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ラストピリオド2022年の振り返り

はじめに

Happy Elements株式会社 カカリアスタジオ ラストピリオド開発チーム ゲームエンジニアのI.T.です。
昨年はこちらの記事を書かせていただきました。
『ラストピリオド』のレガリア所持枠いっぱい問題をどうにかした話

今回は、年末にサービスの終了を行うこととなりました『ラストピリオド』の今年1年(+昨年12月分)の振り返りをエンジニア視点で記事にさせていただきます。

※『ラストピリオド』のシステムおよびコンテンツをある程度把握されている方向けの内容となってしまいますが、ある程度意訳は行ってまいります。

簡単な自己紹介

カカリアスタジオには2018年に入社し、今現在まで『ラストピリオド』のみの参画でした。私が本格的に開発・運営に携わったのは、だいたい3周年に関連するものや当時新規コンテンツだったギルドレイドの開発内容が決まったあたりかなと思います。
主な業務はサーバー・クライアントどちらも触って機能開発をすることが多く、後半からは開発チーム管理も行っておりました。それ以外ですとお問い合わせを戴いた際に対応したり、たまにゲーム内お知らせを書いたりしています。

前職もゲーム会社で働いており、主にUnityを用いた受託開発を行っておりました。その時の言語はC#(Unity)とphpが主となります。
当時は大阪在住で自社開発を行いたかったというところがあったので、大阪・兵庫・京都あたりで転職先を探した中でカカリアスタジオを選択しました。
(現在は引っ越し支援制度を用いて京都から通う生活を送っております)

2021年12月

レガリア自動進化リリース

ラストピリオドのレガリア(装備アイテム)に関連するいくつかのアップデートを行いました。

  • レガリア自動進化機能を追加

  • 人工レガリアの追加

  • 絞り込みのタイプ拡張

※レガリア:ラストピリオドにおけるユニット(キャラクター)の装備アイテムのようなもの

レガリアの進化素材には、アイテム以外にベースとなるレガリアと同一のレガリア、ベースとレアリティをもとに決まるその他のレガリアが必要となってしまっており、さらにレアリティまで合わせる必要があるため進化を重ねるのが非常に面倒だったものが一気に改善されました。
白のゼンマイ系統だけ所持数の組み合わせによっては必要経験値に対して過剰な割り当てを行なってしまうこともありましたが、そちらはご容赦ください…
(これだけでアドベントカレンダー記事1本書けるのではと一瞬過ぎりましたが、旬が過ぎているのとどちらかといえば数学寄りのお話となりますのでやめました)

また、レアリティさえあっていればどの素材としても使えるワイルドカード的なアイテムとして人工レガリアを追加したり、絞り込みが1レガリアに対して1種類しか設定できず、効果の絞り込みタイプが「その他強化」ばかりになっていた問題の解決として、複数の絞り込み条件先を登録できるようにしました。

レガリアブースター追加

先月の自動進化機能によって育成の手間が大幅に改善されたこともあり、ユニットの強化軸の追加と増えすぎたレガリアの種類に対して装備枠に変化がないという点より、星5のユニットにのみ専用枠を追加することとなりました。
追加枠に装備したレガリアのランク、覚醒数に応じてパラメータのボーナスが追加されるようになっておりますが、全体的にちょっと説明が足りていない感があったのは申し訳ないなと思っております。

メインストーリー第2部9章公開

ヘルレルム編が終了しました。不気味な背景で戦うボス戦は、決戦ユニットの掛け合いと合わせて個人的には結構お気に入りでした。

※決戦ユニット:クエストの助っ人にNPCが設定されていることがあり、決戦ユニットは第2部から追加された特殊なNPC。
決戦ユニット編成時はボイスが本来のものではなく専用のものに変化しますが、クエストによってはストーリーに沿った隠し性能が入っていることがあります。

この時にリリースされたユニット「ゼルプスト」では、専用の状態異常として「恐怖」が追加され、付与された相手が受けるダメージが強制的に有利相性となる効果が付与されました。
恐怖を付与してしまえば誰が攻撃してもその敵には有利相性となるため、属性混合パーティでは一際目立ったユニットだったのかなと思います。(ギルドレイドの使用率ランキングでもよく見かけております)


2022年2月

イレギュラーユニット「星衛のライカ」

イレギュラーユニットの追加時の方針として、ほぼ毎回なんらかの新規要素を同時に追加することとなっておりまして、今回は「バトル開始時にカウンターを付与する」要素を追加させていただきました。
このユニットはスキルによる初動が強いキャラなので、ワンパンできる相手にはめっぽう強いです。私もギルドバトルでは常用しております…!
※イレギュラーユニット:1パーティに1体しか編成することができず、助っ人にも設定できない強力なユニット。(マルチの場合のみ参加メンバーそれぞれが1体ずつ出撃できる)
※カウンター:バトル内における変数のようなもの

アカウント削除機能

App Store Reviewガイドラインに「アカウント作成に対応しているすべてのAppを対象に、App内でアカウントを削除できるようにしなければならない」という要件が追加されることとなりまして、当アプリにも対応を入れる必要がありました。
今年は多くのスマートフォンアプリで当要件に関連する機能が増えたことと思います。
(元々の要件適用日は1/31の予定でしたのでこの時期でリリースを進めておりましたが、適用日は最終的に6/30に変更になりました)
後日、アカウント削除機能の操作に関連する指摘を受けまして、テキスト入力の操作を行なわないとデータ削除が行えない形に変更させていただきました。

2022年3月

「あんさんぶるスターズ!!」とのコラボ

今回は「Knights」のユニットがリリースされました。
過去開催分のコラボユニットの復刻も行われていたり、あんスタユニット専用の潜在効果付きレガリアも追加されました。

なお、ここでは特別な開発対応は行っておりませんが、あんスタレガリアの潜在効果の再抽選に必要な素材をイベント期間内だけイベントクエストで容易に入手できる「あんスタメダル」を用いて行えるように対応しました。

※潜在効果:特定のレガリアに、決まった範囲でつけられるランダム効果

メインストーリー第2部10章公開

スカイレルム前編です。
ここで登場した「熾天ペネトレイト」はリリース時には今後のネタバレ要素が含まれるため、11章公開まで説明文を伏せる試みを行いました。

アート探検隊

以前よりアートのためのコンテンツを用意したいというお話がデザイナーから挙がっておりまして、最終的に探索して一定時間で素材が得られる放置系コンテンツとして形になりました。演出関連も力をいれてもらっております。

最低限の強化さえしておけば勝手に素材が集まるのはありがたいのですが、派遣先が1箇所しか選べないというのもあり、レガリアが取れる「さいくつ」一強になってしまっていたのが心残りでございます。
「期間限定で報酬量を増やしたい」「探索先を増やしたい」という案は一時期上がっておりましたが、今後の対応予定の都合によりお蔵入りとなってしまいました…。

※アート:特定のユニークスパイラル(モンスター)を倒すと、変化する生き物。パーティに編成してユニットとしても使える

2022年4月

レベルⅥ浄滅戦「vsゼルプスト」

「本編でボスが2体(形態)いるのでできれば両方使いたい!」という企画案がありまして、サプライズとしてルナティックのみ本気モードに変身するような見せ方を行うようにしました。
バトルでは「狂気度」という専用の要素を管理しつつダメージを与えていったり、変身を行う直前の状態によって変身後の行動が固定されるなど、結構考えて戦っていくバトルになったのかなと思います。

※レベルⅥ浄滅戦:ストーリーで登場する、各国ごとに1体存在する強いボスと戦う高難度コンテンツ

2022年5月

ラストピリオド6周年&イレギュラーユニット「微睡のちょこ」

特に周年イベントに向けた開発は行なっておりませんでしたが、6周年ユニットとしてはちょこがイレギュラー化しました。
イレギュラーユニットだから許される(?)性能である、常時相性有利扱いで攻撃ができるユニットでした。

パーティの属性種類数に応じて強化される性能も含めて、ゼルプストと合わせて混合属性パーティに出張しやすいユニットではあるものの、逆に言えば尖っていないため属性特化パーティには入れにくいという立ち位置が分かりやすいユニットだったのかなと思います。
(ギルドレイドだと、ゼルプスト+その他単体で強い属性ユニットとセットで組まれていることが多いようでした)

2022年6月

イレギュラーユニット「瑞兆のルゥシャウ」

イレギュラーユニット、レガリアどちらもクイック周りに追加要素が入ることになりました。

※クイック:通常攻撃またはスキル使用時、一定確率で次の行動が早くなる効果。
今回は「味方のクイックの発動を受けて自身を強化」のアビリティと、クイック効果を発動できるレガリアの追加がありました。

レベルⅥ浄滅戦「vsツリー・オブ・ライフ」

攻撃したユニットの属性に応じて与えてくるデバフや耐性が変化するギミックが入りました。
(この辺りから、私物のパーティでのルナティック攻略がしんどくなってきておりました…)

諸事情でメインストーリー側の登場順から飛ばされてしまっていたおかあさんですが、5月のイベントや瑞兆のルゥシャウ登場イベントで設定が深掘りされたこともあってタイミングとしてはちょうど良かったのかな?と思います。

メインストーリー第2部11章公開

スカイレルム後編のお話です。
今回で全てのレルムのレベルⅥを倒したので、ストーリーの終わりが少しずつ見えてまいりました。

また、この時にアーカイブの読みやすさ向上のためにストーリー一気読み機能を追加いたしました。
ストーリー解放キーが使えるものがあれば一括解放も可能ですので、過去のストーリーの読み返しが楽になったことと思います。(今はもう全解放キャンペーンがあるので鍵の使い道はありませんが…)

2022年7月

今月行ったものに関しては確かに便利な機能ではあるのですが、本来もっと早く入れておくべきだったな…と思っております。

レガリア固定機能

助っ人・ギルドレイドサポートに設定したユニットのレガリア装備設定を別枠に設定して固定できる対応を行いました。
おおよその機能面は4月の末には出来上がってはいたのですが、思っていたよりも影響範囲が大きく事前のQAでデータ操作系の不具合が大量に発生していたため、この時期まで見送りとさせていただいておりました。

「助っ人設定時、そのユニットに装備していたレガリアは自動で固定させる」かつ「最近ログインしていない助っ人の装備は触らない」という考慮に大変苦戦していた思い出があります。
なお、ギルドレイドにおいてはおよそ2ヶ月おきに開催ということもあり、リリースと合わせて装備の更新を意識的に行なっていただこうと判断したため、助っ人とは異なり全ての設定をリセットさせていただきました。

トレーニングクエスト

「ギルドレイドがやっていない時にダメージを計測するコンテンツがない!」とのお声はユーザー様だけでなく運営内からも多くありました。(運営内に関してはユニットの性能を決めるプランナーからの要望が特に強かったです)
サンドバッグ役であるトレニの性能を調整できるようにするかシンプルに行くかは最後まで悩んでましたが、最終的には属性が選べる以外はほぼ固定という結果に収まりました。

2022年8月

アリーナにWaitの回数制限を設ける

スピードをある値まで上げたユニットがWaitを行うと行動順がほぼ変わらなくなるという計算式上の仕様がありまして、特にアリーナのPvPにおいては「1期間で挑戦回数が決まっている」「100ターンで決着がつかなければ引き分け」という仕様がある中で「相手に100ターン全てをWaitされてしまい為す術もなく引き分けにされる」という事象を以前より確認しておりました。
対応が遅くなってしまい申し訳ございません。

「スピードまたはWaitに関連する補正をアリーナ専用で行う」か、「Wait回数そのものに制限を入れる」かのどちらかを行うというところまで挙がっておりましたが、今後の事情とパラメータ調整に対する二次リスクを考慮して後者を採用する形となりました。

ただ、Waitを戦術としているユニットが数体いることも事実ですので、それらのユニットの体感に極力影響を出さず、かつ「Waitの制限を使い切られても残りのターンで逆転が可能な回数」として20回の設定をさせていただいております。

機能改善をいくつか

メインストーリーが公開された頃にほぼ毎回実施されているユーザーアンケートから、特に要望が強かったものの対応をこの時期に行いました。

  • 着せ替え画面での着せ替えアイテム選択が手間かつ表示量が少ないため、2列→3列になるようUIをリニューアルしたり、装備不可を後に動かす対応を行いました

  • パーティ編成でユニットをまとめて編成時に複数体外すのが手間だったので、パーティに編成済みだったユニットをリストの一番上に持ってくるようにしました

  • レガリアの売却などを行なった時にスクロールのリセットをしないようにしました

  • 控え室の移動が一度に10体から30体まで引き上げました

  • ホプまんの逆引きが欲しい、使う画面に行かないと逆引きできなかったので、持ち物一覧から逆引きできるようにしました

2022年9月

レベルⅥ浄滅戦「vsデミウルゴス」

Wave1は「デミウルゴス憑依状態」のモンスターのみダメージが通るため、攻撃対象を意識して戦う浄滅戦でした。
ただ逆に言えば憑依状態になっていないモンスターはダメージが通らない仕様でして、オートバトルで0ダメージの敵を延々と攻撃し続ける問題を考慮できておらず、「0ダメージが確定しているモンスターを自動ターゲットにしない」仕様は入れるべきだったなとリリースしてからの反省になります。

ラストレガリアを一度に複数使用可能に

入手数が限られているためこの手の対応は奥手だったのですが、サービス終了が近くなってきてラストレガリアの供給量の緩和施策を行う目処が立ったので、このタイミングで対応を行いました。
ゴッドゼンマイの経験値端数はもったいないですもんね…

※ラストレガリア:ユニットのレベル上限解放アイテム。最大レベルに上げるためには複数個必要になる
※ゴッドゼンマイ:ユニットのレベル上限解放以降にレベルを上げるのに必要なアイテム

サービス終了告知

ご存じの通り、9/21にサービスの終了告知が行われました。
メインストーリーの進行具合や、いわゆるレルムごとのイレギュラーユニット・レルムイオナ・黄金の太陽のようなユニットグループや浄滅戦ボスが一気に揃ってきたり、9月後半の施策量が少なくなったことから察された方も少なからずにいるかもしれません。

この日はTwitterのトレンドにも上がったようでして、大勢の方々に反応いただきありがたい限りです。

2022年10月

トレジャーハントシーズン5

「黄金の太陽」のメンバーはシーズン4までで全員登場したので、今回はメンバーの掘り下げを行いました。
これまでトレジャーハントのストーリーはオープニングにのみありましたが、それだけでは文章量的に表現しきれないため別途ストーリーを追加することとなりました。
オート周回機能がある以上探索中にストーリーを出す訳にもいかないので、「帰還」をトリガーとしたその回数でストーリーを再生するようにしております。(即帰還すると次が見れちゃうのは仕様となります)

また、ストーリーアーカイブ機能で過去のシーズンのストーリーを見られるようにも対応しております。

第18回ギルドレイド

サービス終了告知後の、最初で最後のギルドレイドとなります。
やはりサービス終了告知が行われた後ですので参加人数は大きく減ってしまっておりましたが、高スコアを叩き出すユニットの編成には毎度驚かされております。

2022年11月

「メルクストーリア」との復刻コラボイベント

開催が10月末なのですが、開催期間としては11月なのでこちらに記載します。

ルナストーンの新規獲得量が限られている状況もありルナストーンを必要とするコールを追加できない都合がありましたので、イベント内で獲得できる専用コールチケットを使ってコールができるようにする対応を行いました。

ラストピリオド側の変更点は上記以外だとコラボミッションが1種だけになったくらいでしたが、一部のAndroid端末においてコラボミッションが達成できなかった不具合が発生してしまいました。
この件につきましては、昨年GooglePlay側で適用されたAndroid 11向けの要件のうち、「 <queries> による外部パッケージのアクセス権限設定」が漏れていたためにメルストのアプリを参照する権限が与えられておらず、Android 11以降のOSで達成ができない状態となっておりました。
申し訳ございません…。

メインストーリー第2部12章(終章前編)公開

ラスボスである「原初のスパイラル」が本格的に動き出し、少しずつ終わりに向かい始めております。
エンジニアの取り組みとしては前編では控えめでして、後編に向けて対応を進めておりました。(いつもと違う感じのバトルがちょっとだけ混ざってます)

2022年12月

本記事の執筆時期や情報公開可否の都合により、薄めの内容となってしまうことをご了承ください。

メインストーリー第2部13章(終章後編)公開

ついにラストピリオドのストーリーが完結します。

ストーリーはもちろんですが、バトルの内容やクエストマップなどにも手を入れておりますので、サービスが終了する前にぜひご自身の目でご確認ください…!

メモリアルアプリの公開(予定)

当記事の公開時点ではまだリリースされておりませんが、これまでの告知にもあった通りメモリアルアプリの公開を予定しております。
既存アプリの上書きではなく新規アプリとしてのリリースになり、かつリソースのダウンロード以外で極力通信を行わない想定で進めているため、現行アプリの状況に関わらず内包される全てのコンテンツを触っていただくことが可能になります。

ここではあまり書けませんので、詳しくは公式からのお知らせをお待ちください!

最後に

サービス終了予定については実は早い段階から確定しており、今年は予め決まっていたやることに対して真っ直ぐ進めていた1年でした。
機能方面ではレガリア関連、コンテンツ方面ではアート探検隊が特に大きな影響を与えることができたのかなと思います。

以上で今年の振り返りを締めさせていただきます。
サービス終了まであと数えるほどの日数しかありませんが、ぜひギリギリまで楽しんでいただけますと…!


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