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帰省を予定しているみなさんへ

『実家へは4年ぶりに帰ります』
『今回は少し長めに帰ろうと思います』

今朝のニュース番組で、冬休みのご予定は?とインタビューを受ける方々の様子が紹介されていました。

2020年の春に始まった新型コロナウイルスの大流行。

当初、感染すると重篤な肺炎になり最悪の場合、死に至ることもあるという恐怖から、人々は人との接触、交流をやめ、世界は固く閉ざされました。

とくに感染リスクの高い高齢の両親には会わないほうがいいだろう、と帰省を見送ってきた人も多いでしょう。
あちらから『来ないでくれ』と言われたパターンもあったかと思います。

2023年今もなおコロナは存在しているものの、インフルエンザと同じ第5類に分類されたことで、【ただの風邪の一種】となりました。

先のニュース番組でも言っていましたが、今年の冬休みは国内旅行、海外旅行ともに増えると予想されています。
もしかするとあなたも実家へ帰省を計画していらっしゃるんじゃありませんか?

それならば、この機会にご両親の様子をいつもと違う視点で見てきていただくことを提案いたします。

なぜなら親が高齢になると、ふだん一緒に暮らしているパートナーも相手の変化に気づきにくくなっているので、子どもの新しい目で見る機会は非常に重要なのです。

少しでも『おかしい』と感じたら、『気のせいかな』と打ち消さず、注意深くチェックしてください。それが早期発見、早期治療になるからです。
『ただの疲れだろう』と否定したい気持ちもわかります。
ですが、そのとき感じた違和感を見て見ぬふりして後悔している人はたくさんいます。
ぜひしっかり見てきてくださいね。

下記にチェックポイントをまとめましたのでご参照いただければと思います。

帰省時、親の様子チェックポイント

①親の表情
表情が乏しくなっていないか?
→無表情は感情の起伏がなくなっている可能性があります。
脳との関係も疑われますので注意が必要です。

②親の姿勢
猫背で背中が丸くなっていないか?
ふらついていないか?
→背中が丸くなると、膝が曲がりつま先が上がらなくなるのでつまづきやすくなります。
つまづいて転倒骨折でもすれば即入院です。

③親の発言
言葉数が少ない、または同じことをくりかえすなどないか?
→直前のことを忘れるのが認知症です。

④怒りっぽくなっていないか
→脳に障害があると、怒りっぽくなったり急に泣いたり、情緒が不安定になります。

⑤家の中
片付いているか、掃除がされているか?
→認知症になると『きれいにしよう』という意欲が無くなります。

⑥冷蔵庫の中、台所
同じ食品を何個も買ってないか?
冷蔵庫の中に、食品がぎゅうぎゅうに入っていないか?
賞味期限切れのものや、腐ったものが入っていないか?
料理をしている形跡はあるか?
→認知症は買ったことを忘れてしまったり、食品の管理ができなくなります。料理もしなくなります。

⑦郵便物
封を切っていない郵便物がたまっていないか?
とくに督促状など放置されていないか見ましょう。
→認知症になるとそういうものに興味が無くなります。

⑧お風呂、洗面所
お風呂に入っているか、歯を磨いているか?
→認知症はからだを清潔に保つのもめんどくさくなる傾向にあります。

⑨異臭
台所、お風呂、トイレ、家全体の清潔感はあるか?
ゴミ出し(分別)はできているか?
→認知症はそういった生活のサイクルが出来なくなります。分別もできなくなります。

⑩耳
聴覚の衰えはどれくらいか?
左右差はあるか?
→聞き取れないことが多くなるとストレスに感じます。
聞こえたフリをし続けていると人間関係が億劫になり、人とコミニュケーションをとらなくなっていきます。

⑪通院している病院
何の病気、どんな症状で通院しているのか?
薬は何を飲んでいるのか?
何に効果のある薬か分かって飲んでいるか?
→必要のないものも飲んでいる可能性があります
もし病院で困っていることがあれば、セカンドオピニオンという選択肢もあります。

⑫不要な物、粗大ゴミ、処分したい物
本当は捨てたいと思いながら、行政への申請などが複雑でできてないものがあるかもしれません。
→家に不要な物が溢れていると気も滞ります。もし溜まっているゴミなどあれば手伝ってあげましょう。

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いかがでしょうか。
参考にしていただければ幸いです。

私たち若者はパソコンやスマホに慣れていますが、高齢者はそうではありません。
zoomミーティング、LINE通話、Amazonで買い物、ウーバーイーツで出前、メルカリに出品、病院のオンライン予約、電子マネー、セルフレジ…なんのこっちゃです。

私たち若者の当たり前は、高齢者には当たり前ではありません。
全く不便な世の中になったんじゃないかと思います。

時代にどんどん置いていかれる感じがどのような疎外感なのか、そこに共感の気持ちをもって考えてみてください。

我々の親世代は、戦後のベビーブームに生まれてきた人たちです。団塊世代とも呼ばれ、大勢のライバルの中必死で生き抜いてきた世代。

戦後ボロボロだった日本を立て直し、今のこの豊かな国を作ってきたのは紛れもなくこの世代なのです。
改めて考えると尊敬と感謝の気持ちがわいてきます。

この冬実家に帰り、変わってしまった両親を見て驚くかもしれません。
信じられないようなことになっている可能性もあります。
ですが『ちょっと!なんでこんなことになってるの!?』と責めたり、怒ったりしないでください。
ご両親のプライドが傷つくような言い方、頭ごなしに否定をしてはいけません。
娘や息子に哀れまれたり、怒られたりするのは大変傷つきます。一度でもそのようなことがあると、心を閉ざしてしまい、困ったことがあっても意地をはって打ち明けてくれなくなりますよ。

親はいつまでも親。子は子。
あなたのことを心配し、何かしてあげられることはないかと常々思っています。
親の尊厳、親としての立場を守ることも自立支援になります。

エネルギーが強い人が弱い人に上からものを言う感じではなく、同じ目線になって、寄り添う気持ちを忘れずに。

次回は、異変があったとして、子はそれからどうしたらいいのか書いていきたいと思います。
それではまた



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