喫茶店文化と私の今

「喫茶店には文化が根付く。文化の生まれる場所に立って働いていたい」

就活していた時、私が面接で話していた文言だ。
いくつかも会社を受けては落ち、社会と自分のズレにも葛藤し、最後の方は馴染みのある飲食業ばかりエントリーしていた。一社も受からないまま鬱になって就活を終えた。私の精神科通いがそこから始まっていることは、また別の機会に書こうと思う。

さて喫茶店文化とは。私は学生の頃とある喫茶店に通い詰め、そこで大学のレポート作成などしていた。常連になりスタッフやマスターとご飯に行ったり、バッティングセンターで遊んだことはいい思い出である。
そこはかなり不思議な喫茶店で、働いてるスタッフがみんな何かしらの芸術的魅力を持っていた。例えばモデルであったり、漫画家、イラストレーター、バンドなど。
ある日いつものように席について過ごしていると、絶交を言い渡された友達と偶然再会した。それ以来彼女とは再び仲良くすることができている。喫茶店には、何か引き寄せる磁場のようなものが存在するのだと思う。

喫茶店が好きで通うだけでなく、自分自身もしばらく神保町の老舗で働いていた。来るお客さんは様々で、近年のレトロブームに乗った若い女性たち、また昔からの常連客の老人など。特に常連客の相手をするのは楽しかった。この古い建物と一緒に時を刻んできたお客さんと過ごすことそのものが、私にとっては文化活動だった。
たまに店内で流していた小沢健二とジュディマリ、そして松本隆セレクションのCDもかなり良かった。

喫茶店もBARも好きだったが、その頃はあまりにもBARを知らなすぎた。喫茶店以上にBARは多様に分類することができるだろう。その中で私は、どんなBARに身を置いているのか。俯瞰して考えたいと思う。

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