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ハンコのおもひで

おいでませ。玻璃です。

今日は私の学校生活のハナシ。
萩市内では一番大きく歴史のある小学校、明倫小学校に通う小学3年生。
その当時、ひと学年約7クラス。ひとクラス約40人。
1部、2部、3部と校舎ごとに分かれていて、ひとつの校舎に1年生から6年生までが2クラスか3クラスずつ入っている。

例えばその頃の私だったら、『2部3年2組』となり、呼び名は『2部3の2』と呼ぶ。

名札は菱形の白布の名札を制服に縫い付けるスタイルだった。そこに分数の様な書き方でクラス名を入れて、名前を書く。

3年生の時の私の担任の先生はホネタ先生。もちろんあだ名だ。
「ホネホネロック」と言う歌に出てくるガイコツのように痩せている先生だった。年齢は50代だったのだろうか?背がスラリと高く、若き頃は絶対にイケメンだったと思われるが、何しろ痩せている。そして髪の毛がかなり寂しかった。

穏やかな先生で、大声で怒る事はほぼなかったと思う。
しかし、忘れ物をしたり遅刻をしたり何か良くないことをすると必ずある事をされる。

桜の花の中に文字が書いてあるハンコ。
「もうすこしがんばりましょう」
「ざんねん」
この可愛らしいハンコを朱色のインクをつけてペタンと頬に押される。
そのまま帰りの会まで擦ったり拭いたりしてはいけない。
一日中そのハンコを頬に付けたまま過ごす。
これだったら、ゲンコツ一発の方がまだいいように思う。

ある日の理科の時間。
鏡の反射の勉強だった。太陽の光を鏡に受けて黒い紙に当てたりする実験を屋外で行った。
みんなそれぞれが小さな鏡を持ち、外へ出る。
先生が後ろを向いた途端、私たちが一斉にやる事。
そうだ、先生の髪の毛のない頭に鏡の光を当てるのだ。
鏡の光が一斉に先生の光る頭皮に集中し、艶のある先生の頭は更に光り輝く。
ホネタ先生がくるりと振り向くと、サッと他のところに光を移す。

またホネタ先生が後ろ向きになると、一斉に光を集中させる。だが、当て過ぎには注意だ。

「熱っ!」
サッと振り向くホネタ先生。

「こらっ!頭に光当てたやつは誰か⁉︎」

やばい怒られる。
皆が顔を合わせながら気まずい雰囲気。

「あのな、オレの頭に光を当ててもダメやな。毛があれば黒いところに当てる実験になるが、オレの頭は黒いところがないからな。」

「ぷっ」
「あはは!」

和やかな雰囲気でその実験授業は終わったが教室に帰ると

「おい!みんな。一列に並べ!」

もしかして…。

光を当てた子も当ててない子も全体責任。クラス全員が頬にハンコを押される事になった。
ただ、どのハンコがいいか選ばせてくれたので、私は可愛いリスさんの「ざんねん」のハンコを選んだ。
帰りの会までみんなお揃いのハンコを付けることとなり、ガックリとした表情。それを見てニヤリと笑うホネタ先生だった。

ではまたお会いしましょう。

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