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《絵本レビュー》あずきがゆばあさんととら

我が家は、めでたくもないのに週に1回は、お赤飯を食べています。うちの家系が単なる豆好きなのではと….

ところで韓国では冬至の日に〝あずきがゆ〟を炊くそうです。
食べたり撒いたりして家族の健康と幸せを願うような風習があるのだそうな。

今日はですね、その〝あずきがゆ〟が勝負の勝敗を決める韓国絵本【あずきがゆばあさんととら】のレビューをしたいと思います。

〔作〕ペク・ヒナ
〔文〕パク・ユンギュ
〔訳〕かみやにじ
〔初版〕2022年10月
〔発行所〕偕成社

《ストーリーについて》

昔々深い山奥に、あずきがゆつくりが上手な、あずきがゆばあさんが住んでいました。

ある日、畑で草取りをしていると、とてつもなくでかいトラが目の前に現れ襲おうとしました。あずきがゆばあさんの提案に、トラは冬至まで喰うことを待つ事にし山へ去りました。

春が過ぎ秋が過ぎて、その時期が来たあずきがゆばあさんが、あずきがゆを煮ながらおいおい泣いていると…

栗・すっぽん・うんち・せんまいどおし・いしうす・むしろ・しょいこが次々にやってきて、〝あずきがゆと引き換えにトラから助けてあげる〟と言うのです。

さぁ、あずきがゆばあさん達はトラをやっつけることができるでしょうか?

これは、韓国の小学生の教科書でも取り上げられる有名な昔話の物語です。

《10コの視点》

【表表紙・裏表紙】
表表紙に、あずきがゆを持ってるあずきがゆばあさん。
裏表紙にトラが描かれている。

【見返し】
冬至の季節の雪が描かれている。

【題字の文字】
角ばっているデザインのゴシック体。

【絵】
世界観は、よく昔話にでてくるようなおばあちゃんとトラと背景で、人形で表現されているのでリアル感がある。
絵担当のペク・ヒナさんは、人形制作・セット・ライティング・撮影まで一人でこなすというからビックリである。

【文】
小さくて弱いもの達が力を合わせて大きな悪もの(トラ)をやっつけていく流れが、日本の昔話で言うところの〝桃太郎〟とか〝さるかに合戦〟と通づるものがあり面白い。

【構成】
あずきがゆばあさんがトラと遭遇し喰われそうになる

何とか提案して冬至まで待ってもらう

その時期が来て、あずきがゆばあさんが泣いていると、次々に助っ人が現る

トラがやってきて、あずきがゆばあさんの家に入り込むと、次々に助っ人が攻撃する

あれよあれよとトラは谷間の川に落ちる

【キャラクター】
・あずきがゆばあさん
・栗
・すっぽん
・うんち
・せんまいどおし
・いしうす
・むしろ
・しょいこ
・トラ

【舞台設定】
・韓国の自宅
・畑

【イチオシ】
ペク・ヒナさんが制作されたトラが迫力があって、おどろおどろしい!!!こんなの目の前に現れたら失神するかもと思わせるようなクオリティを是非見ていただきたい。

【ハッピーエンド】
トラをやっつけて、みんなで〝あずきがゆ〟を食べながらハッピーエンド。

《読み聞かせをしてみて》

『あずきがゆばあさんって おりょうりじょうずだよ(7)』
『わたしも あずきがゆ たべたいなぁ(9)』
『週1で食べてるやん(母)』

実はこの絵本は長女がオススメしておりまして、ならばと絵本レビューすることになりました。
娘達にとっては、いろんなキャラクターがトラをやっつけていくページにクギづけで興奮してました。

《おしまいの言葉》

昔の朝鮮半島の山には生態系の頂点に立つトラが生息していて、時に神様の使いに見え、時に人間を襲って恐がらせてたようです。
なので、人とトラにまつわる昔話が生まれて現在に至ると。

こういう昔話や風習って、人間の知恵と経験が詰まっているなと興味深く思います。

わたしが初めての生理が来た時、母がお赤飯炊いてくれたんですが、その時のお赤飯は何か特別な感じがしましたもん。(現代においては賛美あるかもしれませぬ)

いつものお赤飯に風習が相まって、魔除けになるんだと。すごいですよ昔の人は(笑)

というわけで、週1で食べてる我が家は、魔を祓い続けております。

☆彡パワースポットコボシより 

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