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切ない夜

ゆうべ私は子どもと
ある韓国アイドルグループの
ライブ動画を観ていた。


それは映画館でも上映された
ライブ映像で
上映時は夫・子ども・私の3人で
観に行った。

あの時は何もかもが
うまくいっていると思っていた。
仲の良い幸せな家族になれたと
思っていた。


でもそれは子どもと私が
感情を押し殺して作り上げていた
見せかけだけの幸せに過ぎなかった。


自分の心に嘘をつき続ける生活に
心身が疲弊し、
子供と二人して家を出た。


大きなストレスから離れても
壊れた体と心が修復するのには
時間がかかる。


思うように動かない体と心に
もどかしさを感じながら
今は親子二人で、心と体のリハビリ生活を送っている。


ゆうべあの時と同じ映像を
見ながら感じ続けていたこと。


「私は砂の城を必死に守り続けていたんだ」


私は自分が母子家庭で育ったがゆえに
「父親がいて、母親がいて、子どもたちがいる」
絵に描いたような家庭の姿に
強いこだわりを持っていた。


そんなこだわりは
本当に必要だったのだろうか?


もしも違和感を感じた時点で
新しい人生を選択していたら
子どもも私も、心身を壊すことはなかったのかな?


もはや「たられば」の話だし
「結婚とは、自分の感情を押し殺して相手に尽くすものだ」
という強い固定観念に囚われていた私には、ありえなかった選択だ。



大好きなアイドルグループの
パフォーマンスに心躍らせながらも

守り続けた砂の城が
サラサラと崩れる姿が頭をよぎって
少し切ない夜だった。

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