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ウルム①2つの世界記録を持つ街

ドイツにも、早口言葉がある。
Zungenbrecherと呼ばれるが、Zungeは舌、brecherは壊れるという意味。
私はウルムの街を、この早口言葉で知ったのだった。

In Ulm und um Ulm und um Ulm herum.
ウルム市内と、ウルム周辺と、ウルム周辺辺り

これは語学学校の先生が教えて下さったのだが、私はこれが上手く言えず、クラスのみんなに笑われた。
因みに、今もまだ上手く言えない。

私が再びこの街を思い出したのは、ピサの斜塔に登る時。
傾いた建物として有名なピサの斜塔。
そして、最も傾いているホテルはギネスブックに載っており、それはドイツにあるという事だった。

さて、もう一つの世界一とは。
それは教会建物として世界一の高さを持つ大聖堂。
161.53メートルだそうだ。

なんと、世界一が二つもある街!
行く前から、ワクワクする街だ。

Ulm
ウルムは、ドイツ南部バーデン・ヴュルテンベルク州にある街で、街にはドナウ川が流れている。

駅に着くと、アインシュタインがお出迎えしてくれる。
そう、この街はアインシュタインの生まれた街なのだ。

Albert Einstein Geburtshaus
アルベルト アインシュタイン生家

彼の生家は残っていないが、モニュメントが建てられており、アインシュタインの生家と刻まれている。

生家だった場所は、金色の線で囲まれており、一部にアインシュタインの言葉が刻まれていた。

Zum Geborenwerden ist das Haus recht hübsch; denn bei dieser Gelegenheit hat man noch keine so großen ästhetischen Bedürfnisse, sondern man brüllt seine Lieben zunächst einmal an, ohne sich viel um Gründe und Umstände zu kümmern.

Schiefes Haus 傾いた家

駅から向かった先は、ギネス登録のホテル。

1443年に建てられたこの家は、土壌が柔らかかった事に加え、水路に向かって建物が突き出ている構造のため、次第に水路の方角へ傾いてしまったそうだ。
現在の傾斜は10度。

部屋の様子はこちら。
増強工事がされているが、部屋自体は傾いているので、ベッドから立ち上がると平衡感覚が崩れる。
スリッパを履いて部屋を歩くと滑るので、危ないのでスリッパを履くのを止めた。

元々は漁師の家だったそうで、天井部分の凹んだ場所は、燻製のために作られた物だそうだ。
テーブルは水平、椅子は傾いている。

窓を開けると、そこには鍵がぶら下がっている。
これを見ると、いかにこの家が傾いているか分かるよと、ホテルの方が教えて下さった。

外に出てから鍵を見上げてみるた、どれほどの傾きか分かる。

目の前の小さな道は、Küssengasse キスの小道だという。
何故なら、どちらの家も傾いており、まるで建物がキスをしているみたいだよと、ホテルの方がにこやかに教えて下さる。

実際に通ってみると、本当にキスをしそうなくらいだ。

別の窓からは、水路と古い石橋が見える。

ホテルは全部で11室。
それぞれが、別の造りになっているそうだ。

朝食を頂く部屋にギネスブックが置かれていたので、早速見せて頂く。

さて、街の中には、何々の家、と名付けられた家がある。
Schmales Haus 狭い家
こちらの建物の幅は、4,63mだそうだ。

Schönes Haus 美しい家

これらの家々は、Fishervietel 漁師の地区にある。
昔この辺りは漁師やなめし革職人などが住んでいたエリアで、今は旧市街や木組みの家が多く残されていて、人気の観光スポットだ。

この地区にあるレストランZur Forelleを知人が勧めてくれたので、お店の名前にもなっている鱒を頂いた。

アーモンドバターソースは、この地方で食べられているものらしい。
レモンで頂くとさっぱりとするが、アーモンドバターは味が濃く、この食べ方もとても美味しい。
お店のかたが勧めて下さった白ワインも、お魚に合うもので、とても美味しかった。

Stadtmauer 城壁

ドナウ川に沿って、城壁が残っている。
こちらの大きな木材と門は、この街に伝えられた一つの物語になっている。
そのお話は、大聖堂の部分でお話したい。

城壁を歩いていると、所々に塔が残っている。

Metzgerturm 肉屋の塔

こちらは、市内内部に向けて傾いてしまっており、紐で補強されていた。

Gänzturm ガチョウの塔

Rathaus 市役所

市役所の壁に描かれたフレスコ画と、天文時計が素晴らしい。

Schwörhaus 誓いの家

ここは、年に一度、誓いの月曜日と呼ばれるセレモニーのための場所だ。
また、ここは郷土歴史館にもなっているので、ウルムの歴史を知る事ができる。
ここには、アインシュタインが市長宛に書いた手紙も残されていた。

Stadtbibliothek 市立図書館

誓いの家の前にある図書館は、まるでルーブル博物館を思わせる。
Gottfried  Böhmというドイツ人建築家の設計だそうだ。

Kloster Wiblingen ヴィブリンゲン修道院

ガラスのピラミッド型の図書館も美しいが、ウルムには南ドイツで一番美しい図書館があると聞き、訪れてみた。
こちらは長くなるので、別記事にて取り上げたい。

Museum der Brotkultur パン文化博物館

こちらは、博物館記事として別に残したい。

長くなったので、ウルム市内の二つ目の世界一は、記事②に続く。

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