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「ズケズケ座談会」Vol.5-ここが変だよ!ネットビジネスのコンサル-

問題提起として意見を発信するマガジン「ズケズケ」。
この中の企画として、複数人で意見交換するのが「ズケズケ座談会」です。

ホメオパスの世良純子さん
アートディレクターの前田高志さん
進行、編集は私、ライターの浜田綾

3人で話をした様子を3回に渡り公開しました。
1「ズケズケ座談会」Vol.1-肩書きとは志だ!-
2「ズケズケ座談会」Vol.2-ツールに騙されるな!デジタルイラストについて。-
3「ズケズケ座談会」Vol.3-「いいね」の意味ってなんだろう?SNSについて。-

WEBディレクターの原美穂さんにも加わっていただきパワーアップしました。ここから3回は、シーズン2として世良さん発案のお題について議論します。

4「ズケズケ座談会」Vol.4-TTPの流儀!パクるにもマナーが必要だ!-
5回目の今回は、「ここが変だよ!ネットビジネスのコンサル」について議論していきたいと思います。


ーーー

”結果”と”責任”までコミットするのがコンサルの仕事

世良
そもそも私はネットビジネス教える人がよく言う「ビジネスを始めるにあたって、まず人に教える仕事は簡単だからあなたも手始めにもコンサルタントやってみましょう!」って風潮があまり好きではないです。



浜田
なるほど、どういう点において嫌なのでしょう?


世良
どのレベルの人にもニーズはあるから、例えばすごいITできる人よりちょっとパソコン触れる程度の身近な人から習いたいニーズはあるとは思うのです。だから確かに「どんなレベルの人にも」ニーズはあるでしょう。

私が「誰でもコンサル」をすることに何よりもひっかかるのは、”責任”という視点が欠落しているように思えるからです。


浜田
なるほど。そうかもしれませんね。


前田
誰でも彼でも”コンサル”っていう肩書きを名乗るのは、ふさわしくないですね。


世良
そうそう。
ちなみにコンサルと並んで誰もが”カウンセラー”とかもないやろ?って思います。
だけど”ビジネスコンサル”と言われる人たちは、”コンサル”や”カウンセラ”になることをめっちゃ勧めますよね。「簡単な仕事のひとつ」として。


浜田
ああ、なるほど。確かに。
"コンサル"ってある程度結果が伴わないといけないし、ある程度サービスもカスタムメイドする能力が求められますよね。それって全然簡単じゃない、大変な仕事だと思いますよ。


前田
"結果にコミット"までがコンサル。
ただ"意見を言うだけ"なら、それはアドバイザーですね。


浜田
それいいですね。名言!「結果にコミットするまでがコンサル」そうですよね。



「専門的な知識は何もないけどコンサルのLPがほしい」って人が、かつていました。「何のコンサルですか?」と聞いたら、”自己アフィリで稼げることを教えるコンサルになる方法"を教えるコンサルでした。


浜田
んん??なんかややこしい(笑)!
えっと、アフィリエイトのコンサルのコンサルで、でも教える方は教えたことがないってわけですよね。
うーん、それはどうなんでしょう。まずは自分でやってから教えればいいんじゃないですかね。
やったこともないことをなぜ教えられるのか不思議です。


世良
教える側にも「責任」があるのにね。そういうのが嫌なんですよ。


コンサルする側の知識は伴っているのか?

世良
薬事法(今は薬機法)そういうのも知らない人が、化粧品サイトのコンサルしたり、健康食品のサイトで法律真っ黒けを、当のコンサル先生が「良いサイト」と評価して、それがネットで拡がっているのが現状なんですよね。
welq問題もこういう「モラルの低い人が、いい加減な情報発信方法を教えている」背景があっでおきたことだとおもうんです。



確かに!薬機法知らないのに、サプリメントの会社のコンサルしてる人が過去にいました。

世良
わー、それ知らない人は全員真似しますよ。
「ああやってサプリメントで癌が治るって書いていんんだ。」とか。
「便秘が治るって書いていいんだ」とか思いますよ。


浜田
アフィリやるなら、薬機法わかって書かないと自分の身を滅ぼしますよね。
先生なら、言わずもがなですよ。先生がわかってないとやばい。



しかもそのLPは、薬事法どころか著作権も侵害しまくりで結局お金もはらってくれず・・・なんて苦い思い出があります。


浜田
えええ、ひどすぎる!

世良
それはひどいね。



だからこれ以降、制作料は前払い制度にしました。


世良
知らないことは、あとで勉強すればいいけど、こういう知識不足自称コンサルって、検索上位に上がるなら自分のことは棚の上に上げて、平気で「ブログで情報発信するときは法律とは!」みたいな記事まで書くわけです。
でも知らなかった時にお金をもらって間違いを教えてしまった責任はほったらかしだという・・・。
例えば、大きい会社ではメディアの仕事するときに一通り法律の知識を習うわけですよ。
ネットコンサルには”●●の仕事するために最低限これは身に着けようっていう”っていう基準がなくて、「値段に合うサービス提供がんばろう!オー。」という自己基準だけでコンサルが成り立ってしまっている気がします。


浜田

なるほど。
会社だったら、ある程度経験を積んで実績と知識を得てそれを積み重ねるというプロセスが不可欠ですよね。ネットだとその辺なくてもビジネスとして成立してしまえばOKな側面は確かにあるでしょうね。


世良
少々厳しい話をしますが・・・ネットビジネスの人って、会社の仕事が大変で嫌になってやめたと言っている人が多いですよね。もちろん実際のところ、本当にブラック企業で大変な思いをされたと思います。で、やめてコンサルになってよかったとは思うのです。
でもね、それって見ようによっては嫌なことを責任とって、最後までやりきるだけのメンタルが欠けていたから逃げたってことかもしれないわけです。それで人にコミットする仕事の責任が取れるのか?そこが気になります。
 

浜田
あーその通りだと思いますよ。
もちろんやめてもいいけど、責任を引き受ける強さがなかったのは事実ですもんね。その状態で責任の大きい仕事をネットでできるのかってことですよね。

原  
すごくよくわかります!
デザインの仕事も、最後まで責任もってやり切ることができない人って結構多いです。


世良
 
だって普通企業で何かやってしまってたら、昔のことも責められるでしょ?でもネットの人は、自分が昔教えてた法律違反なんか知らぬ顔ですよね。もっというなら自分の教えたことが標準となって、また次の教える人をつくって情報を拡めるってすごい責任だと思うんですよ。


社会に情報を送り出す責任を教えるのもコンサルの仕事ではないか?

世良
welq事件が以前ありましたよね。あれだってきっと全く知識のない主婦が、”健康の知識もないし未経験なのにライターになれたの~”って感じてやって、書いてる人のまわりは”がんばってー”って応援してたと思うの。でも”社会に情報を送り出す責任を教える人”がいなかったからああなったんですよ。


浜田

そうでしょうね。
社会に情報を送り出す責任の部分までをネットで教えることは、なかなか難しいでしょうから。


世良
 某大被害のあった某化粧品回収事件があったけど、その会社にいた人とか最後の最後まで責任とって誰かが対応とかしないといけなかった。
でもネットの人は、逃げてしまえばおわりってことが多い気がしてね。もちろん全員じゃないですよ。

つまりね、welqだって別の側面からみたらコンサルの話と同じことが言えるんですよ。

・できない人に
・できなくても仕事提供していた
・しかも初心者の面倒を責任をもって引き受ける人がいない状態で

こういうことが多いのがネットビジネスの”ここが変だよ”だと思う。


浜田 
わかります!
welq騒動の際に”素人に書かせた”という点で批判している意見を見ました。わからなくはないけど、それってちょっと論点がずれてる、というか本質的なことまで論じきれてない。

誰だって・・・批判しているあなたにも私にも初心者期間はあるんです。初心者があかんって理屈だと、新しくライターになる人は未来永劫生まれませんよね。

あの事件でおかしかったのは、
・責任をもって初心者期間を引き受けてくれる仕組みがなかったこと。
クラウドソーシングにそれを求めるのは、そもそも無理があるのでしょうけどね。
・それなのに医療という、特に責任の重たいジャンルの記事をありえない格安で書かせたこと。
・これら一連のことをひき起こしたのが、大企業だったってことですよね。

だから記事の精度は低いし中身はパクる、責任の欠落した仕事になったんですよ。パクったこと、初心者であったことは表層です。本質的な問題は”仕組み”なんだと思ってますよ。私は。

つまり、”初心者期間を引き受けてくれる先生やコンサルの存在”って本当に偉大ですよ。責任大きいです。


明日は我が身の認識を持っているか?

浜田
って熱く語りましたが、ちなみに・・・前田さんって元気ですか?
さっきから、発言されていませんが・・・。
(※これはチャットワーク対談です。)


前田
ええ!元気ですよ。
明日は我が身で、いつ間違いを起こしてもおかしくない状況にいますよね、ネットって。いろいろ考えさせられて聞き入っていました(笑)

浜田 
ああ、そうですよね。
私たち全員自分を商売にしていますからね。
”明日は我が身”って認識大事ですね。
私も気をつけないと。


 
危機感がない人が多いんですよね。


世良
わたしも完璧にできているとはおもいませんが、姉やまわりから医療事故の話とか訴訟の話を普通にに聞くわけです。
”明日は我が身”の意識は常日頃からありますよ。


浜田
 お医者さんはものすごく責任重たいですもんね。
そうそう、「明日は我が身の認識をみんなもってるの?」ここですよね。

 
ネットのなかだからばれないと思ってるんでしょうね。
基本的にばれなきゃいいっていう精神なんだと思います。


前田
たぶん、そこまで考えが及んでないだけの気がしますね。


世良 
そこがいやなのよ!!!!!!!
そういう意識があって、仕事ちゃんとやり終えてる人は、そこもうちょっとわかってると思うわけ。
”それじゃサービスにならないから、その単価は無理があるよ”っていう指導もできると思う。これを言ってあげられることって親切ですよ。


 
素養がない人が単価だけあげたって、中身が伴ってないと詐欺ですもんね。
まだまだ実績が足らないのに「制作料が安すぎる」とかって仕事えり好みしてるコンサル生がいたので、ちょっと怒ってしまったことがあります。


浜田 
おお、それは愛のムチですね!
でもそれでいいと思う。
できもしないことで大金もらうなんて、私は嫌です。
その人のことを一番に考えたら、時には厳しいことでも言わないといけませんよね。その辺の責任と覚悟がある人じゃないと、コンサルってできませんよ。大変な仕事だと思います。


前田
僕は結構良い加減なところがあるので、あんまり言えないです(笑)


浜田 
前田さんがしゃべりませんね。この回(笑)
前田さんいいは、全然いい加減じゃないですよー。

前田 
いやぁ、考えさせられてますよ(笑)


世良
うん、前田くんは全然いい加減じゃないですよ。


価格についても適切な助言をするのがコンサルではないか?

  
私は実績を作るまで無料とか安価で制作をやっていたので、価格について偉そうに要求する素人が嫌です。


世良 
あーわかります。
ある意味素人だから言えるんですよ。それって。

責任とったことないから、内輪で1個2個高い仕事やって、仕事の中身は抜けだらけなのにそれで”できてる”と思っている。
”できてる”の基準がそもそも低いんです。


浜田 
そうですね。
私態度は偉そうですが、通常のライティングの金額そうは高くないですよ。
もちろん0.?円みたいなクラウドソーシング価格ではいいもの作れませんから、それは無理だけど。

だから価格の設定ってものすごい難しいし慎重にしています。そりゃいくらでも上げられたら嬉しいし楽ですよ。でもその値段に見合った責任をすぐ取れるのか?これを基準で考えないと、あとで自分の首を締めますよね。


 
そうそう。価格だけ高くて中身が伴わないと、まずリピーターがつかないですね。


世良 
コンサルやる → 箔が付く → もっと高額 ってあるよね。
金額って1回あげるとさげられないしね。

現実にある話ですが、あるカメラマンが賞とって単価をあげたんですって。賞はいいんだけど、下手に単価もあげちゃうもんだから、仕事こなくなったんだって。そんな話もあるんです。

いいものであれば、いい価格をつけていいと思うんだけどね、その良さが出る仕事が世の中にでまわってなければ、価格を上げても自動的に仕事は減るんです。だから”自分の仕事がどのくらい世の中に求められているのか?”その辺の読みも必要ですよね。


浜田
へー、そうなんですね。
単価設定って大事ですうよね、やっぱり。
だからそれを教える先生、コンサルもそこを把握した分析や指導が必要ですよね。そうすると先生自身の経験値が高くないとそこまでの指導ってできないんじゃないの?って理屈になりますね。


世良 
もちろん全員に安い仕事しろなんて思ってませんよ。
ある程度スキルが上がってくれば、安価な仕事を何件もするよりも高価な仕事を丁寧にやった方がいいんです。個人ならなおさら。


 
そうそう。
まずはその料金に合ったものを提供できるかですよね。


前田
少しでも高い金額でサービスの値段を設定したいって気持ちはわかるんですよ。自分の仕事の安売りは絶対よくないです。でも、何もない人から高単価はどうしたって無理がありますよね。


世良
リピートさせられるのか?とかその値段で回転するのか?とかその辺までよーくよーく考えて価格の設定や値上げしないと。 


うんうん、値段ありきになってますよね。
価格相当の仕事をする、それを積み重ねる。値上げはそのあとですよ。
それを教えるのもコンサルの役目だと思います。


まとめ:ネットの世界にだって責任はある!そこまで教えるのがコンサルだ!

世良
ネットビジネスの一番変なところってね、

・・・

・・・

・・・

・・・

(少し間が開く)


浜田

はい、どうぞ。世良さん続き大丈夫ですか?


前田 
世良さん寝たかも!

(※繰り返しますがこれはチャットワーク対談です。誰かの気配がなくなると残りの皆は心配になります(笑))


浜田
え?まさか。何かたくさん書いているのですよ、きっと。


世良

寝てません!熱く燃えています!めらめら〜。



おおw


浜田
ほら(笑)


前田
しまった(笑)


世良
続きいいですか?

教える人をつくって、自分は上位の教える人になって稼ぐってビジネスモデルは今でも結局あると思います。ネットは特に多いですね。
でもね、

・その教える人のレベル管理ができていないこと
・そんな人が最低の法律も知らなくてコンサルをするのを容認すること

これって結局ネット界にレベル低い人を放出することになるんです。
それなのに
”夢がかなった”とか
”コンサルをつくってよかった”とか
”高額商品つくったからよかった”とか

無責任なビジネスをつくって広げて、それに満足している人は欠陥商品つくって広げて逃げてるのに近いと思う。っていいすぎですか?


浜田

いや、その通りだと思いますよ。やっぱり責任ですよね。本人がさほど精通していないことを教えるのは変ですし、というか責任とれるの?ってことだと思います。


前田 
ネットって簡単に稼げるという認識があるんですかね。でも、結局リアルといっしょなんですよね。


  
”コンサルすること””高額商品を売ること”これって当たり前ですが、ものすごい責任が大きいんです。だから気軽に誰でもできる仕事とは私は言えない。


世良 
ネットの世界にだって責任はあるわけです。
嫌になったから「会社嫌で辞める」ってね、それ自体は別にいいけど、ビジネスする以上場所がネットになったって責任からは一生逃げられないんですよ。

あとね、最初は素人仕事だったとしても、経験や実績も徐々に伴って成功した。それはそれでいいんです。それで例えば3000万稼げるようになったとしたら、3000万の器にならないと、どこかでうまく行かなくなるはずですよ。そこまで考えているのか、これも言いたいわ。

はあはあ・・・・・。


浜田
世良さんありがとうございました。
長年企業できちんとしたお仕事をされてきて、かつ今はホメオパスとして多くの人の、人生そのものをカウンセリングしている世良が言うので重みがあります。

”ネットの世界にだって責任はある。”
責任を持って指導するコンサルタントがいないと、責任を持って仕事する人は生まれません。
もちろん責任をもって仕事されているネットのコンサルタントもたくさんいます。しかし玉石混交であるのも事実。

自分の仕事にとって”責任”は何なのか?教える仕事をしている人はもちろんですが、そうじゃない人も、もちろん私も考えるきっかけになればよいなと思っています。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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