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ラストピリオドのモンスター制作の話

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の23日目の記事です

はじめに

はじめまして!
ラスピリチームでやけにモンスターを描くイラストレーターをやっている者です。よろしくお願いします!


美男美女が多く登場するラストピリオドですが、モンスターもたくさん登場しますよね!
ラスピリではモンスターをどういうことに注意しながら作っているのかお話します!

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ごちゃぁ

スパイラルの作成

というわけで、今回はボスモンスターの作成についてまとめようと思います。ラスピリでは敵モンスターはスパイラルという名がついておりますね。

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デザインの決まりごと

スパイラルのデザインのレギュレーションはあまり多くありませんが、目に必ず渦巻き模様があるということは必須になります。したがって、目と思われる部分が必要になり、目が隠れるのもあまり好ましくないので避けてます。

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強さによって大きさを大きくしたり、デザインを盛ったり調節します。

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あとちょっとふわっとした設定ですが人間に近いデザインはなるべく避け、描くとしても強いスパイラルにしかしないようにしています。
人間に近くてもまともな手と足が揃ってるとモンスター感がなくなるので手と足のどちらかを異形にするなどでバランス取ってます。


カラーリングはできるだけ属性がわかりやすいものにし、彩度は大体は戦闘画面に合わせて鮮やかですが、モンスターの設定や出る場面の雰囲気などで彩度を低くする場合もあります。

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メイキング

つらつら決まりごとを並べてもあんまりピンとこないかと思うので、例として、カヤノヒスイというスパイラルの完成までの工程を振り返ってみます。


1.ライターさんとすり合わせ

始めに、シナリオライターさんから登場する国やどういう設定かを共有していただき、ミーティングでモチーフを決めます。
今回はちょうど見つけた「木でできたかっこいい龍」の写真にインスピレーションを受けドラゴンにしよ〜と思いつきました。

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2.ラフの制作

さあ!制作開始です。筆を動かします。

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とりあえず、びゃっと中華風のドラゴンを描いてみました。この時点でいつも大体シルエットを決めてここからどんどん細部を詰めていくのですが、今回のボスは普通のボスよりも大きくしたかったので画面での見栄えが気になりました。
一旦ゲーム画面っぽい画像に仮置きすることにしました。

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ラスピリの戦闘画面ですが、縦向けなので、ボスも縦に大きいほど迫力が出ます。(四足歩行の動物などはかっこよく見せるのに苦労しますね…。)

加えて、画面上の辺にコンボ表示が出るのでそこに頭が被らないように注意しなければなりません。
今のシルエットでその点はクリアできそうですが、特徴が上に集まりボスの体力ゲージのあたりが寂しく感じますね。

このままではあかん! と思ったと同時に せや!! と新たなアイデアが。
シルエットを描き直します。

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地面から生えとったらええやん!?

このスパイラルはツリー・オブ・ライフという大木型のスパイラルの手下なのだし、その大木の根っこが伸びて龍の姿になり人を襲うという設定にしよう!(早口)と思いつきます。

龍の胸のあたりにも特徴が欲しかったので、ツリー・オブ・ライフの核部分と似たデザインを施して、エネルギーを分け与えられてる風にしときます。
顔もギッと凶暴そうな印象にしました。


個人的には、デザインする上でここまでが一番重要なポイントだと思います。
モンスターに限らずキャラクターは何にでも言えるかもしれませんが、
シルエット、色、顔つきで印象は決まると思ってるのでその3点を早めに決めてしまえばあとはディテールを詰める作業になります。(シンプルでわかりやすいものが好きなのでこれが個人的に苦労します…)

逆に3点を疎かにするといくらディテールを詰めても印象が弱い状態から抜け出せず、線画まで行ったらもう手遅れなんてことになってしまったりしますね。

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ディテール詰めてラフは完成です!
ちなみにボスはモーションをつけてもらうイラストなので、この時点で多少パーツを分けて描いておりまして、変形で動かしたりして関節の可動域を確認したりしていますよ。

次からは清書に入ります!


3.清書

線を引いてー

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塗りつぶししてー

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乗算で影とか覆い焼きで照りとかして完成!

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おわり。余談。

完成しましたね。

発想の引き出しが違うだけで、キャラクターデザインの大事な点は美男美女を描くこととあまり変わらないんじゃないかなって思います。
上のシルエット、色、顔つきの話の続きになりますが…。

シンプルなデザインでも情報量が多いデザインでも一緒で、印象に残りやすい部分をまず作って、そこを邪魔しないようにデザインを詰めて、何か印象が薄いなって思ったらもう一度引き算…足し算…引き算…ってしていきますね。

作業では上の3つの要素をパパッと決めてその後の調整に一番時間かけてます。

最後に、これはラストピリオドのモンスターの考え方なので他の作品には当てはまらないこともあります。
顔のないモンスターや、色のないモンスターを作ってますってとこもありますよね。
作品によって敵モンスターのキャラクター性や存在感が邪魔になることもありますので、ラスピリだけの話です。

以上になります!ここまで読んでくださりありがとうございました!

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