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実家がなくなる日のこと


この度実家を売却することになった。
そのことについて話すまえに、
最近思うことをちょっと。

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思い切って辛いことを言葉にする。
そうすると
「もっと辛い人がいるんだから(あなたはマシよ)」と取り合ってもらえなかったり
「わたしのほうが〜、こんなに辛い」とマウントを取られたり...
そんなことが私のこれまでの人生では割とよくあった。


そこから
「自分の気持ち言っても結果として
さらに嫌な気持ちになることが結構あるな」
というかなり歪んだ学びを得てしまい


その場で辛いと言えずに
とりあえず自分の心の奥にしまい込む。
すぐキャパオーバーになるし
ただ自分がさらに辛くなる癖が
ついてしまっていた。


今では自己分析によって
辛い時にきちんと辛いと表現できないと
前に進めないタイプだなと分かってきたので、
自分が生きていけるように
辛い時は辛いと言おうと心がけるようになった。

noteの優しい空間の中では
今の思いを正直なままに留めておける気がして
今の私にとても助かっている。

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実家の売却について
ざっくりとした理由を言うと


①父親の仕事がコロナ禍で経営難が続いていたこと、持病(難病)で身体の踏ん張りがきかなくなってきたこと
②子供達が家を引き継ぐ意思がないこと


これ以上の詳しいことはヘビーすぎて
文字にしたくないので控える。

家が建ったのは私が小学5年生の頃。
インテリアに興味がない母親に代わって、
小さい頃からビフォーアフターを楽しみに観ていた私は家づくり全般に興味があり、
父親が買って勉強していたインテリア系の本を
よく読んでいた。
それで壁紙の色やカーテンの色を決めさせてもらったりした。

毎日学校終わりにランドセルのまま走って
家が出来ていく様子を見に行っていた。

私にとって愛着がある家だった。

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うちはいわゆる毒親で
両親の板挟み役に耐えられなくて
絶対に家から通えない大学を選んで進学した。
(親の愚痴を言う親はずっと嫌だけど、その点を除けば親と私の関係は父親-私、母親-私ともに良い。)

そして結婚してそのまま地元じゃないところに住んでいる。

実家を出た後も、
大学時代の頃から1〜3ヶ月に一回のペースで
帰省していた(矯正歯科の受診のため)けど、

実家に住んでいた時よりは
少し心に余裕を持って
親に接することができるようになったので

親のストレスの捌け口や
板挟み役をさせられても、
アパートに帰って少し休むと回復できて
心のバランスがとりやすくなった。


実家に帰ると心が落ち着く、休める
と友達が言っているのをよく聞くが
私にはそれがすごく羨ましかった。

辛いことはそりゃたくさんあったけど
もちろんいい思い出も確実にあるので
私にとって実家は
「心が疲れるけど好きな場所」だった。

そんな思いのあった実家が
なくなるということで、
ここ最近は週末の度に帰省しては
荷物の整理をしていた。


そして昨日、実家で最後の日を過ごしてきた。


私は親の泣く顔を見るのが嫌だけど
(私が貰いやすいし一緒に泣くのは気恥ずかしいから)
私の母親はわろけるくらいに涙脆い。

だから絶対に泣かないと決めて
なるべく明るく努めて
最後に家の前で、
家族5人の家族写真を
夫に撮ってもらった。

無事最後まで泣かずに、
楽しく過ごすことができた。

車に乗って夫と2人、住処に帰る途中
写真ボヤけてないかなと、
ふとカメラを確認した途端


どうしようもなく苦しくなって
涙が止まらなくなった。

夫は、いつもは泣いている理由を
しつこく聞いてきて更に心を乱してくるけど

この日は音楽の音量を下げて
何も言わずに背中をさすってくれた。


ありがたかった。


辛いことがたくさんあったのに、
もうこの家で5人で過ごす日が来ないなんて
急に凄く悲しくなった。

そういう気持ちになるような、
凄く良い写真だった。

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結婚式の準備の段階で、
そのうち家を売って離婚すると
父親から私にだけ聞かされていたので
(それも酷だった)
当日は家族全員の写真をいっぱい撮っておきたかったけど妹が欠席になってしまったので、叶わず...
だからこの日がいいチャンスと思って、
愛着のある家を背景に、撮れて良かった。


(ちなみに絶対に泣きたくなかった親への手紙は
読み始めると、育ててくれた感謝はもちろん、これまでの複雑なこととこれからの現実とで心がぐちゃぐちゃになって、あとは会場の空気に飲まれて。
ぐちゃぐちゃに泣いてしまった。
親に花束を渡しに行ったら
母親は私より泣いていた。やっぱり。)


あとでデータを見たらそれぞれ梅干しみたいな顔をしていた。

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気の済むまで下に落ちたら、
あとは自然と、上がっていく。

そんな自分のペースでまた前を向くために
今は心のお暇をいただいております。



𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓍯𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓍯𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃

気持ち任せの拙い文章を読んでくれたあなたは優しい💭

ここまで読んでくれてありがとうございました。

片付けをしていたら出てきた妹の作品と、
草がいっぱい伸びている実家の庭。

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