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息子の「将来なりたい職業」に驚きヒヤッとした話

ある朝のこと、夫と私は4歳の娘を保育園に送るべく、車に向かってと歩いていた。

すると、お向かいに住んでいる顔なじみのおばちゃんに声をかけられた。

「おたくの息子さんは、とてもしっかりしてるわね〜!!」

つい先日、小学2年生の息子が学校から帰ってきたとき、主夫である夫が家にいなかった。

家に入れなかった息子は、このお向かいに住んでいるおばちゃんの家に1時間ほどお世話になったそうな。

その時、息子は「将来の夢」を語ったというのだ。

家で息子が将来の夢など語ったことなどないので、私達は驚いた。

さらに、おばちゃんはとても感心した様子で、私と夫に話しを続ける。

「息子さんの将来なりたい職業がすごいわね!まさか『スパイ』だなんて!!」

息子の将来なりたい職業が、スパイ!?

まさかである。私も夫も初耳だ。

興奮気味におばちゃんはこう続ける。

「どうしてそんな危険な仕事をしたいのか聞いたらね、『命がけの仕事をしたいんだ』って言ったのよ!凄いわ〜!!」

命をかけた仕事って・・・、アニメ『鬼滅の刃』を見た日には一人でトイレに行けなくなる怖がりな息子がなぜ??

私と夫は、ハッと気がついた。

息子がこんなことを言い出したのは、あの漫画が理由だろうと。

そう・・・SPY✖️FAMILY(スパイファミリー)

SPY×FAMILY スパイファミリー1巻©遠藤達哉/集英社 より引用

スパイファミリーとは、少年ジャンプ+で連載中の超絶人気漫画。

こちらの表紙を飾っているイケメンのお兄さんの名前はロイド。
ロイドは平和を守るために日々戦う敏腕スパイで、任務のために偽装家族を作っている。そして、次々に降りかかる難事件を華麗に解決するというお話なのだ。

私も夫もこの漫画の大ファンであるため、アマゾンプライムでアニメ版を堪能するだけでなく、原作も全巻揃っている状態。

当然のことながら、息子も毎日貪るように原作を読み、繰り返しアニメを見ている。

さらに息子がスパイに憧れる理由が、もう1つ思い当たる。

我が夫は、あまりにも有名すぎるスパイ映画「007」の大ファン。

家にはDVDもあり、休みとなると字幕映画を小さい頃から息子に見せて解説を繰り返していたのだ。

そんな環境で育った息子は、車の中で「007のテーマ」を鼻歌で歌う。

気分はジェームス・ボンド。乗ってる車はボンドの愛車アストンマーチン。

歴代ボンドの中でも、夫と息子のお気に入りはダニエル・クレイグ。7歳の趣味にしては、渋すぎる。

そこで私は思ったのだ。

全ては親の育て方だ

息子が近所のおばちゃんに「スパイになりたい」と言ったのは、私と夫が彼に与えた環境に100%よるものだ。

それほどまで親である私達の影響は、息子にとって強烈な刷り込みになりうる。

この事実に、私をハッとし、同時にヒヤッともした。

大人である私や夫が好きなことをすることはいいことだが、息子にどう影響するかも考えないと思いがけない結果を生むこともあるだろう。

笑顔で近所のおばちゃんに挨拶をし、心の中で私は思った。

子は親の鏡とはよく言ったもんだ。

息子や娘が何か変なことをしたら、間違いなく私や夫の影響を受けてのこと。子供を叱る前に、自分の行動をよくよく振り返る必要があるようだ。

息子は1年生のころ、授業中に先生のところまで歩いて行って「1分間だけでいいので、外の空気を吸わせてください」と頻繁に交渉していた。

優しい担任の先生は、「1分間だけですよ」と許してくれた。

しかし息子は時間を忘れて、そのまま外に出て教室に帰ってこなかった。

2年生になって、息子のこのような報告は担任の先生から受けなくなった。しかし、今でも学校でじっと座って勉強するのが苦手らしい。

夫はそんな息子の様子を「考えられない!」と言う。

一方、私は息子の気持ちがなんとなくわかってしまうのだ。

学校の授業が退屈で、1日が恐ろしく長く感じているのだろう。
やりたいことをやらせてもらえない不自由さを感じながら、座っていることは実に堪え難い。

息子が私の鏡というなら、私は何をすべきなのか??

答えはただ一つ。

自分の好きなことをして、ご機嫌な毎日を過ごす。

これ以外に、私にできる教育方針など存在しないと悟った。

その日、意外にも息子がスパイになりたいと言ったことから、自分の親としてのあり方を真面目に考えさせられた1日だった。



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