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小4息子の感想文を指導してみた。

うちには小学校4年生の息子がいます。息子の学校は、いわゆる原稿用紙1、2枚書くような読書感想文は任意提出です。ただそれとは別で、夏休みに読んだ本の感想文は必須課題でした。本は3冊分必要ですが、感想文のボリュームは2、3行でOK。だからそんなに気にもとめていませんでした。

が、

今日息子の感想文を見て唖然。
ある本の感想は「最後感動しました。」
次の本は「おもしろかったです。」
3冊目は「よかったです。」

手を抜きすぎでないかい?

息子はもう4年生。最近は、私からの干渉を嫌がります。だから強要はよくないと思い、やんわり聞きました。「あっさりしているからもう少し書いてみたら?」と。

すると息子は「いいけど、何を書いたらいいかわからない。」とのこと。

そうなんだ…。私はライターになってからはまだ4年目ですが、元々書くことは好きでしたし、得意な方でした。学校の絵日記とか作文の類で苦労したことはありませんでした。私にだって苦手なことは山ほどあるし、この子にとっての作文はそれなのだ。せめて「何を書いたらいいかわからない」の状態から脱出できるよう手助けしようと決めました。3冊あるうちの1冊『君たちはどう生きるか』を題材に改善例を書いてみます。


1.あらすじを説明してもらう

感想を書けないのはあらすじを把握・理解していないのでは?と思い、息子に聞いてみました。こう説明してくれました。(思いっきりネタバレになっていてすみません。)

コペルくんっていう男の子がいて、友達が上級生に絡まれた時に助けることができなかった。約束を破ってしまった。それをすごく後悔していて、困っていた。学校をしばらく休んでいたけど、学校に行くことができるようになって友達とも仲直りできた。

おじさんの存在はいずこへ…。(この物語の主人公は確かにコペルくんという少年ですが、そのおじさんの存在もかなり大きい。)と言いたくなりますが、大枠の趣旨は捉えているし、間違ってもいません。息子に「おじさんいたよね?」と聞いてみたところ、

ああ、そうだった。コペルくんのおじさんがいて、コペルくんと手紙のやりとりをしていた。おじさんは本を作る仕事をしていた。

とのこと。うん。まぁ、あってる。であればこの段階はOKです。ちなみにもしもあらすじの説明ができないようであれば、本をもう一度読んでもらうことを勧めるつもりでした。あらすじを人に説明できるというのは、概要がわかっているかどうかの指標になると思います。


2.心に残った箇所を説明してもらう

次のステップとして、この本の心に残っているところを息子に聞いてみました。帰ってきた答えは

最後、仲直りして感動した。

とのこと。わかるのだけど、ざっくりしすぎている。そこで「どうして感動したの?」と聞いてみました。

え、仲直りをしたからだよ。

私:「いや、そうなんだけど感動ってどういうことだろう?」

え?感動…泣けることじゃないの?

私:「泣いてなくても感動することもあるよ。感動ってどういうことだと思う?」

え?えっと、心がわーってなること。

私:「そうだね、心が動くことだよね。じゃあ雄飛の心はどうして動いたの?」

……。

この質問が一番困ったようでした。考え込むこと2、3分。

えっと、コペルくんが絶交されて俺もハラハラした。だけど仲直りできてほっとした。よかったなって。だから感動した。

なるほど。
私:「よかったとホッとして心が動いたんだね?」

そう。

自分の心がいつ、どう動いたのか?これって意外と大人でもわかっていないかもしれません。心の動きを観察して把握することは、感想文の大事なポイントです。


3.ここまでのやりとり、1.2をまとめる

・コペルくんが友達から絶交されて仲直りするシーンが心に残っている
・心に残っている理由は、仲直りできてホッとしたから。そのとき安心して感動した

あとは、これをまとめればいいのです。この時大事なした方がいいのは、状況の説明です。コンテクストの共有ですね。息子には「先生がこのお話を知らなくてもわかるような書き方をした方がいいよ」と言いました。


・コペルくんが→主人公のコペルくんという男の子が

私:「先生コペルくん知らないかもよ?どう言ったらいいかな?」と聞いたら「えーと主役!」と言ったので「そういう時は別の言い方があって、主人公の方がいいかもね」とおすすめしておきました。


・絶交されたとき→コペルくんが友達との約束を破ってしまい絶交されたとき
「これも本を知らないとわからないね。誰が誰に絶交されたの?なんでだっけ?」と聞いて、補足するように促しました。


こうして、感想文ができました。


僕が心に残っているのは、主人公のコペル君という男の子が、友達との約束を破ってしまい、ぜっこうされた時です。読んでいて僕も困った気持ちになりました。でもそのあとコペル君が友達に謝って、仲直りすることができたたところも心に残っています。仲直りできて、ほっとしたし安心して感動しました。

短いけど、「最後感動しました。」から思えば感想文らしくなりました。これで140文字。あ、ちょうど1ツイート分ですね。


ちなみに

長い読書感想文を書くときも、このやり方でいいと思います。ただこれだと文字数が足りないから、

・この本を読むことにした理由
・ざっくりあらすじ
・読んで得た気づきをどう活かせるか

みたいなことを肉付けして膨らませれば、原稿用紙2枚くらいはいけるのではないでしょうか?

このやり方で、来年息子で実験してみたい母でした。



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