最近の記事

ヴァージン・スーサイズとクレイジー・オン・ユー

ソフィア・コッポラ監督が好きな理由として「音楽のセンスがいい」ということがある。「ヴァージン・スーサイズ」しかり「ロスト・イン・トランスレーション」しかり。 「ヴァージン・スーサイズ」で特に好きなところが「クレイジー・オン・ユー」の使い方である。 ハートの「クレイジー・オン・ユー」はスパニッシュギターを思わせるアコースティックギターのソロから始まり、一瞬静かになったと思うと一点激しくなって盛り上がっていくという、思い悩んでいたけど心の盛り上がりを止められない恋心をまさに音楽

    • ヨルゴス・ランティモスと「哀れなるものたち」

      ヨルゴス作品はサイコスリラー、ホラーが多く、その舞台が異常な環境下におけるため、ブラックな笑いが加わって癖が強いです。そして一貫して描かれるのは弱い男と強い女です。 最初の作品である「籠の中の乙女」は、文字通り父親により籠(外界から物理的にも論理的にも閉ざされた自宅)で軟禁状態になっている姉妹の物語です。 この異常な家族関係が不気味であり、時には笑いを呼ぶ。そして長女が外界の情報を得て...という映画です。 次の「ロブスター」では「結婚ができない大人は動物にされてしまう

      • 転職活動してます。 その1

        定年退職まで、もうすぐあと3年というところで転職活動を始めました。 これまでも数年間、「定年後の生き方をどうしようか。このままこの会社で雇用継続でもいいのかな」とモヤモヤしていましたが、一念発起しました。 そのきっかけとしては以下の2点、  ①子供達が社会人となった。  ②今のプロジェクトが終わりに近づいた。 ことです。 一番大きいのは①です。 子供達が在学中は「転職したい」と家族に伝えたら、「不安」しかないと思います。妻にも子供達にも不要な心配をかけさせたくありません。

        • シドニー・ホワイトと7人のおたく

          ドリームプラン<https://note.com/harahiro67/n/n767bb41c4a1c>は、邦題がお気に召さないと書きましたが、逆に気に入ったのは「シドニー・ホワイトと7人のおたく」。この映画の原題は ”Sydney White” で ”Snow White”(「白雪姫」)をもじったものだが、邦題もそれに上手く寄せている。 映画の内容としては、意地悪な寮長に寮を追い出されたシドニー・ホワイトが、除け者にされているモテなそうな男子に力を借りて(借りるというより

        ヴァージン・スーサイズとクレイジー・オン・ユー

          ドリームプラン

          邦題では「ドリームプラン」だが、原題は"King Ricghard"です。 観る前は、ビーナス、セリーナ姉妹を貧しい境遇からテニスのトッププレイヤーに育てた父親の美談かと思っていたのですが、観始めると美談というよりは正直好きになれない傍若無人な父親の物語で、まさに”King Richard”と呼ぶに相応しい父親の物語でした。 確かに、娘(しかも2人)を金もなく何のコネもない所からテニスのトッププロにまで育て上げるなんて、並大抵の父親にが逆立ちしたってできないことなので、偉大

          ドリームプラン

          こんなことリアルの場では言えないんだけど

          こんなことはリアルの場では時と場所をかなり選ばないと言えないんだけど、能力のない人を辞めさせられるよう労働契約法改定されないだろうか。 使えない人を回されて、仕事与えても出来ないから自分や周りの人間が苦労して、そのくせ原価ばっかりかかる。 使えない中堅から年寄りはとっとと解雇して、若者の雇用枠を増やしてくれよ。 若者は成長する余地があるので、仕事出来なくても育てようと前向きな気持ちになれるけど、成長しようとしないまま年齢をとった無能はいらない。

          こんなことリアルの場では言えないんだけど

          職業に貴賎なし

          就活サイトの「底辺の職業ランキング」に批判が殺到しており、マスコミで大きく取り上げられているが、「性風俗店へのコロナ給付金不支給は『合憲』」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/186663)は比較的取り上げられていない。 就活サイトが「底辺の職業」とブルーカラーな職業を差別することは批判するのに対し、裁判所が公に性風俗店を他の職業と差別していることは、司法に対し批判すべきことだと個人的には思っている。 「性行為などは極めて親密かつ特殊な

          職業に貴賎なし

          参議院選挙と能力主義

          参議院選挙で最低賃金の話題が出るたびに、 「社会全体としては良いことだと思うけど、最低賃金で生活しているような人は投票に足を運ぶ割合は少ないのではないか。」 と考えてしまう。 そんなことを考えていたら、「この考え方って、最低賃金で生活している人に対しての偏見であり、ある意味差別的ではないか」とふと思った。 これって、マイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」に記載されていた 「大学教育を受けた回答者は、教育水準の低い人びとに対する偏見が、その他の不利な立場

          参議院選挙と能力主義

          自宅の整理のこと

          父母の死後ずっと頭に引っかかっているのが、自分の死後のこと。 主に考えているのは3点あって、 1.葬式のこと 2.墓のこと 3.自宅のこと である。 1.葬式のこと 自分は無宗教なので、自分の葬式でお経を読んでもらいたくないし戒名もいらない。なので一般的な葬式は不要で火葬する時に子ども(結婚していればその家族も)たちが見送ってくれれば満足である。 だけど、そのことを明確に残しておかないと子どもたちに伝わらないし、いつ死ぬかわからないし、病気になってから残すのもリアルに感じら

          自宅の整理のこと

          マイ・インターン

          定年も近づいてきているが、今の会社の雇用延長に魅力を感じられず、辞めて65歳(もしくはそれ以降も)まで雇ってくれる会社に転職しようと考え始めて早数年。今のプロジェクトが終わったら転職しようと思いながらも、最近は待つことなくとっとと辞めてしまおうという考えが頭をよぎることが多くなってきた。 大手ベンダー系IT企業でプロマネをした経験はを欲しがる会社もあるようで、転職形サイトに登録したら、転職エージェントからのスカウトメールが多数届いている。 正直、次の会社では最前線で働くとい

          マイ・インターン

          母の死に涙することができた

          濃厚接触者になってしまったため母の火葬に立ち会えず、母の死を実感できずに泣けずにいたけど、実家の片付けに行く途中の車の中で My Chemical Romance の "Welcome to the Black Parade" を聴いていたら、涙が出て止まらなくなった。 母にマーチングバンドを観に連れてもらったことがあるわけでもなく、また、母に救済者になるよう言われたわけでもないけど、”We'll carry on, We'll carry on” と合唱したら号泣してしま

          母の死に涙することができた

          自分の葬儀について考えてみた

          自分は無宗教だ。といっても宗教を否定的ということではなく、宗教そのものは信者の人にとって心の拠り所になっているわけだから、それだけで存在意義があるものと思っている。 母は信心ぶかい人で、自分が子供の頃は母が唱える「南無妙法蓮華経」を毎日耳にしていた。「いんなあとりっぷ」という冊子が昔は家に届いていたので「霊友会」に入っていたのだと思う。いつの間にか届かなくなったので「霊友会」は退会したのかもしれないけど、お題目は唱え続けていた(実家を出る30年前までは)。 だから父と母の

          自分の葬儀について考えてみた

          母の死が実感できない

          先日、母が亡くなった。そろそろ1週間になるが、まだ実感がなく消化しきれていない。 まだ実感が持てていないのは、母の火葬の場に立ち会えなかったためだと思っている。立ち会えなかった経緯は以下の通り。 通夜と葬儀の出席のため、遠方に住んでいる長男、次男を呼び寄せた。久しぶりに一緒に夕食をとった翌朝に長男から「コロナの濃厚接触者になったと連絡があった」と伝えられた。 我が家は皆濃厚接触者及びその濃厚接触者になってしまったため、  ・濃厚接触者の長男は通夜と葬儀は欠席、すぐに自宅に戻

          母の死が実感できない