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売上踏み倒された話。

もう随分前の話になりますが20代の前半、まだ活動を始めて間もない頃の話ですが作品の売上を踏み倒されたことがありました。

まーこの業界、こーゆー話も良くも悪くもたまに聞く話です。だけどいざ自分がやられてみるとなんとまぁ、はらわたが煮えくりかるもんですが、結論から言うと僕にも悪いところがあって、書類やメールなど残る形でやり取りをせずに全て口約束で終わらせてしまっていたためにどうすることもできなかったってことですね。当時22歳。。まぁ今思えば良い社会勉強やったのかな・・

口約束であれ、問い詰めたり、何かしらやれることはあったのだと思いますがもうそんなことも面倒になってしまい、二度と顔も見たくない口も聞きたくないということで結果的には泣き寝入りということになってしまいました。


19歳からイラストレーターとして路上で絵を売ったりしながら活動を始め、いろんな影響を受けて独学で美術を勉強し、抽象的な平面作品を作るようになりました。


大学も出ずに独学で活動していた故に正しい道筋なんかもわからずにとりあえずガムシャラに絵を描いて、発表できる場所を探しては発表しまくるみたいな活動です。


そのころは今よりもギャラリーの敷居が高かく、カフェギャラリーなんて言葉もない頃。


そもそも2000年あたりからカフェブームが到来し、それに合わせて徐々にカフェの壁面に絵を展示するみたいな風潮が出始めました。


それに伴ってか、BARに展示したりクラブやライブハウスで絵を展示するようなことも増えてきたような気がします。


僕は絵が飾れるあらゆるところで展示をしまくっていた縁もあり色々横のつながりも多くなり始めた頃に、知り合いのバンドマンからカフェバーのライブイベントで会場に絵を飾って欲しいと話を頂き兵庫駅に当時あったカフェバーに絵の展示をさせてもらいました。


その際に店のオーナーに気に入ってもらって「よかったらお店で個展もできるよ」みたいなお話を頂き、そのカフェバーで個展をすることになりました。


めちゃめちゃ繁盛してるというよりは、本業の傍で趣味でやっているようなイメージのお店だったので沢山人が来るようなこともなく、常連さんなどを中心に営業しているような感じです。


そこで個展をすることになり、何度か打ち合わせにも言っていたのですが当時の僕はまだ22,3歳ということもあり、全て口頭での打ち合わせのみで話を進めました。結果、それがよくなかった。


今となってはマージンとか出展料とかもかかったどうかも覚えていませんが、多分企画展扱いで、お客さんを連れてきてくれるならマージンもいらないよ、みたいな感じだったと思います。


個展が終わってもせっかくだったらこのまま絵を飾ってくれていていいよ、みたいな話になり、半年くらいは放置していました。


個展が終わってからそこの常連さんだった方と仲良くなり、「絵を買おうかどうか迷っている」みたいな話を聞いた時はとても嬉しく、結果数ヶ月後にその人が作品を購入したとメールか何かで連絡をいただきました。


嬉しい反面、作品を買ったよと連絡をくれてからいつまで経ってもそのカフェバーのオーナーからは連絡が来ませんでした。

と、同時に個展の頃から何度も通っているうちに(この人、合わないかも)と段々と不信感を募らせるようになってきていました。なのでいつまでも作品を置いておくのも嫌になり半年ほどで撤去することになりました。


その搬出の時の空気も良くなかったような気がします・・・


それから何ヶ月か経っても一向に支払いの連絡が来ない。なんだか嫌な予感がしてきた。


当時mixiが主な連絡ツールになっていたので、意を決してそこから

「作品の支払いはどうなっていますか?」

と、メールをしました、すると

「作品の支払いはできません。正式な契約はしていないので不服があれば裁判してください」

といった趣旨のメールが返ってきました。

「?????????????????????????」


嫌な予感は的中し、怒りが込み上げてきましたが、それと同時に「裁判してください」という言葉の裏に「お前が口約束で話を進めたから悪いんだよ」という思惑を読み取れました。


確か作品は数万円、3~5万円くらいだったような気がします。


その頃はまだ若く、頭に血がのぼりやすい僕が今ほど冷静な対応ができるような気もしなかったので結局泣き寝入りという形になりました。

確かに全て口約束で進めていた僕にも非はあったし、それ以上そのオーナーと言葉を交わすことも嫌になっていた。


普段からそのオーナーが政治的な発言や経済ニュースなんかについてブログを綴っていたことは知っていたので僕よりも随分大人なオーナーに口で勝てる気がしなかったのです、多分。


まぁいい勉強代になったかな、と今では思います。


さっき久しぶりに調べてみたらもうカフェバーはやっていない様子。しかし自宅兼店舗だったので住所はわかっています。思い出したらむかつくので今度ピンポンダッシュでもやってやろうかな。


教訓としては契約書まではいかなくとも、お金のことや作品の取り扱いについては必ずメールか文章を残しておくこと。お金のことは一番最初に決めておくこと、そんな感じかな。



大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。