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最近の記事

【書評】訂正可能性の哲学 (ゲンロン叢書) 東浩紀

https://amzn.asia/d/dIfbovL 内容 ビッグデータを用いた人工知能民主主義を、訂正ができないとして否定する。 加算、(子供の)ゲーム、会話と、種々のルールが絶えず変化していく共同的な営みが挙げられる。 また開放性・リベラルと閉鎖性・保守の対立や関係は単純なものではない。プラトンからアーレントから現代に至るまで、私的な利害と社会の利害や、家族と公共のへ帰属の二律背反などと議論されてきたが、結局「わたしたち」の範囲を伸縮させているだけであるとも言う

    • 【メモ】科学哲学まとめ

      https://amzn.asia/d/eVAH3Ly https://amzn.asia/d/2tn9tfm https://amzn.asia/d/0ztQv4j 反証可能性 実在論VS非実在論 疑似科学と科学 豊潤性 前進性 無矛盾性 土台 反証可能性 マルクス経済学やフロイト精神分析は、理論に合わない現象に出くわしたときに、新しい理論を付け足すことで、その現象を取り込んでしまう。 ポパーはそのような、理論を否定する観察や実験が存在しない理論を否

      • 【書評】デヴィッド・グレーバー (著), デヴィッド・ウェングロウ (著), 酒井 隆史 (翻訳)  万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

        https://amzn.asia/d/cQKygtK 内容 ルソーVSホッブズの焼き直しに過ぎない「ビッグストーリー」の否定。 人類社会は初期に平等だったとか、暴力的だったとか、簡潔に表現できる状態で暮らしていた訳でない。 また初期社会から、バンド~部族~首長制~国家のような進歩史観に基づいて大きくなっていくわけでもないことが示される。 キーワード ・ルソー、ホッブズ ・人間不平等起源論 ・高貴な未開人 ・先住民への批判へのバックスラッシュ。中世~近世の西

        • 環境要因のミッシングリンク、および後から中立説

          環境要因のミッシングリンク、および後から中立説 長期的に(気候、天敵、食物、ニッチの近い別の集団の流入・流出度合いが)安定した地域で暮らしている集団は、遺伝的浮動以外で遺伝子分布が変化していくことはないと仮定できる。 www.eic.or.jp この状態から環境に変化が起こったときに、突然変異・自然選択によって進化していく(はず)。 時間スケールを十分にとる、つまり世代交代が十分に行われていって、環境も落ち着いていれば、新たに獲得した形質が保存される。 人間でいえば、

        【書評】訂正可能性の哲学 (ゲンロン叢書) 東浩紀

          【感想】「葬送のフリーレン」は突っ込みどころだらけでつまらない

          葬送のフリーレンのアニメ一話および単行本一巻を読んだうえでの感想です。 夜な夜なこの作品について考えてしまい、なんであんなのが高評価されているのか理解できず苦しいので、備忘録というよりは吐き出すために書いています。 https://amzn.asia/d/6hgDzRw 前置き アニメ一話 ①10年が短いという言葉に驚く勇者 ②50年間預かった荷物を放置する勇者 ③僧侶のところ訪れた際の破綻会話 まとめ 単行本一巻 蒼月草のくだり 浜辺の掃

          【感想】「葬送のフリーレン」は突っ込みどころだらけでつまらない

          【書評】「19世紀」でわかる世界史講義 的場昭弘

          「19世紀」でわかる世界史講義 | 的場 昭弘 |本 | 通販 | Amazon 内容 西欧視点の世界史を疑問視し、歴史を時間軸に沿って概説する。 ※著者はマルクス研究者 内容 序章 世界史を語る意味 第一部 18世紀 1章 世界史とは何か 2章 先進アジアと後進ヨーロッパ 3章 ヨーロッパの真実 4章 近代という視点ー三十年戦争と国民国家 5章 絶対王政と啓蒙主義ーアジアの閉塞とヨーロッパの世界進出 6章 17世紀から18世紀に至る

          【書評】「19世紀」でわかる世界史講義 的場昭弘

          日本人無宗教説 ――その歴史から見えるもの 藤原 聖子 (編集) 書評

          日本人無宗教説 ――その歴史から見えるもの (筑摩選書 255) | 藤原 聖子 |本 | 通販 | Amazon 内容 明治からの現代までの知識人の見解や新聞投稿などを通じて、日本人の宗教観を「欠落説」「充足説」「独自宗教説」とで分類し、俯瞰する。 感想 概ね良かったし、三つの分類により見やすくなっていた。 気になった点が二つ。過剰に思える客観性への意識と、情報の偏り。 主著者の藤原聖子さんが比較宗教学専門ということもあり、かつあとがきに

          日本人無宗教説 ――その歴史から見えるもの 藤原 聖子 (編集) 書評

          【解説】「ドローにパワーがあるデッキ」と「ドローが得意なデッキ」

          ドローカードの差し込み方の一要素についての考察です。 「ドローにパワーがあるデッキ」とは 「ドローが得意なデッキ」とは 盤面一辺倒のデッキについて 実践編 音響黙示録のドロソミニオン 余談1 シャドウバース 余談2 着想 「ドローにパワーがあるデッキ」とは ハースストーンではどんな目的でドローするでしょうか?特定のカードにアクセスするため、横展開し続けるため、その他いろいろあります。 ここで「ドローにパワーがある」条件を考えます。箇条書きにすると…

          【解説】「ドローにパワーがあるデッキ」と「ドローが得意なデッキ」

          【考察】DCGとRTAと完結性

          貴方のゲーム遍歴はどのようなものでしょうか? 私の場合は両親の影響でドラゴンクエストを筆頭にRPGを中心にプレイしていました。それに加えて友達とマリオやスマブラやいただきストリートで遊ぶということもありました。ただ、人と遊ぶゲームの中でも、競うものよりも協力するものの方がずっと好きでした。 これは、元の好みもあるのでしょうが、どうも対面の対戦ゲームに存在する盤外戦術のようなものが苦手だったからです。 スマブラのストック制の混戦なら自分だけ逃げ回って、最後にタイマンで勝つ

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          江崎 貴裕 数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する- 書評

          https://amzn.asia/d/6jOwmGt 内容 ルールを設計する上での課題と、ルールがもたらす利点と欠点。 はじめに 数理モデル思考でルールを考えていく ルールが想定通り機能しないとき、ほとんどの場合、モデル化の失敗が起きている 4つの階層、ルール自体の問題、個人のふるまい、人間の集団的なふるまい、ルールと集団によって環境(社会)が影響を受けること 第1章 ルールデザインの失敗学 -自明な失敗メカニズム 想像力の欠如・想像が難しい状況

          江崎 貴裕 数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する- 書評

          福村 国春 夢中になる東大世界史 15の良問に学ぶ世界の成り立ち (光文社新書)  書評

          Amazon - 夢中になる東大世界史 15の良問に学ぶ世界の成り立ち (光文社新書) | 福村 国春 |本 | 通販 内容 世界史への新しい視点、比較、読解力を問題を通じて答えさせようとする東大世界史と、その解説。 第一部 国際社会の成立 第一章 革命によって国家は生まれた 国家は古代からあったわけでは無い。主権国家は近代に入ってヨーロッパによってつくりあげられたもの。 市民革命から イギリス、フランス、アメリカを比較することで国家の理念『国柄』を比較でき

          福村 国春 夢中になる東大世界史 15の良問に学ぶ世界の成り立ち (光文社新書)  書評

          ユヴァル・ノア・ハラリ サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 書評

          サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 | ユヴァル・ノア・ハラリ, 柴田裕之 |本 | 通販 | Amazon 内容 人類の進歩の過程、特に認知革命と科学革命というステップの影響。 以下、注目ポイント 第一部 認知革命 一章 唯一生き延びた人類種 道具の製造は250万年前までさかのぼる。 小さな子供と自分を養うだけの食物を自力で獲得するのは困難なので、進化は強い社会的絆を結べるものを優遇した。 初期石器の一般的用途は骨の中の骨髄をすするためと考える研

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          中村 圭志 教養としての宗教入門 - 基礎から学べる信仰と文化 書評

          教養としての宗教入門 - 基礎から学べる信仰と文化 (中公新書) | 中村 圭志 |本 | 通販 | Amazon 内容 諸宗教の内容に少しづつ触れていくというよりは、宗教そのものを相対化し突き放して概観したもの。 以下、注目ポイント 序章 何故「神」と「仏」が区別されるのか 言葉の意味内容としては「神」が「仏」に近づいていった。 仏教のロジックでは仏陀は神より上位。仏は神を心服させた。 第1章 世界の大伝統 コーランはアラビア語でなければ微妙な言葉のニ

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          倉都康行 金融史がわかれば世界がわかる[新版]: 「金融力」とは何か 書評 

          金融史がわかれば世界がわかる[新版]: 「金融力」とは何か (ちくま新書 1260) | 倉都 康行 |本 | 通販 | Amazon 内容 ポンドからドルへの金融覇権の移行。金本位性と為替変動制の選択。資本市場の変化。金融の未来。 以下、注目ポイント。 第1章 英国金融の興亡 大航海時代金銀複本位制だったが、17世紀後半から崩れ始める。金の需要が高まり、市場の金銀比率は通貨の法廷比率と解離するほどであった。金銀比率は改められたりしたが上手くいかず、1816

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          ピュエット,マイケル グロス=ロー,クリスティーン 熊谷淳子 ハーバードの人生が変わる東洋哲学 The Path 書評

          https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E5%93%B2%E5%AD%A6-%E6%82%A9%E3%82%81%E3%82%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%

          ピュエット,マイケル グロス=ロー,クリスティーン 熊谷淳子 ハーバードの人生が変わる東洋哲学 The Path 書評

          齋藤孝 読書力 岩波新書  書評

          https://www.amazon.co.jp/%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E5%8A%9B-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%BD%8B%E8%97%A4-%E5%AD%9D/dp/4004308011 内容 読書の重要性、効果、意義。線の引き方。 以下、注目ポイント 序 読書力とは何か 読書には読まない自由は無く、読むべきものである。 オールオアナッシングではなく、ある程度の内容理解でも読書経験

          齋藤孝 読書力 岩波新書  書評