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【ネタバレあり】ドラマ10「大奥」第2回感想

昨日の第2回。
もう、↑の記事の通り

斉藤由貴さん最高に怖い

これに尽きるのではないかしら。
原作の春日局より狂気的でした。

では、今回も第2回感想、いってみます。(ネタバレありです)

吉宗公が御右筆の村瀬に会いに行き
「記録を見たい」と伝えると
没日録を出してきて「お待ち申し上げておりました」という村瀬。
このやり取りで、最初の女将軍は家光公だったことが
視聴者にわかるようになっています。
そして、没日録をつけるように言ったのは春日局であることも。

時代が戻って、家光公(男子)が赤面疱瘡でご逝去の場面。
春日局、号泣していたかと思えば…
いきなりお匙を刺し殺す!😰
これ、原作ではお匙を殺したのは、たぶん稲葉正勝だと思うので
ドラマの春日局…マジ怖い。と最初から震え上がりました。
母子の縁を切った話の経緯が、省かれているので
原作知らない人は良くわからなかったと思いますが
このドラマではどちらかというと、春日局と正勝の関係は
あまり細かくは描かないのかな…。

場面変わって6年後。
慶光院の院主である有功様がお経をあげています。
赤面疱瘡で亡くなった子のお弔いです。
ここで玉栄と明慧も出てきて、江戸城へ。

将軍様にご挨拶するが、この覆面の将軍様は…?影武者ですね。
春日局からも江戸に留まって、上様にお仕えしてほしい
還俗してほしいと頼み込まれています。
この春日局の訴えの中で

「上様こそこの世で一番救われぬお方でございます」

確かにそうなのよ!!!!!!!!(強調)

でもね、その元凶作ったのは他ならぬ、春日局ご自身なのですがね…。

まあ、その事情は全くわからない有功様は
上様をお慰めするのは力不足です、とお断りします。

で、ここですよ。
ここで春日局の眼が…!
斉藤由貴さんがあの眼した時は、本当に、マジ、ヤバイ。

と思ってたら、いきなり明慧斬られちゃった…
原作との違いは、ここまでいきなりの刃傷沙汰にはならず
春日局から「お仕えして頂きます」と言われた有功様は
「父上に手紙を書いて帝に奏上して頂こう」
と穏やかに解決しようとしています。
その夜、春日局の手配で、吉原から遊女たちが来て
あれこれあって、明慧が斬られてしまいます。
 
ドラマでのこの場面、返り血浴びちゃった有功様も
映像的にショッキングだけど
淡々と言葉で追い詰めていく春日局が
「あなたが殺したんですよ」
これ、本当に怖かったです…。
原作より展開強烈だったわ。
本当は、次は玉栄がやられてしまう!と思って
苦渋の決断をする有功様。

時が流れ、有功様が江戸城にあがる日が来ました。
稲葉正勝がお迎えにあがります。
自分には名前がないから、あの、とでも呼びかけて下さい
と言う正勝に、有功様は質問します。
「大奥は女人が侍る場所ではないのですか?」
後で説明します、と言った正勝の声に聞き覚えがあることに
気づく有功様。

上様とのご対面。なんと、少女の家光公に、驚く有功様。
ここで上様が
「では、今日からお前はお万じゃ」
と言った瞬間に、一緒に見ていた長男が
「この人湯婆婆なの?」
いや違うけどね…😅

親よりの名前を叶うなら使わせてもらいたい、という有功を
扇子で打ち据える上様。
ここは、原作を知っている人なら
なぜここまで「親からもらった名前」という言葉に
上様が反応してしまったのか、わかりますよね。
後々明かされていきます。

原作では顔が腫れあがるほど打ち据えられちゃうのですが
さすがに、そこまでではなかったですね。
稲葉正勝から、先ほどの上様は、家光公(男子)の
唯一のご息女だと説明される有功様。

家光公(男子)が死んだ時の回想。
春日局、稲葉正勝、松平信綱の3人で
今後の筋書きを打ち合わせ。
春日局がなぜここまで、家光公の死を隠そうとするのかというと
「戦乱の世に逆戻りさせたくないから」
原作では、もう少し細かい描写もあって、信綱が
「本当は家光公の血筋を残したいだけなのではないか?」
と思うものの、戦国の世を生き抜いたこの婆には
誰もかなわないのでは…と思う場面があります。

春日局と上様の場面。
上様に何を言われても「承知しました」と受け容れる春日局。
しかし、上様は
「勘違いするなよ春日、お前が何をしようと、子などなさん。
徳川など滅んでしまえばよいのじゃ」
とお怒り。

玉栄はことの顛末を聞いて、有功様を手当てしながら
「それは有功様に種馬になれってことですか!」
と激怒。
でも、子をなせばここを出ていけるのでは?と話していると
村瀬がやってきます。これから案内役も必要でしょうし、と。
玉栄は追い払おうとしますが、有功様は
「わたしの印綬を伊勢に送ることはできるか?」と頼みます。

吉宗公と村瀬の場面に戻り
「大奥は女人が詰める場所だったのであろう?」
「そこは、春日局様がうまくおやりになりまして」
大奥は、上様をお守りする唯一の砦とする、
と言って女性を宿下がりさせたと。
これは原作では違うニュアンスで出てきますが
セリフとしては
「大奥は万一の時の最後の砦であるから
男性を集めておく必要がある」
は共通していますね。

上様のお相手は、他に3人の御中臈がいました。
勝田、和田、角南に挨拶する有功様。
なまぐさ坊主だの、女のごとき優男だの
いろいろ嫌味を言われます。ここは原作とほぼ同じ。
原作では、京ことばが気持ち悪いから、と村瀬に一喝されて
やめている有功様ですが、ここでは京ことばを
3人にからかわれます。
しかし、論語でうまく切り返す有功様。
ここの福士蒼汰さんの透明感、美しかったですね。

玉栄は血気盛んなので
「そんな連中、もっとやったったらよかった」
とプンプン。
その時、有功様の御膳に鼠が入っていたことに気づく…。

玉栄は怒りに任せて文句を言いに行き
例の3人に「話でもしようか」と
逆になぶられてしまう…

春日局は有功様の希望をことごとく打ち砕く。
有功様の父上は、既に買収済み。
「そなたは最初から、売り渡されていたのですよ」
有功様が村瀬に頼んだ経本の間に
帝へ奏上をお願いするお手紙が入っていました。
春日局は、それとわかっていながら見逃して
とどめを刺します。
「そなたが大奥から出られる手立てがひとつだけあります」
それは…
「死して魂となることでございます」
この時の斉藤由貴さん、唇以外動かさずに無表情なのが
冷酷すぎて怖いのです…。

NHKなので直接的な表現なかったけど
玉栄、そうとうひどい目にあっています。

角南からの道場への呼び出し。
ご指南役はなんと、以前、明慧を切った侍。
しかし、元は御仏に仕える身だった有功様。
打ち込むこともできないし、やられるとわかっていても
相手を倒すことはできない、と。
素振りを1000回することに。
最後までやり切る有功様。
優男だけど、結構頑固で骨太な性格なのですよ。

ただ、最後に玉栄に
「何でこんな無茶を!」
と言われた有功様は
「もう、考えたない…」と。

村瀬から道場での次第を聞いて
「倒れた!?」
と心配する上様。
しかし、ツンデレなので
「阿呆ではないのかあの男」
と言い放つ。
春日局は、そのわずかな変化に気づいている様子。

夜の有功様の寝所に、白猫を投げ込み(文字通り投げ込んだ)
「やる」
と。
「なにゆえに?」
「かわいらしいからだ」
といなくなる上様。

「お前、名前、何にしようか?」

ここ、なかなか上手いなと思いました。
次回以降明らかになる
上様の本当のお名前。
親からもらった有功、という名前を使いたい、
と言った有功様。
2人をつなぐ猫の、名前。
原作とは猫をもらうタイミングがずれたのも
名前の重要性と絡んでいるのかなと感じました。
(猫の名前も伏線になるしね)

第1回の吉宗公も、「女名は信じゃ」
これも大事だったので、この逆転大奥において
名前というのは、かなり重要な位置づけです。
と同時に、今、吉宗公と村瀬が話している
「没日録」という記録の名前も
なぜ、没日録なのか?ここも大事。

第2回は、初回のスカッと爽快な時代劇!
からの、悲劇的な家光×有功のストーリーへ。
原作を知らない長男曰く
「わからないから面白い」
と言っているので、原作未読の方も十分に
楽しめる展開になっているようです。
わたし的には、今回の春日局の
「上様こそこの世で一番救われぬお方」
の意味が、次回以降もっと明らかになると思いますが
原作のエピソードをどれくらい使って
ドラマとして整えるのかが楽しみ。

あと、吉宗公と村瀬のやり取りをはさみながら
家光と有功の話が進んでいくので
原作を知らなくても、吉宗公の質問への村瀬の答えが
視聴者の疑問にも答えている構成が見事です。
 
今回心に残ったのは
ドラマの内容とは少し違うのですが
一応、徳川幕府をベースにした創作(逆転大奥)
その時代の背景をきちんと盛り込んでいることです。
よしながふみさんの漫画でも、この設定の鮮やかさに
舌を巻き、素晴らしい!と思っていました。
今回観ていて、第1回の吉宗公の御代から
90年ほど遡ったわけですが
文化の違いがちゃんと打掛などの装束で
表現されていました。

あと、有功様の周辺の人間関係が
かなり丁寧に描かれていたのも良かったです。
原作のエピソードの中で、あ、ここは省くのか、
と思うくらい全く入れないものもありますが
ドラマとしてきちんと成立する形で
あえてカットしているのが感じられます。

個人的には、尺の関係もあると思いますが
男子が減っていく中で、庶民も生活が苦しい。
でも知恵を絞って工夫して、乗り越えていく
その姿もちょっと見られたらいいな、と思います。

第2回も最高でした!
そうそう、NHKプラスの見逃し配信視聴者数が
朝ドラと大河を除いて、NHK歴代トップになったそうですね。

福士蒼汰さんと堀田真由さん、1/21の土曜スタジオパークに
ご出演とのこと。それも楽しみです。

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