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2014年 日本縦断キャンプツーリング 39日目

2014年5月31日(富山~新潟)

出発

熟睡してしまっていて7時頃に目が覚めた。5時頃には起きたという群馬のライダーは荷物を積み終わって出発するところでした。彼を見送った後に出発の準備をはじめ、8時半になってようやく出発。

昨日、東北と北海道の地図を買ったおかげで、テントの中で地図を見ていたら北上したくなった。ようやくというか、なんというか、やはり地図って素敵な存在だ。見ているだけでワクワクする。有峰林道は北海道へ行った帰りのご褒美としてとっておくことにしました。

五箇山

世界文化遺産の相倉合掌造りをのんびりと走っていきます。古き良きという言葉がぴったりな集落。心が癒されます。合掌造りを見ながら走っていると、着物姿で記念撮影をしている一行に会いました。おばあさんがてくてく歩いてくきたので、何事だろうかと聞いてみると、この集落から花嫁さんが嫁いで行くとのことです。世界遺産の村から嫁ぐなんて、少し不思議な感じはしますが、世界遺産の集落で普通に生活をしている人もいるので、当然のことなのかもしれない。めでたい日に居合わさせていただいた。

もう一つの世界文化遺産、菅沼合掌造り集落にも行ってきました。駐車場にバイクを止めて、絶景ポイントという看板を見つけて歩いて行くと、道路沿いから集落全体が見渡せる絶景ポイントに到着した。合掌造りが立ち並ぶ姿を見ると、なぜか癒される。受け継がれたものを大切にし、平穏だからこそ残った集落。いろいろと考えさせられてしまった。道路脇には「脇見運転注意」と書かれた大きい看板があった。この景色を目の当たりにしたら、いくら看板があったとしてもよそ見をしてしまう気がする。

その後、相倉へ戻り二車線の快走林道を使って山の神峠を超え、県道34号へ向かっているとトラッカー乗りのライダーに追い抜かれた。後ろから見ると楽しそうに走っているのがよくわかる。県道34号に入ってすぐのところでさっきのライダーが休憩していたので、声をかけてみると金沢の方で、25年ぶりにバイクを買ったというリターンライダーのようです。

話をしていると、阿蘇に行きたいが、日帰りツーリングしか妻の許可が下りないとのこと。阿蘇は別世界へ来たような気分が味わえる道なのですが、金沢から阿蘇へ日帰りなど到底無理。どうにか許可が下りてほしいけれど、こればっかりは他人がとやかく言えるものでもない。買うのを許してもらえただけでも、ありがたいことなのかもしれない。立石を走ってくると彼は言い、楽しそうに走り出していった。

相倉合掌造り集落
相倉合掌造り集落
相倉合掌造り集落
合掌茶屋 相倉屋
村上家住宅
菅沼合掌造り集落

林道

県道229号へ抜ける林道へ入ろうとするが、入口が見つからない。しばらく探していると林道らしき入口を見つけたので入ってみた。2kmほど走ったあたりで工事の方に会い、手で×印をしている。話を聞くと開通すらしていない林道とのことでした。県道229号への抜ける道順を教わり、来た道を引き返します。教えてもらった通りに進み、林道を走り県道229号へ合流して国道へ入り、菅沼ダムを通り過ぎて北上していきました。

菅沼ダム

新川スーパー農道

北上した先には市街地が待っている。暑いだろうな。そう思って走っていると、前を走る数台の車が全車とも農免道路へ入って行くので、つられて入ってしまった。方向はあっているようだったのでそのまま車の後ろをついて行くことにしました。

数日前にコンビニで会った方に教わったのですが、富山の平野部は山の位置で進んでいる方向が分かる。右手に山が見えていれば新潟へ。左手に見えていたら石川へ走っていることになる。ということで、右手に山を見ながら車の後ろをついていくことにしました。

車の後をついていっただけなので、どこをどう走ったかまったく分からないのですが、地図で確認すると市街地を通り越して、新川スーパー農道に入って魚津市まで辿り着いていた。給油するために国道8号沿いにあるガソリンスタンドへ向かいました。

鹿児島ナンバーを見て声をかけて来た店主に「国道8号は交通量が多いので走りたくない」と言うと、新川スーパー農道は魚津市で終わりではなく続きがあるとのことです。入り方を教えてもらい北上していきます。

道の周りには木や畑ばかりで比較的涼しい。気持ちよく走って朝日町まで辿り着き、そこから国道8号に入ると交通量が極端に少なく、日本海を眺めながらの楽しい海岸線になります。新川スーパー農道のおかげで市街地をほとんど回避して、富山から新潟に入りました。

新潟

新潟に入ると親不知という断崖がある。ちょっと耳が痛いなと思いながらもバイクを止めて断崖を眺めた。母子家庭で育ったので、父親知らずなのですが、母親が苦労して育てた息子が、気まぐれで好き勝手な旅をしている。これを母親はなんと思っているのか…。そんなことを考えてしまった。きっと断崖の裾に広がる日本海のように、穏やかな気持ちで応援してくれているに違いないと思うことにしました。

橋立ヒスイ峡にも立ち寄り、川辺でヒスイの原石でもあれば、母親にお土産として持って帰ろうと思いましたが、そもそもヒスイというのがどんな石なのかもしらない、石知らず。「ヒスイを探そうとした」という事実をお土産代わりにして、海谷三峡パークキャンプ場へ向かいました。

親不知記念広場
橋立ヒスイ峡
青海川
青海川

海谷三峡パークキャンプ場

海谷三峡パークに到着すると、明日から山開きでイベントもあるみたい。キャンプ申請をしていると、イベントでテントサイトも使うので8時には撤収してほしいとのことでした。同年代ぐらいの三人組と登山キャンパーに挨拶をしてテントを張りました。

登山キャンパーの方が鹿児島ナンバーを見て声をかけてきた。二百名山に上った事があるらしく、北海道も登山したとのことです。北海道と言えば、やはりヒグマは気になるところ、質問をすると親切に教えてくれました。結論からすると、ヒグマが住んでいる山を、登山する人がいるぐらいなんだから、そこまで心配する必要はないとのことです。たしかにヒグマのいる山を登るのに比べたら、道を走るくらいどうってことないのかもしれない。

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