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イタリア② フィレンツェ 思い出の広場

私は、それほどたくさんのイタリアの街を知らない。
それでも、今のところ、フィレンツェの街が一番美しいと思う。
私はきっと、中世の街並みが好きだからだろう。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 

フィレンツェと言えば、やはり大聖堂ドゥオモを思い浮かべる。
花の大聖堂だ。
ミラノのドゥオモが男性的な印象があるのと対照的に、私はこのドゥオモはとても優しい女性的な印象を持っている。

オレンジと、白、そして緑。
その色使いが、私にそのようなイメージを与えるのだろうか。

ドゥオモ内部から見た、クーポラの部分。

クーポラに初めて登った時、頂上の小ささに驚いた。
こうして丸天井の上部を見れば、その小ささは想像できたはずなのだが。。。
それでも、この街を見渡すには充分だ。

色彩豊かなジョットの鐘楼が、間近で見られる。
オレンジ色の屋根が、どこまでも続く。

ジョットの鐘楼

ドゥオモの隣に聳える鐘楼。
登る事ができるので、ドゥオモを近くからその姿を捉えることができて人気だ。

雲のほどんどない日。
真っ青な空に、繊細な色使いの建物が、一層美しく映える。

夜も幻想的な美しさ。

鐘楼からドゥオモを見ると、クーポラにいる人々が小さく見える。
建物の色彩の鮮やかさが、目に痛いほどだ。

サンジョバンニ礼拝堂

ドゥオモの反対側に建つ礼拝堂。
そのドゥオモ側の黄金の扉は、天国への扉と言われている。

サンタ・クローチェ教会 

この辺りは革製品のお店が建ち並び、小さな商店もたくさん出ている。

教会内部。

教会内部には、数々のお墓がある。
こちらはガリレオ・ガリレイのお墓で、地球儀を抱えている。

サン・ロレンツォ教会 

メディチ家礼拝堂として使用されていた教会。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局(Officina di Santa Maria Novella)

イタリア最古の薬局で、美容品も人気だ。
薬局とは思えない内装で、とても美しい。

ヴェッキオ橋

橋の上に、銀細工を始め様々なお店が連なっている。

橋の上であることを忘れてしまうような風景だ。
ここは常に観光客で溢れているため、写真は閉店間近に撮ったもので、すでに閉まっているお店も多い。
遠くに、ドゥオモのクーポラが見える。

ヴェッキオ宮殿 / シニョリーア広場

この近くに位置するウフィツィ美術館(他)は、別途美術館編にて取り上げたい。

市場 Il Mercato Centrale

ここは、フィレンツェ市民の胃袋とも言われているそうだ。

色とりどりの野菜や果物。

市場の中では、フィレンツェ名物をたくさん食べることができた。
白いんげんの煮物や、トリッパと呼ばれる牛の胃袋のトマト煮などなど。


フィレンツェで食べた美味しいもので、忘れてはいけないものが一つある。

イタリアをよく旅する同僚から教わった、ステーキのお店に足を運んでみた。
店内の様子。

観光客も多いが、常連さんも多いようだ。
常連さんが来ると、どんなに忙しそうにしていても、お店のかたは長々と話しこんでいる。
そんな光景を見ると、地元のかたに愛されているのだと感じる。

ステーキを食べることは決めていたが、他にはあまり考えていなかった。
メニューを見ながら迷っていると、私達の隣に一人で座っていた常連さんらしきかたが、ドイツから来たのかな?と英語で話しかけて下さった。
そうだと答えると、ドイツ語に切り替えて、一生懸命説明しようとしてくれる。
『今日は、ズッキーニの花のフライが美味しかったよ』と。
私達は迷わず、それを注文に加えた。
ついでに、その常連さんが飲んでいたハウスワインや煮込み料理も。
常連さんが食べているのだから、美味しいに違いない。

フィレンツェ名物、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。
約1キロある。
もちろん1人では食べきれないので、2人分だ。
だが、その大部分はパートナーの胃袋に入ったが・・・

料理が運ばれてくる間に、初老のその常連さんは、ドイツのマインツにお友達がいらっしゃり、何度かドイツに行ったことがあると教えて下さった。
そして、奥様を亡くされてから、郷土料理が食べたくなると、ここにやってくることも。

私達より先に来ていた常連さんは、良い夜を!と丁寧にドイツ語で挨拶して帰って行かれた。
あのかたのお陰で、フィレンツェにまた一つ良い思い出が出来た。

ミケランジェロ広場

初めてフィレンツェに行くことを父に話したところ、ミケランジェロ広場に行くように勧められた。
父は、ここからの眺めが一番好きだと言った。
そして、夕陽が沈む少し前に行き、昼から夜に変わる瞬間を見てみなさいと、そうアドバイスをしてくれた。

話を聞くだけでワクワクした。
世界遺産の街を、丘の上からぜひ一望してみたい。

広場に行くまでの道。
遠くから見ても、ドゥオモはとても綺麗だ。

ミケランジェロ広場という名前は、広場にダヴィデ像があることが由来。

父のアドバイス通りに、その高台にある公園から、対岸の街を見る。
父は、この景色が好きなのかと、遠くにいる父を想った。
案外、父はロマンチストなのだと思うと、少し可笑しかった。

父が、フィレンツェで一番好きな場所。
それは、私の一番好きな場所になった。

自宅に戻ってから、父にこの広場が一番綺麗だったと報告すると、とても嬉しそうだった。

パートナーと一緒に初めてフィレンツェを訪れた時、私はパートナーをここに連れて行った。
一人で来ていたら、この広場の事は全く気に留めなかっただろうと、パートナーはそう言っていた。

私が、イタリアで一番美しいと思う街フィレンツェ。
私が、フィレンツェで一番好きな場所。

そしてここはまた、パートナーにとって、フィレンツェで一番好きな場所になった。

そんな私達の姿を、父は遥か遠くから見守ってくれているのだろう。
きっと、あの時と同じ笑顔で。

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