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岐阜県の持つ地学的価値はメチャクチャ高いと思う

ブラタモリでも紹介された岐阜県


NHKの「ブラタモリ」が好きでよく見ています。

日本全国の地域学を専門家の知見を聴きながら丁寧に掘り下げる番組は貴重です。
タモリさんの博識さには素直に驚かされます。

そんな15年の長寿番組では私が住む岐阜県も題材に上がったことがあります。
岐阜市、高山、白川郷、木曽三川など。

有名どころから選ばれてはいるものの、まだまだ岐阜県の持つポテンシャルは紹介しきれていないと思います。

というのも、私は岐阜県の持つ地学的価値は全国的に見てもメチャクチャ高いと思っているからです。

岐阜県の持つ『宝物』

地域の持つ価値というと観光面がクローズアップされがちですが、それは一要素に過ぎません。

地学面から見ると岩石の豊富さやインパクトの強い地質・地形などの宝庫が岐阜県です。

いくつか具体例を挙げましょう。

根尾谷の菊花石

鑑賞石の王様とも称される菊花石は、その名の通り石の中に菊の模様が入った美しい石です。
玄武岩の中に放射状の方解石が入って作られたといわれています。

菊花石は特別天然記念物に指定されており、現在採取は固く禁じられています。
あまりに貴重過ぎて人工的に菊花石を似せて作った「ニセ菊花石」が出回るほどの価値がありました。

飛騨市の神岡鉱山

かつて東洋一の規模を誇った亜鉛の産地が神岡鉱山です。
2億5千万年前にできたとされる飛騨片麻岩の中からは亜鉛・銀・鉛などが採掘できました。

日本四大公害の「イタイイタイ病」の原因となったり、閉山後にニュートリノの研究施設としてノーベル賞を輩出したり。
もはや日本一有名な鉱山と言っても良いのではないでしょうか。

七宗町の日本最古の石

日本最古の石とされているのが七宗町にある上麻生礫岩です。
地球誕生から現在までの約半分、20億年前の姿を今に繋ぐ貴重な岩石です。

遥か昔に形成された岩石の年齢を推定する「ジルコン年代学」の凄さにも感心するばかりです。

まだまだある岐阜の宝

有名どころを3つ紹介しましたが、まだまだ地学的魅力がたくさんあります。

  • 中津川市の苗木城・鉱物博物館と花崗岩

  • 恵那市のストーンミュージアム

  • 瑞浪市の化石博物館と新生代の瑞浪化石

  • 郡上市の大滝鍾乳洞・美山鍾乳洞

  • 濃尾地震と根尾谷断層

観光面ではちょっと地味な存在であっても、地学の魅力ではかなり優れています。

関市だって負けていない

私の住む関市にも実は面白いスポットがあります。

日本有数の蛍石産地・上之保や、銅・鉛などを産んだ洞戸鉱山など。
旧関地区にも倉知鉱山というマンガンが採掘できた場所がありました。
また、小屋名にある岐阜県博物館では地学関連の詳細な展示が並んでいます。

決して岐阜県の中に埋もれている存在ではありません。

焼岳、御嶽山、白山などの大峰に囲まれ、長良川・揖斐川・木曽川という一級河川が流れる岐阜県。
地学が好きな方にとっては「楽園」といっても良いのではないでしょうか。

近年ではSNS映えやアニメコラボなど「わかりやすい」地域の魅力発信が主流です。

地学的魅力という「難しくて」「教養が必要な」面白さはなかなか伝わりません。

少しでも岐阜県の持つ地学的価値が伝わって頂ければと思います。

すごい真面目な記事になってしまった。

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