玻璃~はり~

終活として私の人生の棚卸し。 自分の生きてきた道を振り返って、家族のことや関わってきた…

玻璃~はり~

終活として私の人生の棚卸し。 自分の生きてきた道を振り返って、家族のことや関わってきた人たちとのエピソードを書き残します。

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はぎいろモンタージュ 自己紹介

はじめまして。玻璃(はり)です。 終活として・・・。 私の人生を振り返って、 個性的な家族や関わってきた人たち、あの時伝えたかった言葉やエピソードを綴っていきます。 今日は初めての投稿なので、簡単な自己紹介を。 私は、アポロ11号が月面着陸をした年に山口県萩市で四人姉妹の末っ子として生まれました。 小さいときから大人ばかりの中で育った“おませちゃん”。 激動の実家話はまた追々。 今は仕事をしながら介護をしつつ趣味に励む毎日です。 さて、このエッセイのタイトル「はぎいろ

    • 小さな恋のメロディ

      おいでませ。玻璃です。 私の小学生生活もあと一年。 小学6年生になった私はばあちゃんの家での暮らしやバス通学にも慣れ、毎日充実した日を過ごしていた。 小学6年生ともなると友達同士、恋バナで盛り上がる。 この頃の私の恋と言えば、他のクラスの「前ちゃん」こと前田くん。 背がすらりと高く、少し面長でイケメンタイプ。 学校の放課後に活動するサッカー部に所属していてスポーツ万能。 勉強はクラスが違うのでよくわからなかったが、モテモテボーイだったと思う。男子同士ではその面長な顔とすら

      • 呑んだ夜には

        おいでませ。玻璃です。 ばあちゃんの家が私の家になったこの頃、父は転職をした。 家から歩いて5分とかからない所に洋平の実の兄、清が結婚をして住んでいた。清おじさんは板金業をやっていて、父はそこで働くことになった。 清おじさんは奥さんと白いプードル2匹と暮らしている。 幼い頃にバラバラに育った兄弟が大人になって一緒に仕事をするようになった。普段は仲良くしていたが、お酒やギャンブルが大好きな父と真面目な清おじちゃんは時々喧嘩もしていた。 父は飲み友達と繰り出すことが多かった

        • 港町へ

          おいでませ。玻璃です。 ばあちゃんとの悲しい別れから少し経って、母からまたあの言葉が。 「玻璃ちゃん、また引っ越しするんやけど。」 この武家屋敷を出て、ばあちゃんの家に引っ越すという。 亡くなったじいちゃんの兄である”まぁま兄”と呼ばれるおじいさんと家を相続する話ではかなり揉めたらしいが、結局父、洋平が家を相続することになったらしい。 ばあちゃんの家は、城下町の武家屋敷からすると市内でも反対側の漁業の街だ。国道を挟んだ向こう側には港があり、たくさんの漁船が並んでいる。

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        はぎいろモンタージュ 自己紹介

          エンディングメッセージ

          おいでませ。玻璃です。 病院で亡くなったばあちゃんが無言で自宅に帰り、お通夜、葬儀が執り行われた。 絶賛水疱瘡中の私はお通夜の晩、弔問客が少ない時を見計らってばあちゃんに会いに行った。 手足の痛みに加えて、全身岩をくくりつけたように重い身体を引きずってそっとばあちゃんの冷たくなった顔を覗き込んだ。 痛みから解放されたその顔は穏やかだったことを覚えている。 水疱瘡の私はお通夜にも長くは居られず、親戚や近所の人がたくさん来る葬儀には顔を出すこともできなかった。 ばあちゃんを

          エンディングメッセージ

          お誕生日ありがとう。

          おいでませ。玻璃です。 いつもの金曜日投稿とは別の番外編。 今日4月3日は私の誕生日。 誕生日の日に思うことを書きたいと思う。 55年前の今日、私はこの世に生を受けた。 母があの痛みに耐え、踏ん張って私を産んでくれた日。 55年前の今日が、いろんなご縁との始まりの日だ。 私は母のお腹の中で一人で丸くなって安心して眠っていたのに、いきなり 「ここから出る時が来ましたよ~」 と誰かの声が聞こえて、狭くて細い道を頭も身体もギュウギュウに締め付けられながら出てきた日。 外

          お誕生日ありがとう。

          ありがとう。さようなら。

          おいでませ。玻璃です。 秋風が吹き寒さを感じ始めた頃、ガンで入院中のフチばあちゃんの痛みが強くなってきた。 あの頃は、今のように痛みのコントロールをきちんとしながら苦痛をなるべく感じないように…というのは難しく、次の痛み止めを使えるまでの時間は地獄のような痛みに耐えなければならなかった。 激しい痛みにも、小さい頃から忍耐を強いられたフチばあちゃんは歯を食いしばって耐えたという。 看病に母は付きっきりだったがさすがに限界もあり、舞姉さんが帰郷して看病を手伝っていた。 私

          ありがとう。さようなら。

          始まりは一年前の今日

          おいでませ。玻璃です。 昨年の今日、noteでこの「はぎいろモンタージュ」を始めた。 そう、今日で丸1年。1周年記念日。 今日はそんな記念日投稿なので、この1年で感じたことなどを綴る回にしようと思う。 最初のご挨拶投稿から始めて、この記事は57記事目。 最初の頃は曜日を決めずに投稿していた。 でも途中から私の星的にパワーをもらえるという金曜日の16時に投稿を決めた。 そこから毎週金曜日は、忙しいときでも体調を崩していた時でも休まず投稿。 一度決めたことはやり続けたい。

          始まりは一年前の今日

          カルスト大地にて

          おいでませ。玻璃です。 私の母校、明倫小学校の5年生のビッグイベントといえば、秋吉台での合宿だ。 秋吉台は日本最大級のカルスト台地。 広大な緑の中のところどころに美しい白さを放つ石灰石は、およそ3億5千万年前に南方の海でサンゴ礁として誕生し、それから長い年月を経て現在のようなカルスト台地を形成したという。 秋吉台の地下には日本屈指の3つの鍾乳洞がある。 秋芳洞、景清洞、大正洞だ。 鍾乳洞とは、石灰岩台地に降った雨が割れ目や隙間から岩を溶かして流れこみ、地下で岩を溶かして流

          カルスト大地にて

          二人の転校生

          おいでませ。玻璃です。 私のクラスに時期をずらして二人の転校生がやって来た。 一人は、東京から来たタムラさん。 彼女は少し茶色い髪の毛でマッシュルームカットの色白の子だった。 友達とタムラさんの家に遊びに行くと、お母さんがとても喜んでくれて、おしゃれなグラスにオレンジジュースやミルクセーキをたっぷりと入れストローを差しておやつと共に出してくれた。 タムラさんは宝物入れのお菓子の缶を持ってきた。 その中にはたくさんのサンリオグッズが入っていて、それを広げて見せてくれたと

          二人の転校生

          日日是好日

          おいでませ。玻璃です。 武家屋敷の玄関から出て左手の木々の間の細い小径を抜けたところの裏の家。 そちらも古い日本家屋だった。 家は古いがこざっぱりとした清潔感と重厚感のある家。 そこは瀬尾先生の家だった。 瀬尾先生は、茶道と華道の先生。 姉たちもみんな瀬尾先生に習ってきた。 5年生の私も瀬尾先生に茶道と華道を習う事になった。 華道は嫌いではなかったが、あまり心がときめかなかった。 お花を活けた後にデッサンを描くのが得意ではなかったというのもある。 ただ、少しでも習って

          お葬式

          おいでませ。玻璃です。 私の小学校では、春の小運動会と秋の大運動会があった。 校庭で春の小運動会の練習をしていた時、担任の先生から呼び出された。 「お姉さんが迎えに来られたからすぐに着替えて帰りなさい。 おばあちゃんの病院に行くそうやから急いで。」 私は一瞬で状況を理解した。 トメおばあちゃんが危ない。 迎えには長女のさゆり姉さんが来ていた。 あのうっそうとした木々に囲まれた個室に家族全員が集まる中、私は駆けつけた。その時の状況を実ははっきりと覚えていない。 もう亡

          夜の冒険

          おいでませ。玻璃です。 武家屋敷に引っ越してくる前くらいか、母方のトメおばあちゃんが入院した。 入院した先は同じ堀内にある市立病院だった。 建物は古く趣があり、70年代頃の松本清張原作の映画に出て来そうな病院で、子供の私から見て少々怖い雰囲気の病院だった。 更におばあちゃんは、一般病棟ではなく離れのような個室にいた。 草木が生い茂った離れの病室は古く静か。昔は結核病棟として使われていたらしい。 なんの病気だったのかは、よくわからない。ただ、最後についた病名は「肝硬変」だ

          体育なんか大嫌い

          おいでませ。玻璃です。 私は体育が嫌いだ。 嫌いな理由は、持病と大きく関係している。 まず、体育着だ。 女子としては何とも屈辱的服装、ブルマー。これが嫌だった。 考えてみたら、下着のパンツの上にもう一枚紺色のパンツを穿いただけ。 このスタイルのために太ももが丸出し。 赤ちゃんの時、くっついていた手の指を切り離す手術で足の付け根の皮膚を取って移植した。 成長と共にその傷の位置が下に下がってきて、両太ももの前側にケロイドがあり、それがブルマーだと丸見えになる。 更に追い打ち

          体育なんか大嫌い

          新しい家族

          おいでませ。玻璃です。 この武家屋敷で新しい家族が増えた。 父が知り合いから譲ってもらったわんちゃんだ。 ミックス犬でポメラニアンが入っている男の子だ。 まだまだちっちゃい赤ちゃんで、茶色の毛がモサモサで目はブラウン、鼻と口の周りは黒。 私は末っ子で自分より小さい存在が家の中にいることがなく、初めて感じる愛おしさに、嬉しくて嬉しくて小躍りして喜んだ。 さて、名前は何にしよう? 「玻璃が決めたらええよ」 みんなに言われて 「えーと…何にしようかなー」 ちょうどそ

          私の城下町

          おいでませ。玻璃です。 古い武家屋敷に引っ越してから集団下校の恐怖から逃れることができた。 というのも、引っ越してすぐに近くに住んでいるヨシムラさんとタナカさんが武家屋敷に訪ねてくれて 「明日から一緒に学校に行こうね。」 と、言ってくれたからだ。 当然帰りも一緒だし、集団下校の教室も一緒に行ってくれた。 もちろん針の椅子ももうない。 もしかしたら、こっそり逃亡してたのが先生や親にバレていたのかもしれない。 毎日三人で登下校。 朝は話しながら歩く程度だが、帰りは時間に縛