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ウルム③ 南ドイツで一番美しい図書館を訪ねて

ウルムを訪れた事のある友達が、是非訪れたほうが良いと勧めてくれた場所、それがヴィブリンゲン修道院だ。

Kloster Wiblingen

大聖堂近くのバス停から、約15分バスに揺られる。
公園を抜けると、修道院の敷地に入る。

こちらが全体図。
修道院と博物館が一体となっている。

博物館と修道院は、それぞれ別の入り口になっているので、博物館から見学することをお勧めしたい。
博物館は左手(ピンクの建物)が、そして修道院は中央がそれぞれの入り口となっている。

博物館は、日本の三階部分が入り口。
そして、オーディオガイドが大変役に立った。

受付を過ぎると、まずは修道院の歴史や建物がどのように造られたかの遷移展示がある。
修道院は、1093年にベネディクト派修道院として建築開始。
年々拡張を繰り返し、1744年に博物館(図書館)部分も完成した。

そして、いよいよ図書館部分へ。 
図書館は、Christian Wiedermannによる設計。
ロココ式の贅沢な空間は、思わず息を呑む美しさだ。

本はその昔、手書きされ、挿絵も一つ一つ挿絵画家によって描かれていた。
一冊の本は非常に高価であり、ここを訪れる事ができる人も、借りることはできず、室内で本を読むだけだったそうだ。

棚の上に書かれたアルファベットが、本の種類や分類を表している。
例えば、このような分類。

G - Gescichte 歴史
L - Literatur 文学
M - Mathematik 数学

本棚には厳重なフェンスが取り付けられており、触ることはできない。
私は本を読むことが好きだけれど、こうして本を『鑑賞』するというのも、なかなか素敵な時間だった。

書籍は全て、細かく丁寧に管理されていたようだ。

本は、権力を表す方法でもあり、修道院を訪れた人を、この図書館で出迎えたそうだ。
この豪華な図書館に、訪れる人はみな圧倒された事だろう。
所蔵されている本は、15000冊ほどだそうだ。

図書館の本は、分類別に棚に整理されているので、その分類に沿った像が、本棚の前に飾られている。
知性を表す像は、胸に第三の目を持つ。

数学を表す像は、手にコンパスを持っている。
このように、それぞれの分野を表す像が、図書館内に全部で8つ飾られている。

更に、天井のフレスコ画も素晴らしい。
大きな天井画面は9つのシーンから作られており、その一つ一つの場面をオーディオガイドが詳細に説明してくれる。
フレスコ画はFranz Martin Kuenの作品で、彼はイタリアでフレスコ画を習得した後、こちらの天井画を手がけたそうだ。

アダムとイブ、シオンの山など、一つ一つのお話を聞きながら見学すると、より一層この図書館を楽しむことができる。

オーディオガイドを全部を聞くと、約一時間かかるのだが、時を忘れてしまう程の美しさだった。

博物館をあとにし、修道院へ向かう。

とても華やかな雰囲気に包まれている内部は、後期バロック様式で造られている。
天井には、四つの大きなフレスコ画。

パイプオルガン。

ウルムはとても美しい街で、知人や友人の多くは、この街を訪れたことがあった。
しかし、この修道院を訪れた事のある知人はたった一人しかいなかった。
こんなに素敵な場所なのに!

市内からバスで15分。
もし、ウルムに足を運ばれるかたがいらっしゃったら、是非この修道院をお勧めしたい。

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