結果なのだと思う。
人は様々な経験から学びを得て、思考が磨かれる。だから考える時間が長いほど、気付きが深いほど得られるものも大きい。
深く深くかがんだ後に勢いよくジャンプしてより高いところに手が届く、そんな感覚だ。

今は毎日が幸せだ。でもその幸せは今までたくさん悩んできた成果なのだと思うのだ。

過去の私、たくさん悩んでくれてありがとう。そして本当にお疲れ様。

おわりに

離婚して自分の心が回復すると「カサンドラ症候群という思考の負のループにはまっていたな」と思えるようになりました。本来の夫婦はきちんと情緒的なキャッチボールが出来るものだし、幸せは与えるものではなく一緒に作っていくものなのだと再婚で学びました。
カサンドラさんの全員に離婚を勧めるわけではないのですが「離婚=見捨てる=悪いこと」と思っている方がいらっしゃれば、それは思い込みだよと声をかけたいです。

自分の人生を大切に





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