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昭和アイスクリーム戦争ver.2


お元気ですか?
さて、どうかお元気であることを願います
アイスクリームを舐めている
君は戦争に行く
いつだったか
湧き上がるとき
肩を叩いてくれたのが嬉しくて
ああ君の印象に残れたのだと
ミジンコみたいなニンジンみたいなアリさんみたいなただの流動体、すなわち、私自身は喜んだのだ
戦争に行ったら、どうかご達者で
この大きな川のことも忘れないで
あと、例の珈琲屋のことも
アイスクリームを食べるとき
毎度君を思い出すことにします
舌を撫ぜるミルクの冷たさが
君は好きなんだと
このヌルリとした感触が
君を包み込んで
私の舌もいつしか
ヌルリと君を包み込んで
昼から夜になる前に
君は立ち上がって敬礼して
旅立って行く
死んでいても生きていても
また会う日まで、ごきげんよう

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