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透明地獄 -天国編-


天国か地獄かわからないほどの
生と死も曖昧であって
花を買えばよかった
見せてあげればよかった
死ぬ間際の私の時間に
君が存在しているなんて
思いもしなかった
別にそんなに好きでもないのに
時間という地獄の中で
生き抗う花が見たかった
枯れて生臭くなる前に
ぽきりと折って棄ててやりたかった
君という要素がだんだん曖昧になっていく
解体してモジャモジャして
モジャモジャしたものが
君に見えてくる
花みたいな髪の毛と
髪の毛みたいな江ノ島と
江ノ島みたいな心のチップ
君の心に
いつでも海に行きたくなる魔法をかける
あの喫茶店でセーラー服を着て
夢みたいな女の子になって待っている

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