イチ個人として家族や社会を考えるnote_by長友<波吉>

元新聞記者のフリージャーナリスト。最近はエッセイを書いています。

イチ個人として家族や社会を考えるnote_by長友<波吉>

元新聞記者のフリージャーナリスト。最近はエッセイを書いています。

マガジン

最近の記事

ビリー・ジョエル、来日公演ルポ

~アレンジもキーも原曲キープ、圧巻の東京ドーム2024年1月ライブ ビリー・ジョエルが2024年1月24日、2008年以来となる来日公演を開いた。東京ドーム1日限りで、チケットは完売。追加販売された「見切れ席」だったものの、筆者は幸運にもチケットをゲットできた。セットリストおよび簡単なルポをお届けする。 客席のおじさん率高し 完売の客席はおじさんばかり。女性もいるが、ほとんどは50代以上とおぼしき観客。開演前のトイレは長蛇の列(男性用トイレも)。一人客が多い。男女とも。

    • 個人コレクションの可能性と、現代アートにおける地域性の限界~「エモーショナル・アジア 宮津大輔コレクション×福岡アジア美術館」展評

      もともとサラリーマンコレクターで、現在は横浜美術大学教授でもある宮津大輔のコレクションを軸にした展覧会「エモーショナル・アジア 宮津大輔コレクション×福岡アジア美術館」が、12月25日まで、福岡市の福岡アジア美術館(以下、アジ美)で開催されている。展示されている作品54点は、宮津所蔵品が33点、アジ美が21点と、ほぼ6:4の割合。個人コレクションが館蔵品をうまく補完し、アジアの現代アート全体への目配りを深くしている。個人によるコレクションの可能性を感じさせる展覧会だった。(文

      • 「物語」に自縄自縛,作風の限界にもがく  ~劇評「物語なき、この世界。」

         ポツドールの三浦大輔は、ぎりぎりを攻めることで名を上げた劇作家・演出家だ。年齢と経験を重ねた今、彼は迷路にいるのではないか。自分が過去に作った作品が、彼自身を苦しめている、自身の作風という限界を突破できずにもがいている。三浦作・演出の新作「物語なき、この世界。」は、そんなことを感じさせた(7月13日鑑賞、渋谷・シアターコクーン)。  舞台は、東京・新宿の歌舞伎町。さえないアラサー男性二人が偶然、高校卒業以来、再開する。一人は売れない役者(岡田将生)、もう一人は売れないミュ

        • 国際美術展、コロナで問題点が表出

           コロナ下でアートがどうあるべきかを考える連続シンポジウム「『コロナ以降』の現代アートとそのエコロジー」の第二回「『コロナ以降』の国際展とは?」が9月10日、オンライン配信で開かれた。文化庁アートプラットフォーム事業の一環。登壇者からは、コロナによって、もともと現代人や国際美術展が抱えていた問題点があぶりだされたといった指摘がされた。  その一つは、現代アートの国際展が、数も規模も大きくなり、ビジネスとも結びついて世界各国で開催されていることだろう。世界では約300もの国際

        マガジン

        • 私家版・星の王子さまー「自粛生活」の友として
          27本

        記事

          「集まる・移動する・対話する自由が人を豊かにする」山極壽一京大総長

           日本学術会議の山極壽一会長らが本日(7月20日)、東京の日本記者クラブでウエブ会見した。学術会議としてまとめた政府への提言を記者たちに説明した。厚労省ではなく内閣府の下に、政府の諮問機関として、常設で、科学的な内容を検討する専門家の組織を持つべきだ、という。 (表題写真は都内の飲み屋内の風景。少し前まではワイワイ集まって語り合う光景は当たり前だったが……) 学びには仲間が必要  山極氏は比較的自由な気風で知られる京大の総長でもある。ヒト以外の類人猿を主に研究してきた山極

          「集まる・移動する・対話する自由が人を豊かにする」山極壽一京大総長

          ほぼ「リモート株主総会」ソフトバンクが開催、コロナの時代の標準になる?

           ほぼ完全な「リモート株主総会」が、通信大手のソフトバンクによって6月24日、開かれた。総会会場は用意されたものの、議長も出席役員もウエブ会議システムを通じて遠隔からの参加。株主たちも、ライブ中継画面に「インターネット出席」して視聴し、ネット投票システムで議決権を行使した。さすがは通信事業者だが、コロナ後の「新しい生活様式」ではこれが「標準」になるのかもしれない。 議決権行使もネット投票で ソフトバンクの第34回定時株主総会は、24日午前10時から始まった。インターネット出

          ほぼ「リモート株主総会」ソフトバンクが開催、コロナの時代の標準になる?

          小池知事「今回はオンライン選挙で」、都知事選の立候補予定者5氏が共同会見

           7月5日に投開票される東京都知事選の立候補予定者による共同記者会見が17日、日本記者クラブで開かれた。登壇したのは現職を含めた5氏。コロナ下で初のズームを使ったリモート会見となったが、意外にも?画面の中に等価で並ぶと、それぞれの個性が際立って見えるような気が、筆者にはした。最後には小池知事が、選挙戦は「オンライン選挙で戦う」と宣言した。今回の知事選はネット上で論戦が繰り広げられるのだろうか、期待したい。 (写真は、左上から時計回りに、日本記者クラブの司会者、小野氏、立花氏

          小池知事「今回はオンライン選挙で」、都知事選の立候補予定者5氏が共同会見

          小さな王子さま・第27章~私家版「星の王子さま」~(完)

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしてきました。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 27章) 今や、もちろん、すでに6年もの時が過ぎてしまった……私はこれまで、この物語をだれにも話したことはなかった。私の友人たちは、私が生きていたことが分かると、とても喜んでくれた。私は悲しかったけれど。でも私は彼らに言った。:「ただただ疲れた……」  このところ、私の具

          小さな王子さま・第27章~私家版「星の王子さま」~(完)

          小さな王子さま・第26章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 26章) 井戸の隣には古い石壁があった。私が翌晩戻った時、私の小さな王子様がその壁の上に座っているのが見えた。そして、彼がこう言うのが聞こえた。:  「キミは覚えていやしないの? まさにここ、じゃあなかったよ!」  他の誰かが彼に答えたのに違いない、なぜって彼は続け

          小さな王子さま・第26章~私家版「星の王子さま」~

          小さな王子さま・第25章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 25章) 「みんな電車に乗ろうと急いでいる」と、小さな王子様は言った。「でも、彼らは、自分たちが何を探しているかわかっていないんだ。だから彼らは腹を立てる。それで、いたずらに騒ぎまわるんだ」  彼は付け足した。 「そうするのに、何も理由なんてないんだ……」  私た

          小さな王子さま・第25章~私家版「星の王子さま」~

          小さな王子さま・第24章~私家版「星の王子さま」

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 24章) 私の飛行機が壊れてから、8日が過ぎていた。私は、小さな王子様の語る営業マンの物語を聞きながら、私の水の最後の一滴を飲み干した。  「ああ!」私は小さな王子様に言った。「キミの思い出はとっても興味深いよ。でも、私はまだ自分の飛行機が修理出来てない。そして私には

          小さな王子さま・第24章~私家版「星の王子さま」

          小さな王子さま・第23章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 23章) 「おはようございます」と小さな王子様は言った。  「おはようさんです~」と、営業マンは言った。  営業マンは特別な錠剤を売っていた。その薬は、人々がのどの渇きを感じるのを止めさせた。もしあなたが毎週、その薬を一粒飲んだら、あなたは二度と水を飲む必要がなくな

          小さな王子さま・第23章~私家版「星の王子さま」~

          小さな王子さま・第22章~私家版「星の王子さま」

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 22章) 「おはようございます」と、小さな王子様が言った。 「おはようございます」と、列車の信号手は言った。 「あなたはここで何をしているんですか?」と、小さな王子様が尋ねた。  「私は、旅行者たちをあちこちに移動させているのです。私は、一どきに何千もの旅行者を動

          小さな王子さま・第22章~私家版「星の王子さま」

          小さな王子さま・第21章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 21章) ちょうどその時だった、キツネが現れたのは。  「こんちは」とキツネが言った。  「こんにちは」と、小さな王子様は答えた。振り向いたけれど、誰もいなかった。  「おいらはここだよ」と、リンゴの木の下から声がした。  「あなたはだあれ?」と、小さな王子様は

          小さな王子さま・第21章~私家版「星の王子さま」~

          小さな王子さま・第20章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 20章) 長いこと経ってから、小さな王子様は道を見つけた。そして道は、人間の世界へと彼を導いた。 「こんにちは」と、小さな王子様は言った。彼はバラ園の中にいた。 「こんにちは」と、バラたちが言った。  小さな王子様は彼女たちを凝視した。彼女たちは、彼のお花に似てい

          小さな王子さま・第20章~私家版「星の王子さま」~

          小さな王子さま・第19章~私家版「星の王子さま」~

          (※ブックチャレンジの代わりに翻訳チャレンジしました。毎日1章ずつアップしていく予定です。なお、サン・テグジュペリによる原作の著作権は、イラスト・文章ともに保護期間が過ぎています。”自粛生活の友”にどうぞ) 19章)  小さな王子様は、ある高い山に登った。彼が知っていた山々といえば、彼の膝に届くほどの高さしかない、彼の三つの火山だけだった。彼は休火山を、椅子として使っていたほどだ。 「こんなに高い山からなら、ボクはこの惑星全体と、ここの人々みんなを見られるに違いない」と、

          小さな王子さま・第19章~私家版「星の王子さま」~