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春日部市長選に出馬!!

MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ:2017年10月17日付

【MBAデザイナーnakayanさんのケース・スタディ】
■読み進める前に…
以下はMBAデザイナーnakayanさんによる「課題の抽出と戦略案」が続きます。経営に正解はありません。読み進める前に、あなたが経営者であったならどうするか、一度考えてみてください。


世間は選挙色が強くなってまいりました。そこで今回は「nakayanさんがもしも市長選に出馬したならば」と題し、どのようなマニフェストを作成するかを想定してみました。

◆今回のリアルタイムケース◆
QUESTION: あなたが春日部市の市長ならばどうするか?


■nakayanさんの掲げる春日部市長選マニフェスト

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■市長選に出馬するにあたり現状把握

・春日部の人口は、2000年から2020年にかけて1万3,000減少。(春日部市人口ビジョンより ※1)

・「春日部の人口はここ10年で7,000人減少。武里団地は、かつては6,000世帯、2万2,000人いたが、高齢化と建物の老朽化の影響で9,000人に減少した。」(石川良三市長談 ※2)

武里団地の人口減少幅は、1万3,000人。一見すると春日部の人口減少幅と合致します。しかし春日部市は12年前に庄和町と合併していますので合併による人口の増減も考慮する必要があるかもしれません。
2005年時点での庄和町の人口は約3万5,000人。春日部市の人口ビジョン P.3には(平成17年以前は、春日部市と庄和町の合計)という記載がきちんとありますので、合併による考慮は必要ないと理解できます。

庄和町は、不動産時価の騰貴が示すように市内においては唯一人口が流入している地域ですので、旧庄和町の人口増、旧春日部市の人口減については考慮する必要があります。

石川市長の仰るここ10年で7,000人減少と、武里団地の1万3,000人減少は時間軸と対象範囲が異なるので正確な比較対象になりません。人口ビジョンを見る限り、武里団地はかつては6,000世帯というのが、恐らく平成12年(2000年)の春日部市の人口最大値の時です。17年前ということになります。ここ10年で7,000人減少ですが、ここ17年ですと約1万人減少しています。
つまりは、約1万人減少の主な要因は、武里団地の人口減1万3,000人であると考えていいと言えます。


<参考資料>
※1. 人口ビジョン編(PDF:1678KB) - 春日部市https://www.city.kasukabe.lg.jp/shisei/shisaku/sogoshinkopro/sougousenryaku/index.files/zinnkoubizyonnhenn.pdf より
※2.JCI公開討論会 映像② 2分前後 石川良三市長発言。
http://e-mirasen.jp/governor/2017/10/2017-27.html より


■市長になった際の具体的な政策(戦略案)

武里団地の再開発と、春日部駅東口の開発は別々に行います。両方同時には対応しません。財源や市の持つリソースは、どちらか一方に集中的に投下した方が費用対効果が大きいと言えます。
武里団地はUR主体の民間に任せ、春日部市は東口に専念するのが妥当と判断します。
「経済効果=マーケットサイズ(人口密度)×シェア」となり東口再開発にとってのKFS(Key factor for sucsess)は、人の流れを作ることではなく、人口密度を上げることです。では、どのような政策や都市計画で人口密度を上げるか?ということになります。

・具体策その①「未活用空中権の利用」

あくまでも大まかな概算になりますが、東口にある既存の2階建て建築においては、2間長屋での土地利用が多いため容積率が上手く活用されていません。土地形状を改革し活用することにより、最低でもプラス5Fは可能であると言えます。更に、建築基準法の規制を緩和する政策を加えれば、加速度的に人口密度を上げることも可能になると私は考えます。

・具体策その②「春日部東口再開発不動産リート発足」

春日部市の財源だけでは東口の再開発は難しいでしょうから、市と民間金融共同による第三セクターとして、不動産リート会社を発足します。特徴は、市の信用と民間金融のノウハウをミックスし確実なリターンが得られるという点です。想定利回りは、4.0%程度。内部留保の運用先に困っている法人からの出資も受け入れます。

・具体策その③「駅前"天然温泉付き"複合型高専賃住宅の建設」

東口駅前に高齢者専用賃貸住宅をベースにし高齢者たちの住居を確保します。1Fや2Fには、既存の個人商店をベースにした店舗エリアを確保します。店舗エリアには、新たに開業医たちも誘致します。高齢者たちの子供世代が、いつでも帰郷でき、1日単位でレンタル可能なホテル型スペースを併設します。高齢者たちが高専賃への転居により不要になった、一戸建てやマンションの空き家は、子育て世代に向けてリノベーションやリフォームをして再利用し、必要に応じて建替えも実施します。

(参考イメージ①)春日部東口街並みのファサードイメージ
店舗エリアの1Fや2Fは、宿場町のファサード。

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photo source: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000016230.html 

(参考イメージ②)春日部東口街並みファサードイメージ
店舗エリアの1Fや2Fは、宿場町のファサード。

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photo source: http://www.asahi.com/articles/ASK6W343QK6WPLZB005.html

(参考イメージ③)上層階の高齢者居住エリアのイメージ

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photo source: https://www.projectdesign.jp/201503/pn-kagawa/001997.php 


・具体策その④「かすかべ盆踊り専用広場設置」

かすかべ盆踊りを、春日部夏祭りの神輿パレードに並ぶイベントへ発展させ、東口在住の高齢者を中心とした市民のみならず、夏祭り等への来場者が誰でも一緒にかすかべ盆踊りへ参加することが可能になります。盆踊り以外では、マルシェ開催やトラック市場を開催することで、個人商店の起業予備軍の育成に役立てます。

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photo source by ©2017 nakayan.

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photo source by ©2018 Hiromi Sakae.


・具体策その⑤「キャッシュレスタウンの構築」(2019年11月26日追記)

顔認証システム導入によりこの地域で暮らす市民たちは、お金を持つ必要がなくなります。お金を支払う際に、スマートフォンやカードも持つ必要がなく、全ては事前に登録した顔認証データにより、支払いが可能になります。
シニアの方たちに顔認証システムへの登録を行っていただくことで、市内に設置されたWEBカメラによる人物特定も可能になりますので、認知症による徘徊問題なども解消され、介護の負担を軽減することが可能になります。

(参考イメージ①)顔認証システムによるキャッシュレス決済

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photo source: https://ascii.jp/elem/000/001/403/1403136/ 

(参考イメージ②)顔認証システムによる顔パス乗車
市内バスやタクシー、病院への通院等は全て顔パスになります。

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photo source: https://www.aviationwire.jp/archives/174512 


・具体策その⑥「交通インフラ改革にモビリティの充実」(2019年12月30日追記)

市役所の新庁舎建設費用の約100億円を使って、市内の交通インフラ改革をします。交通インフラ改革を行えば市内の移動は自由になりますので、新市役所の場所も駅近くなどに特定する必要がなくなります。つまりは、市内にある廃校になった小中学校の再利用で問題なくなりますので、移転とリノベーション費用のみで済むことになります。
交通インフラ改革においては、既存のバス路線を広げることをメーンにしながらも、駅前からバスターミナル付近を中心にトヨタの次世代EV「e-Palette」の新型モビリティを導入します。
市内の交通インフラ改革は、高齢者の免許返納を促進する意味もあります。

※トヨタの次世代EV「e-Palette」は約8ヶ月後にはオリパラで使用されます。自動運転技術は、中国の深圳などでは既に利用されています。遠い夢物語ではありません。1年後には導入可能な技術です。

(参考イメージ①)新型モビリティ トヨタの次世代EV「e-Palette」

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photo source: https://jidounten-lab.com/u_toyota-e-palette
参考資料:トヨタ、低速自動運転EV「e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)」の詳細公表。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1211673.html



■補足:「なぜ、市庁舎を20年に一度の式年遷宮にするのか?」

A. 防災やBCP(事業継続計画)の観点から、災害時の避難場所となる市庁舎などは、お金をかけて立派なモノにしておくことが一番良いのだという前例踏襲の思い込みがありますが、市庁舎に莫大なコストをかけることは未来へ無駄な負の遺産を残すことになるだけです。

ICTが指数関数的に加速するこれからの未来においては、ITの基本概念となる「自律、分散、協調」という考え方が何事においても重要になります。市町村の行政における「自律、分散、協調」の意味するところは、コンパクトに常に新しいモノに変化できる体制づくりが重要だということです。

具体的に市庁舎のケースに当てはめるならば、この先に確実に訪れる人口減少社会において、その変化に対応できる対応力こそが重要であり、その対応力を生み出すためには、市庁舎もまた時代に合わせて、場所と形を変化できる体制にしておくことが賢明であると私は考えています。


#追記

春日部駅の高架化について、東洋経済オンライン「春日部「駅高架化」で衰退を食い止められるか 最近は近隣の越谷・三郷・八潮に押されがち」という記事を読んで

記事にある再開発のイメージは最悪です。春日部らしさが全くありません!!北千住や草加、越谷と同じです。春日部に住む意味がありません!!世界的にフラット化する社会において求められている長期的に社会的価値を生み出すものは、歴史の上に築き上げた独自性です。
このプランでは、税金のムダ遣いにしかなりません。思考力を感じないだけではなく、感性のカケラもないっ!! こんなプランで再開発をされたら私は春日部を出ます!! 

(独自の付加価値を生み出す具体例とは)
誤:開かずの踏み切り→不便ですね→改善しましょう
正:開かずの踏み切り→良くこんな不便なモノを残したな→22世紀に開かずの踏み切りが未だにあるのか!!⇒ 先人たちは、こんな不便なものを良く日常に共存させたな!どんな方法で共存していてのだろう?先人たちは、賢いな!!

開かずの前ベンチ。開かずの前カフェ。開かずの出会いから結婚、そしてあなたは生まれました…。



中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

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